高速道路「最高速度120km/h」本格スタート 日本初 東北道の一部で ドライバーへの影響は?

高速道路「最高速度120km/h」本格スタート 日本初 東北道の一部で ドライバーへの影響は?

  • 乗りものニュース
  • 更新日:2020/09/16

「最高速度上がった スピード出そ」とはならず

2020年9月16日(水)から、東北道の一部区間で最高速度が120km/hに引き上げられます。これまで東北道や新東名の一部で試行的に引き上げが実施されてきましたが、正式運用は日本で初めてのことです。

引き上げが実施されるのは岩手県内の花巻南IC~盛岡南IC間、約27kmです。同区間では2017年12月から、110km/h、120km/hと段階的に最高速度が引き上げられてきました。その結果が岩手県警から警察庁に報告され、安全性が確認されたことで、警察庁が本運用を決めたといいます。なお警察庁はこの本運用に向け、8月下旬には交通規制基準を改正しています。

試行前には「スピードの出しすぎにつながる」「速いクルマと遅いクルマの速度差が大きくなり危険」といった声も聞かれましたが、実際にはどうだったのでしょうか。岩手県警交通規制課によると、速度引き上げ試行区間の実勢速度(実際に走行するクルマの平均的な速度)の変化は、次の通りだったそうです。

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東北道 最高速度120km/h規制試行区間の開始位置。試行から本格運用に移行した(2019年4月、中島洋平撮影)。

・最高速度100km/h時:上り112.0km/h、下り114.2km/h
・最高速度110km/h時:上り110.7km/h、下り113.6km/h
・最高速度120km/h時:上り111.9km/h、下り114.3km/h

それぞれ試行前および試行中における約1年間の比較です。最高速度100km/h時と比べ、110km/h時にはむしろ実勢速度が下がり、120km/hに引き上がっても、ほぼ変わりなかったといいます。「最高速度が120km/hだからといって、120km/hで走ろうと速度を上げるような動きは見られない」とのことです。

事故件数はどうなった? 全国で計画される120km/h引き上げ

事故件数の推移は次の通りです。

・最高速度100km/h時:人身事故3件(死亡1、軽傷2)、物損事故46件
・最高速度110km/h時:人身事故3件(重傷1、軽傷2)、物損事故96件
・最高速度120km/h時:人身事故1件(重傷1)、物損事故87件

人身事故の件数はスピードを引き上げてもほぼ変わっていないようです。物損事故の件数は引き上げ後のほうが増えていますが、110km/h引き上げから約1年後、2019年2月の取材時には、特に動物の飛び出しに起因するものが多いと話していました。

車両間の速度差については、岩手県警のアンケートに答えた人の77%が、「不安を感じなかった」と答えているそう。ただし、最高速度が120km/hに引き上げられても、大型車については80km/h規制のまま据え置かれます。アンケートの結果は一般車、大型車ドライバー含む全体の数値だそうです。

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新東名の最高速度120km/h規制試行区間(2020年3月、中島洋平撮影)。

こうしたことから、岩手県警は最高速度100km/hでも120km/hでも、実勢速度や事故件数、ドライバーへの影響は「ほぼ変わらない」と判断しているといいます。

なお、新東名の速度引き上げ試行区間(新静岡IC~森掛川IC、約50km)でも、実勢速度や死亡事故率の変化はほぼないことが報告されています。新東名ではこの区間を含む御殿場JCT~浜松いなさJCTの6車線化完成と同時期に、引き上げが実施される見込みです。

このほか、東北道の浦和IC~佐野スマートIC間、常磐道の柏IC~水戸IC、東関東道の千葉北IC~成田JCT間も、警察庁が最高速度を120km/hに引き上げる区間の候補として挙げています。

乗りものニュース編集部

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