日本馬の凱旋門賞制覇の可能性は? 現状1番人気は日本生まれのディープ産駒

日本馬の凱旋門賞制覇の可能性は? 現状1番人気は日本生まれのディープ産駒

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  • 更新日:2021/06/10
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凱旋門賞にエントリーしているクロノジェネシス (c)朝日新聞社

日本の競馬はクラシックが終わり、欧州競馬も英ダービーなどのクラシックはほぼ終了(愛ダービーなどはまだ終わっていないが)。夏のビッグレースや秋の大一番へ向けた勢力図がひとまずは見えてきた。そこで今回はやや早めではあるが、現時点での凱旋門賞の展望を語ってみようと思う。

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なんと言っても最大の注目馬は英オークスを圧勝したディープインパクト産駒のスノーフォールだろう。ガリレオ産駒の母馬ベストインザワールドが日本でディープインパクトを受胎してノーザンファームで生まれた牝馬だ(欧州基準での登録上の生産者は母馬の所有者)。

名門のA.オブライエン厩舎に入ったが2歳時は7戦して1勝どまりと目立った存在ではなく、英G1フィリーズマイルで同厩馬マザーアースと取り違えられたのが話題になった程度だったが、3歳になって覚醒。初戦の英G3ミュージドラステークスで重賞初制覇を飾ると、英オークスではレース史上最大着差となる16馬身差の圧勝を飾った。

この勝利を受け、各ブックメーカーはスノーフォールを凱旋門賞の前売り1番人気に設定。一気に今年の欧州競馬の主役へと躍り出ることになった。母の全姉に2016年の凱旋門賞を制した名牝ファウンドがいることも人気を後押ししているだろう。

ただし英オークスは3番人気だったスノーフォールを除けば、2着から4着までは人気薄の決着。さらに欧州ではあまり勝ち時計は重視されないとはいえ、前年に良馬場で2分34秒06のタイムで9馬身差の圧勝を飾った同厩舎の先輩オークス馬ラブに対し、今年のスノーフォールは稍重で2分42秒67だった。このあたりがどう評価されるか、最新のレーティング発表をしっかり確認したいところだ。

このスノーフォールに前売り1番人気を奪われたのが、前述のラブ。昨年に英1000ギニーと英オークスの二冠を制覇後に8月のG1ヨークシャーオークスも圧勝したが、秋の凱旋門賞は馬場状態を考慮して回避した。

今年は6月上旬時点でまだ未出走。6月16日の英G1プリンスオブウェールズステークスや同27日の愛G1プリティポリーステークス、7月3日の英G1エクリプスステークスなどに登録があり、いずれかのレースで復帰すると見られている。

大きなインパクトを示したスノーフォールに1番人気を譲ったとはいえ、ラブの評価を下げる理由もない。実際、スノーフォールのオッズが5倍前後(※記事内のオッズは6月9日時点のもの)なのに対してラブも7倍前後と差がなく続いている。2頭の次走の結果次第で再逆転は十分にあり得るだろう。

さらに前売りオッズを確認してみると、2月にダートのサウジカップを制して3月には芝のG1ドバイシーマクラシックも勝った昨年の仏ダービー馬ミシュリフと、昨秋に仏G1ヴェルメイユ賞、仏G1オペラ賞、そして米G1ブリーダーズカップターフとG1を3連勝した4歳牝馬のタルナワが8倍前後で続いている。

そして仏2000ギニーと仏ダービーの二冠を達成したセントマークスバシリカと、英ダービーを人気薄で制したアダイヤーが10倍前後。この2頭の比較ならば、2着馬が未勝利馬だった英ダービー馬アダイヤー(自身もダービーが重賞初制覇の2勝馬)よりも、仏二冠馬のセントマークスバシリカの方が上だろうか。ただしこの馬はスノーフォールやラブと同じオブライエン厩舎の管理馬のため、使い分けの都合で凱旋門賞に出てこない可能性もある。

なお今年の凱旋門賞に登録した日本調教馬は全6頭。ドバイシーマクラシックでミシュリフから僅差の2着だったクロノジェネシスを筆頭に、デビュー6連勝で大阪杯を制した新星レイパパレ、同2着の道悪巧者モズベッロ、天皇賞・春で2着のディープボンド、皐月賞とダービーで連続3着だったステラヴェローチェ、そしてリステッドの福島民報杯勝ちのあるマイネルウィルトスだ。

欧州の各ブックメーカーのオッズを見ると、レイパパレが20倍前後、クロノジェネシスが16倍から22倍と、現時点では伏兵の域を出ていない。両馬が出走を予定している6月27日の宝塚記念の結果次第で彼女らの評価も上下するだろう。

昨年の凱旋門賞は新型コロナウイルスの影響もあって日本調教馬の参戦はディアドラのみ。今年も状況が劇的に好転したわけではなく、日本馬参戦は見送られるかもしれない。だが仮にそうなったとしても、ディープインパクト産駒のスノーフォールが出走すれば日本の競馬ファンも楽しみが増えるというもの。まだまだ夏から秋にかけて注目度が上がる馬が増えることも予想されるため、秋の本番まで欧州競馬の動向を気にかけておきたい。(文・杉山貴宏)

杉山貴宏

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