広島じゃけん《お好み焼き》(3)通をうならせる“地ソース”カープソース

広島じゃけん《お好み焼き》(3)通をうならせる“地ソース”カープソース

  • THE PAGE
  • 更新日:2016/10/20
No image

カープソースを使う、おっこん商店のお好み焼き(広島市南区段原)

“うまいもん“の宝庫、広島。なかでも、“お好み焼き”はその代表格だ。地元のソウルフードの地位にとどまらず、今では全国で広く支持されるようになった。

広島のお好み焼きは、いつどのようにして誕生し、どのように広まっていったのか。その歴史や足取りをたどりながら、魅力を紹介していく。

No image

毛利醸造外観(三次市三原町)

今でこそ、お好み焼ソースと言われるドロッとした粘りのあるソースは、全国で多くのメーカーで作られている。トンカツなど揚げ物に使われるソースも、昔は、ウスターソースと言われるサラサラのソースだけだったが、現在は味も粘度も様々な種類があり、地域や個人の趣味で好みが別れるところだ。

広島県三次市三原町。秋から春にかけて三次盆地で発生する雲海が見られる事で有名な高谷山から北に数キロの中国山地の山間にある、小さな工場を訪ねた。周囲を川と田んぼに囲まれた、この「毛利醸造株式会社」こそ、“お好み焼きの通”の間では有名で、名店と言われる店の多くが使うカープソースの製造元だ。創業は1869(明治2)年で、酒造業から始まり、酢造業を経て、現在はソースが主力商品の地酒ならぬ“地ソース”メーカーの1つだが、その6代目毛利宏成(ひろしげ)社長にソース開発の話を聞いた。

No image

毛利宏成(ひろしげ)社長(76)(三次市三原町)

「弊社がソースを造り始めたのは1930(昭和5)年ですが、戦後の復興のなかで、数多くの一銭洋食の屋台ができ、ソースの需要が伸びると同時に取引先である経営者様から多くのアドバイスをいただき、品質の改良をしてきました。」

その中で一番熱心に味にこだわったのが、井畝満夫“みっちゃん”だったという。「当時(昭和27年頃)弊社のソース工場は広島市西区の舟入川口町にもあり、従兄弟の毛利敬一郎(故人)が広島のソースを担当していました。そしてマスター=(みっちゃんのこと。業界関係者は井畝氏をマスターと呼ぶ)と共に今のカープソースの原型を造っていただいたようなものです。」

今のような近代化された工場ではなく、A重油を使うバーナーで鉄釜を焚き、出来たソースを手酌で一升瓶に流し込む、そんな時代。「とろみを付けたお好みソースは流し込むのに凄く時間が掛かって大変でした」。懐かしそうに毛利社長は続ける。

「まずそのとろみですが、最初は片栗粉を使いましたが、粘度が長続きせず、試行錯誤の末にコーンスターチにしています。また他にもウスターソース独特の酸味を抜いたり、今度は『舌がピリピリするのを、なんとかせにゃいけんぞ』とマスターに言われ、香辛料の配合を見直しました。」

そうした苦労の末に出来たカープソースだが、当初は業務用のみの販売で“お好み焼き店の味”としては有名でも、一般の知名度は今一つだった。また、試行錯誤を繰り返した故か「味が安定していない」と言われて一部の店からは敬遠もされたが、時代が流れ、平成に変わる頃やっと完成。1993(平成5)年には県主催の食糧品展示品評会・お好みソースの部で第1位知事賞を獲得した。

その味は、一言で言えば他のソースに比べ「濃厚」。香辛料と塩分の辛さは控えめで、毛利社長いわく「林檎、トマト、玉葱から出る自然の甘さを濃縮した結果」だそうだ。また味が濃いので、店で使う量が同業他社に比べて少なく済み、お好み焼きの見た目も美味しそうに仕上がる。

広島市内の店で使われるお好みソースはカープ、オタフク、ミツワの3社のうちいずれかが使われる事が多く、また店によってはメーカーにオリジナルの調合を依頼してそれを使う。実際に食べてみると、卵を多く使うお好み焼きには甘口のソースが合うし、店ごとにそれぞれの特徴を出して切磋琢磨している。

「お好み村」や「駅前ひろば」など、ビル全体やワンフロア10数店舗全てお好み焼きの店が集まる特異な場所もある。今ではラーメン博物館等でも馴染みの売り方ではあるが、想像してみて欲しい。テナントに入るにはそれなりに覚悟が必要だ。

当然、他と同じでは生き残るのは難しい。見た目や材料に工夫した新しいお好み焼きが、県内のいたるところで、日々産まれては消えてゆく。その中で誕生した新しい“お好み焼き”を幾つか紹介する。

写真・文責 友廣義明

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

グルメ総合カテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
マツコも毎日食べたくなる!?絶品「レトルトカレー」
「超グラコロ」マジうまくて驚いた!マクドナルド本気だな
ちょっぴりワイルド?ヤギの角みたいなコーヒータンブラー、日本上陸
料理を作る人なら知っておきたい「だし」の名店「茅乃舎」の絶品グルメ3選
【何だこれ】ポテトチップスの袋を開けたら「ポテト」が出てきた衝撃写真が話題に
  • このエントリーをはてなブックマークに追加