新規ユーザーをどこまで取り込めるか? 価格・性能のバランスモデルApple Watch SEの実力

新規ユーザーをどこまで取り込めるか? 価格・性能のバランスモデルApple Watch SEの実力

  • マイナビニュース
  • 更新日:2020/10/19
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緊急事態宣言が解除され、しばらくして外出してみると、Apple Watchを使っている人を以前より多く見かけるようになった気がします。特に女性はかなり増えたのではないでしょうか。外出自粛中は家庭用のトレーニンググッズがよく売れたそうですが、そのタイミングでApple Watchに目が向いた方も多かったのでしょう。

Apple Watch Series 6 - 2週間で発見、生活「見える化」がおもしろいぞ

9月に発売されたApple Watch SE(以下、SE)は、特にこれまで価格がネックになって迷っていた方にピッタリの新モデルと言えます。安い買い物ではありませんが、必要な機能はしっかりと備え、健康管理を合理的にサポートしてくれます。上位モデルのApple Watch Series 6(以下、Series 6)と比較してもお買い得なバランスになっているのではないでしょうか。Series 6と使い比べてみたレポートをお届けします。

○デザインとスペック

Apple Watch SEは、一見するとSeries 5や6と見分けがつきません。ケースサイズもガラスの素材も同じで、バンドも共通。ただし、素材とカラーのバリエーションは限られます。

SEは、アルミニウム素材のみ、シルバー/スペースグレイ/ゴールドの3色というベーシックなラインアップ。ステンレスやチタニウム素材のケース、また新色のブルーや(PRODUCT)REDはSeries 6にしかありません。

Series 6とスペック面を比較すると、常時表示Retinaディスプレイ、血中酸素ウェルネスセンサー、電気心拍センサー(日本国内ではまだ使用不可)が搭載されていません。また、Series 6に搭載のチップ「S6 SiP」は、SEの「S5 SiP」に比べて最大20%高速となっています。

実際のところ、この差が使用感にどんな違いを生むのでしょうか。
○バッテリー? センサー? 選択のポイントは

1週間ほど使用してみたところ、もっとも大きな差を感じたのはバッテリー性能でした。SEの方が、全然余裕があります。夜10時〜11時頃になると、Series 6ではほぼ30%程度まで減っていましたが、SEは50%程度残っていることがほとんどです。

Series 6はディスプレイの常時表示と血中酸素ウェルネスセンサーをオンにして使用したため、それによる差が出たものと思われます。一般的に、リチウムイオンバッテリーは充電サイクルを多く繰り返すほど性能の低下が進むため、バッテリー消費の少ないSEの方が、より長くバッテリー性能を維持できる可能性があります。

ただし、目に見えないセンサー類はともかく、常に目に触れるディスプレイについては、常時表示を一度体験すると戻るのに抵抗があるかもしれません(Series 5から乗り換える人はほとんどいないと思いますが…)。常時表示の有無は他の人から見た場合の印象にかなり影響するので、これは見た目で選びたい方にとって大きなポイントになると思います。

動作の速さについては、チップが違うとはいえ体感でその差を感じることはありませんでした。この点はSeries 5の段階でかなり改善された感触があり、以前のようにSiriを呼び出して2秒待つ、みたいなことがほぼなくなっています。

その他、アクティビティリングや通知、緊急通報など、Apple WatchとしてやりたいことはSEでカバーできます。これから試してみたい方のエントリーモデルとして、またApple Watch Series 3や4からの乗り換えモデルとしても、良い選択肢と言えるでしょう。

○「ファミリー共有設定」は機能よりも運用がポイント

watchOS 7の新機能「ファミリー共有設定」では、iPhoneを持っていない家族用に保護者のiPhoneからApple Watchをセットアップすることができるようになりました(Apple Watch Series 4以降が必要)。これまで、仕組み的にどうしてもiPhoneを持っている人しかApple Watchを使うことができませんでしたが、この機能によってiPhoneを持たない(しかし安全や健康の管理が必要な)子どもや高齢者にも対象ユーザーが広がったわけです。

管理するiPhoneからは、通信/通話の制限、画面をオフにする時間帯の設定、学校の時間帯に機能を制限する設定(スクールタイム機能)、コンテンツの購入やプライバシーに関する設定など、いろいろなコントロールが可能です。また、位置情報やアクティビティの状況も設定を有効にしておけば確認できますが、いずれもApple Watch側の許可が必要です。

Apple Watch用のモバイルデータプランを契約すれば、どこにいてもこれらの情報を取得できますが、今のところこのプランを使えるのは大手キャリアのみ。筆者が契約中のMVNOでは利用できないので、今回はWi-Fiのみで試してみました。

iPhoneのファミリー共有以上に踏み込んで、相手の利用状況を把握することになるので、事前にきちんと説明して合意しておく必要があるでしょう。また、高齢者だと新しいデバイスに抵抗感を持つ人もいるかもしれませんし、認知症になると新しいことを習慣づけるのが難しいと聞きますので、親に使ってもらいたいと考える方は早いうちから習慣的に使ってもらうのが良さそうです。

逆に、Appleがイベントで強調していた子どもに関しては、持たせようにも一般的な小学校では"腕時計"の着用が容認されそうな気がしません。そうなると基本は学校以外、帰宅してから遊びに行ったり塾や習い事に行く際に使うイメージでしょうか。スマホよりは落としたり無くしたりするリスクが少ないのは利点と言えるでしょう。

中学校・高校なら普通に腕時計をしていく生徒もいると思いますが、その頃にはみんなスマホを持っているでしょうから、Apple Watchを選択肢と考えるのはかなり限られた層になると考えられます。

こうした事情から、日本国内でファミリー共有設定が利用されるかどうか微妙なところですが、より多くのiPhoneユーザーを取り込む新規Apple Watchユーザー向けという点では、価格的にも性能的にもかなりピッタリはまるモデルと言えるでしょう。Apple Watchがよりユーザーの裾野を広げる転換点となるのか、注目したいと思います。

笠井美史乃

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