ジワジワと成長を続ける井上苑子は 2017年の紅白出場を射程にとらえたか?

ジワジワと成長を続ける井上苑子は 2017年の紅白出場を射程にとらえたか?

  • CREA WEB
  • 更新日:2016/11/30

音楽ビジネスとITに精通したプロデューサー・山口哲一。作詞アナリストとしても活躍する切れ者ソングライター・伊藤涼。ますます混迷深まるJポップの世界において、この2人の賢人が、デジタル技術と職人的な勘を組み合わせて近未来のヒット曲をずばり予見する!

さて、近々リリースされるラインナップから、彼らが太鼓判を押す楽曲は?

【次に流行る曲】 井上苑子「エール」

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表現力も音楽の幅も広がり続けた1年間

伊藤今回は、井上苑子の3rdシングル「エール」です。たしか彼女のことは、以前このコラムでも紹介したなって思って調べてみたら、2015年11月発売のメジャーデビューシングル「だいすき。」のタイミングで超フレッシュな井上苑子を取り上げていました。

山口もう1年経つんですね。

伊藤ですね。この時はツイキャスの女王だとか、等身大の女子リリック、同性の中高生に支持されていることを話しました。1年経った今でも相変わらずSNSを中心に広がりを見せているし、ジワジワきている感アリアリで、ブレイク前夜という感じですね。

山口そうですね。同世代から支持されて注目されたということだけでなく、音楽的にも独特でアーティストとしての存在感が出てきました。

伊藤2016年3月に高校を卒業して、12月には19歳になる彼女。この1年の彼女をみていて、確実にアーティストとして表現力も音楽の幅も広がっているし、井上苑子という唯一無二な世界観はそのままに、着実に階段を上っている。あとは大人になるということをどうプラスに向けていけるかがこれからのポイントになるんじゃないかな。

山口そうですね。「お茶の間からの支持」という言い方は、ちょっと古いかもしれないけれど、彼女が目指すところは、一般的なポピュラリティでしょうね。

伊藤ということは“目指せ紅白!”的な(笑)。こう言うと時代錯誤に思われるかもしれないけど、音楽業界において紅白歌合戦の存在感は今も健在だし、ビデオリサーチの視聴率調査によれば日本国民の3割以上が観ている高視聴率番組ですからね。残念ながら井上苑子は今年の紅白には選出されていませんが、2017年は可能性あるんじゃないですか。

山口オリコンやレコード大賞など、旧態依然とした指標を元にしたAWARDは形骸化してしまっていますが、その中で「NHKが大晦日に行う歌番組」というブランドは、大きいですし、アーティストの人気が「一般化」する、マーケティング的に言うと「世の中ごと」になる一番わかりやすい基準になっている気がします。

時間とお金をかけてちゃんと作った作品

伊藤「エール」はカントリーソングで、バンジョーやバイオリンが軽快に飛び回っていて、井上苑子的パーティーソングって感じ。音楽制作目線でいうと凄く時間とお金をかけてちゃんと作っているって印象で、スタジオの空気を感じられる作品になっていますね。あと、やっぱり井上苑子の歌は、聴くだけでも笑顔が見えて、その一番のチャームポイントがど真ん中にいて楽しい。

山口サウンド感での差別化はしっかりできていますね。そして、クリエイターとしての伊藤涼に刺激を与える存在のようですね。カップリング曲の「ファーストデート」の作詞作曲クレジットに伊藤さんの名前がありますよ。

伊藤そうなんですよ。今回は作曲家として参加しています。CWF(コーライティングファーム/山口が塾長、伊藤が副塾長を務める「山口ゼミ」修了生による、作曲家チーム〈外部サイト〉)メンバーの安楽謙一、アーティスト本人を含む5人によるコーライティング作品で、いいケミストリーが生まれたと思います。

山口この組み合わせは面白いですね。ここに名前を連ねているKIKIは、僕らが企画した「企業コラボミュージック」のオーディションで出会った岐阜県在住のシンガーソングライターです。nana(外部サイト)からの応募でしたね。年齢が井上苑子に近いし、声質や言葉の選び方に親和性を感じます。CWFメンバーの安楽謙一は、ジャニーズでも実績があって、オールマイティですが、着地点を見つけて誘導できるクリエイターだなという印象を持っています。

伊藤そうですね。いろいろな個性がぶつかり合って面白い曲になっていますので、ぜひ多くの人に聴いてほしいです。

山口さて、そんな井上苑子の「エール」からはどんなイメージが浮かぶんでしょうか? 恒例の妄想分析をお願いします。

伊藤苛々する。頑張れ! って何度も言われて。そのたびに心の中で自分は頑張っているのにと思いながらも、愛想笑いを彼らに返す。そして息が詰まりそうになって、また小さく小さくなっていく。体育館に吹き込む冬の風は、僕の心を見透かして笑う。

もう逃げてしまおうと思ったとき、君は僕の隣にそっと座った。君は笑顔で僕の肩に手を置く、そして真剣な顔になる。安心する。なんでだろう? 君がいると安心する。そういえば君は頑張れとは言わない。なんて言うんだろう? ここには居ないはずの君は、僕の心を見透かして隣にいる。

山口井上苑子世代に伊藤涼がタイムワープしたみたいですね(笑)。

井上苑子「エール」
ユニバーサル ミュージック 2016年12月7日発売
初回限定盤[CD+DVD]1,667円、通常盤[CD]1,111円(税抜)
■井上苑子は1997年生まれ、兵庫県出身。2015年7月にミニアルバム『#17』でメジャーデビューを果たし、miwa、大原櫻子などに続くSNS新世代のギター女子として注目を浴びる。同年9月に公開された映画『私たちのハァハァ』では主演を務めた。2016年3月にはファーストフルアルバム『Hello』をリリースした。
■「エール」作詞/井上苑子 作曲・編曲/白戸佑輔
http://www.inoue-sonoko.com/

【次に流行るもう一曲】 夜の本気ダンス「Without You/LIBERTY」

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バンド名もクネクネダンスもインパクト大!

伊藤2曲目は“夜の本気ダンス”のメジャーデビューシングル「Without You/LIBERTY」。このバンドは2008年に結成、京都出身、“夜”も昼も聴く者全てを“本気”で“ダンス”させる4人組だそうです(笑)。

山口うわー。ここきますか? 僕のFBのフォロワーの多くが注目&応援しています。

伊藤やっぱこのバンド名ですよね。オシャレにも感じるし、アダルトな雰囲気もあるし、「おそ松さん」に出てくるイヤミのセリフにも聞こえるんだけど、とにかくインパクト大。あとはヴォーカルの米田貴紀から繰り出されるクネクネダンス。初めて見たのは「Crazy Dancer」のMVだったんだけど、たしかに彼の細身の体がクネクネするのはミック・ジャガーを感じさせるところはある。だけど、なんだかナーディーな感じが今っぽくスマートに見えたり、ロック界にも押し寄せるジェンダーレスの波だったりを感じさせて印象的だった。まぁ彼のダンスこそが“夜の本気ダンス”ってことなんだろうね(笑)。サウンド的には男気溢れるロックに仕上がっているし、掴みのあるキャッチーさも兼ね備えている。ちゃんとラウドだし、ちゃんとシャウトなんだけど、どこか愛嬌のある世界観がファンの心を捉えているんじゃないかな。

山口同感です。バンド名は大事ですよね。一度聞いたら忘れないし。この勢いでJポップシーンをかき回してほしいです。

夜の本気ダンス「Without You/LIBERTY」
Getting Better Records/ビクターエンタテインメント 2016年12月7日発売
初回限定盤[CD+DVD]1,600円、通常盤[CD]1,000円(税抜)
■夜の本気ダンスは、2008年に京都で結成、2016年3月にアルバム『DANCEABLE』でメジャーデビューを果たしたロックバンド。メンバーは、米田貴紀(ヴォーカル・ギター)、西田一紀(ギター)、マイケル(ベース・コーラス)、鈴鹿秋斗(ドラムス・コーラス)の4人。本作はメジャーからの初のシングルとなる。
■「Without you」作詞/米田貴紀 作曲・編曲/夜の本気ダンス
http://honkidance.com/

文=山口哲一、伊藤涼

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