日本初のクラウドファンディング保険は成功するか?

日本初のクラウドファンディング保険は成功するか?

  • @DIME
  • 更新日:2018/01/12

■連載/鈴木拓也のクラウドファンディング・ウォッチャー

年々、プロジェクトの実行者と支援者が増え、資金調達のインフラとしての地位を確立しつつある、日本のクラウドファンディング。当初は、個人のミニビジネス向けのイメージがあったこの仕組みは、今や企業や自治体までもが参加する、市場規模500億円の成長産業として脚光を浴びている。

No image

一方で懸念されるのが、「プロジェクトの趣旨に賛同してお金を出したのに、一向にリターン(返礼品)が送られてこない」というトラブル。クラウドファンディングの柱となる仕組みは、資金集めが目標額に到達したら、実行者はプロジェクトを完了次第、商品やサービス(時にはプラスアルファの特典)を、資金提供者に贈るというもの。ところが、先駆者である米国のキックスターターでは、実行者がリターンを送らないまま音信不通となるトラブルがいくつか発生している。

その理由は、明白な詐欺であったり、商品量産に失敗するといった実行者側のスキルの問題であったりと様々。実行者と支援者の橋渡しをする運営会社には、不誠実な実行者に対し、差し押さえといった強硬な手段を取ることまではできない。もちろん運営会社は、事前審査によって、犯罪や金銭トラブルがからんできそうなプロジェクトを慎重に排除しているが、キックスターターで実際に起こっているようなトラブルを100%防止するのは難しい。

こうした懸念をふまえ、生まれたのがクラウドファンディング保険。海外ではAIG保険が、昨年からこうした保険サービスを始めているが、今年3月に入って、クラウドファンディング大手のCAMPFIREが、東京海上日動火災保険(以下、東京海上日動)と連携して、日本初のクラウドファンディング保険を立ち上げている。

これは、万が一プロジェクト実行者が、倒産といった不測の事態に見舞われる、あるいは資金横領が発覚して、支援者がリターンを受け取ることができない場合、支払った支援金額の80%を上限として、東京海上日動がCAMPFIREを通じて支援者に保険金を支払うというもの。これには、「All-or-Nothing」方式(目標金額達成が実行者への支援金支払い要件となるプロジェクト)だけでなく、「All-In」方式(目標金額未達でも実行者へ支払われるプロジェクト)も含まれる。

No image

クラウドファンディング保険のスキーム(CAMPFIRE公式サイトより抜粋)

この保険のなにより大きな目玉は、支援者は保険加入費用を支払う必要がない点。CAMPFIREが保険契約者として東京海上日動に保険料を払っているため、支援者は支援金以外に負担が生じない。「実行者にどことなく不安を感じるが、保険に入っておくべきか」などと悩むことなく、安心して支援ができることが、最大のメリットとなっている。このメリットは、実行者にとっても同様で、「冒険的なプロジェクトが、予期しない問題で失敗に終わったら…」という不安感をかなり払拭できる。

この保険によって、今まで実行あるいは支援に二の足を踏んでいた人たちにとって、参画の敷居が低くのなるは確実。CAMPFIREは、この保険の導入がクラウドファンディング市場の健全化を目指す第一歩と位置付けており、この産業のさらなる裾野拡大にはずみがつくものとしている。

文/鈴木拓也
老舗翻訳会社の役員をスピンオフして、フリーライター兼ボードゲーム制作者に。英語圏のトレンドやプロダクトを紹介するのが得意。

※記事内のデータ等については取材時のものです。

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

コラム総合カテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
エナジードリンク「副作用」がハンパ無いことが判明!若者の半数は感じている
【助産師に聞いた】赤ちゃんに「でべそ」が多い理由と治る時期
【地獄】仮想通貨大暴落のさなか「ビットコイン」を買ってみた結果 → ぐいぐい下がるーーーッ!!
【共感】「男子校の男子ってだいたいこんな感じ」ってイラストがTwitterで話題 / 全体の6割は単なる「〇〇」らしい
  • このエントリーをはてなブックマークに追加