賢人に学ぶ!自律神経が整う時間コントロール術

賢人に学ぶ!自律神経が整う時間コントロール術

  • @DIME
  • 更新日:2017/11/13

90年代、画期的な『「超」整理法』を世に問うた野口悠紀雄氏と、医師の視点から、仕事と健康の両立を提唱する小林弘幸氏。両者の考えから、ストレス過多の現代社会をうまく生き抜くための知恵を学ぶ。

◆クリエイティブな仕事は余裕から生まれる

順天堂大学医学部・小林弘幸教授の自律神経のバランスに着目した時間管理術。この内容を拡充し、解説した書籍『自律神経が整う時間コントロール術』(小学館)が発刊された。同書では、人間の体は24時間365日休みなく働ける機械ではないとする医師の視点から、仕事と健康の両立を目指す時間管理を提案している。そこで、インターネットやパソコンの普及期に『「超」整理法』(中公新書)を発表した野口悠紀雄氏とともに、今求められる時間や仕事の管理、整理の仕方を考える。

野口悠紀雄(以下、野口) 著作を拝読しました。私の場合、寝入りばなや朝起きた時にいいアイデアが浮かぶんですが、自律神経と関係があるのですね。

小林弘幸(以下、小林) 朝は最も自律神経のバランスがよく、体の総合力が高い。だから午前中にクリエイティブな仕事をして、午後は整理など頭を使わないことをするのがいいんです。

野口 私の一日の時間配分は、朝に原稿の草稿など創造的な活動を、午後は編集などあまり頭を使わないこと、そして夜は本を読むなどインプットをしています。これが医学的根拠があるというのは、興味深いですね。

小林 朝は体内時計を調整する意味でも、太陽の光を浴び、朝食を取る。これを習慣づけて、夜は就寝する3時間前に食事をすます。そうすることで朝の自律神経のリズムが整ってきます。

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野口 ただ少し心配になったのが、私は寝床入る際にもスマートフォンを持ち込んで、音声認識で原稿のアイデアなどをまとめているんです。ですが、小林先生の本では寝る前にスマートフォンを使うのはよくないと……。

小林 寝る前に発光体を見ると、交感神経が上がるため睡眠の質が落ちます。SNSなどを見ていても同様です。ただ睡眠の質を決めるのは就寝時間などほかの要素もあるので一概にはいえませんが、寝る前にスマホを見るのは好ましくはありません。

野口 私の場合は、画面を見ているわけではないんです。

小林 ならばまだいいですね。野口先生の『「超」整理法』3部作は、時代を先取りした仕事術の古典ともいえますよね。なかでも予定表は空けておけとの指摘は、今回の本でも触れているので同志を見つけた気分です。

野口 いろいろな用事で予定欄を埋め、手帳を真っ黒にして満足している人が多いと思うのですが、あれは他人の時間、他人のスケジュールに支配されていることと同じ。手帳が真っ白なことは暇人なのではなく、創造的仕事をしていることの証(あかし)です。

◎時間的な余裕を持ったスケジュールが肝要

小林 私も忙しくしているのですが、週1日は必ず余裕が持てる〝戦略日〟を設けています。余裕を持って考えることが仕事の質を上げるからです。

野口 農業社会の頃は太陽の動きに合わせて生活し、春になったら種をまくなどしていけば十分だった。工業社会になっても、工場労働者は1日もしくは週単位のルーティーンを繰り返せばよかったのでスケジューリングは重要ではなかった。しかし、現代社会は複雑な納期の仕事を同時並行的に進めるので、やりくりが非常に難しい。人間の処理能力を超えるので、補助手段、つまり手帳が必要となる。そうした認識から出発するべきです。

小林 私も病院のほかに、医師会の理事を兼務していることがあり、予定のやりくりが大変です。しかも相手の都合で変わることもまれではないですから。

野口 私が、手帳をなるべく白くして集中した時間を確保せよとビジネスパーソンにいうのは、そうした時間は意識しないと作れないからです。10分おきに人と会う予定を入れているような経営者や政治家は、物事を深く考える時間的余裕はあるのかと心配になります。

小林 私は〝戦略日〟を確保するために、予定は自分で管理しています。グループウェアや秘書まかせにはしません。

【時間を意識した整理が人生を開いていく】

◎整理することに時間を使うのは無駄

小林 今日話を伺うのを楽しみにしていたのですが、私は年末に〝大・断捨離〟をしたんです。でも、手をつけられなかったのが名刺と書類のファイリング。

野口 私が『「超」整理法』で提唱したのは「分類するな、時間順に並べよ」ということで、言い方を変えると整理は無駄だからするな、ということです。

世の中の多くの方が、『「超」整理法』は整理を上手にする方法と誤解したんですが、あれはサボる方法。もう少しいうなら整理は無駄な時間なのでやめようということなんです。

小林 なるほど。

野口 まず名刺ですが、これは情報の劣化速度が速い。日本の企業では3年程度で異動があり、名刺をもらった時期が異動直後とは限らないので、1年半もすると所属や肩書が使えなくなる。だから整理せず、時間順に並べ、必要な時に取り出せればいいのです。

小林 確かにそうですね。

野口 書類は「押し出しファイリング」にすることです。

書類を封筒(野口氏は角形2号を推奨)に入れ、タイトルと日付を入れる。その封筒を入れる場所を用意して、左から順に並べます。中身を使った封筒もしくは新しい封筒は常に左に置く。こうすると使わない封筒が自然と右に押し出されていくわけです。右に押し出された封筒で不要なものは別の場所に一時保管し、さらに一定期間が経過して保管の必要がないものは捨てる。

これなら、例えば「不動産に関する課税の問題」という書類を「不動産」と「課税」のどちらに分類するかで悩むこともない。

小林 そういうことですか。いや、すごい。書類をどちらに分類しようかと迷うだけでも、自律神経は乱れますからね。

野口 私の方法は経験的なものですが、小林先生の方法論は医学的な観点からの知見なので、納得がいきました。

小林 野口先生の時間を意識した整理法は、自律神経を安定させるでしょう。読者の方々も、参考にしていただきたいですね。

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野口悠紀雄

のぐち・ゆきお。1940年、東京都生まれ。早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。公共経済学を専攻とする。『「超」整理法』3部作は、本格的なデジタル社会が到来した今こそ再読されるべき古典といえる。

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小林弘幸

こばやし・ひろゆき。1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部教授、日本体育協会公認スポーツドクター、東京都医師会理事。外科医として自律神経の働きに着目し、この分野の実証研究を進め、独自の視点で健康法を提唱する。

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仕事や生活を豊かにする時間術で意気投合したふたり。

●小林氏の時間と整理の考え方

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午前中はクリエイティブな仕事ができる〝ゴールデンタイム〟として最も重要。手書きの手帳は自律神経を安定させる効果もあるので、スマホなどとうまく併用したい。

●野口氏の時間と整理の考え方

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朝、午前中の重要度については、小林氏と全く同じ考え。思い入れのある本などは残し、分類や整理はしすぎない。手帳は長年のノウハウから一覧性のよいオリジナルに特化。

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野口氏が考案した『「超」整理手帳』。広げると8週間分の予定が一覧できる。折りたたむと、A4ヨコの紙を四つ折りにした状態になる。

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野口氏の近著『話すだけで書ける究極の文章法』(講談社)。自身が原稿執筆などにも使う『iPhone』の音声認識を活用した文章作成術。

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小林氏の最新刊『自律神経が整う時間コントロール術』(小学館)。自律神経の働き方にはリズムがあることに着目。自律神経のためにはスマホの通知を切る、駆け込み乗車はやめるなど、身につまされる話が満載。

文/編集部

※記事内のデータ等については取材時のものです。

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