浦和、10年ぶりのACL優勝へ...アジア最強「スター軍団」にどう挑むべきか?

浦和、10年ぶりのACL優勝へ...アジア最強「スター軍団」にどう挑むべきか?

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  • 更新日:2017/09/15
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川崎を下してACL準決勝へ進出した浦和(写真:Getty Images)

9月13日にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝の第2戦が行われ、川崎フロンターレとのJリーグ勢対決を大逆転で制した浦和レッズが、準決勝に進出した。次の相手は、広州恒大との中国対決をPK戦で制した上海上港となり、グループFで激突した両チームの再戦することになった。

浦和は、J1で成績が振るわず、7月には2012年からチームを率いてきたミハイロ・ペトロヴィッチ監督との契約を解除。現在はコーチから昇格した堀孝史新監督が率いている。

しかし、ことACLでは上海上港、FCソウル(韓国)、ウェスタン・シドニー(オーストラリア)と難敵ぞろいのグループステージを突破した。5月に行われたラウンド16では韓国の済州ユナイテッドに第1戦で0−2の敗戦を喫したが、ホームの第2戦で3−0と勝利。合計スコア3−2と逆転で準々決勝に進出した。

そして浦和は川崎とのJリーグ対決となった準々決勝でも第1戦を1-3で落とし、第2戦でも一時は先制点を挙げられて2試合合計で3点差をつけられた。しかし、川崎が退場者を出したことをきっかけに流れをつかんで4得点を奪取。4-1で試合を制し、済州戦をも上回る大逆転で9年ぶりのベスト4進出を果たした。

準決勝の相手となる上海上港は、ラウンド16で江蘇蘇寧、準々決勝で広州恒大という中国スーパーリーグのライバルを倒して勝ち進んだ。欧州でも知られる智将のアンドレ・ビラスボアスが指揮を執り、フッキやオスカルらブラジル代表クラスの外国人とFW武磊ら中国代表の主力クラスが個人と組織を融合した、中国勢の中でも特筆すべきパスサッカーを展開している。

その上海上港をグループステージで苦しめたのが浦和。結果も1勝1敗で五分、ホーム&アウェー方式で評価するならアウェーで2点を奪った浦和が上回る。筆者の見解では、タレント力、組織力ともに上海上港が優勢であるが、今季二度対戦している経験から浦和の選手たちも十分に戦える手応えを得ているはず。準決勝でも勝機はあるはずだ。

また、上海上港は浦和とは対照的だ。準々決勝の第1戦で広州恒大に4−0と大勝しながら、第2戦では4点を返され、延長戦でも1−1で決着が付かず、最後はPK戦を制する形で辛くもベスト4進出を決めた。

上海上港にとって不安材料となるのが守備の要であるDF王シン超が広州恒大戦で退場処分を受けたこと。このため、第1戦で出場停止となる。さらに対人能力に強いDF汪佳捷も同試合で退場処分を受けて同じく出場停止となり、守備陣は“火の車”だ。

その一方、中盤から前線にかけては、ウズベキスタン代表のオディル・アフメドフが攻守の要として君臨し、2列目にフッキ、オスカル、武磊が並び、前線にはここまで大会4得点のエウケソンが張る豪華な陣容となる。

最も警戒するべきは司令塔のオスカルだ。グループステージでは浦和ホームの試合でPKに失敗し、森脇良太の挑発行為に冷静さを失う場面も見られたが、今では上海上港のサッカーにすっかりフィットして、4月当時よりワールドクラスの創造力を発揮している様子だ。

そのオスカルを起点に大会8得点のフッキ、準々決勝の第1戦で2得点を記録した武磊、そしてエウケソンが自由度の高いポジショニングからゴールを狙ってくる。さらに、その4人を支えるボランチのアフメドフには目の覚めるような長距離砲がある。9月27日に上海で行われる第1戦は基本的に上海がボールを持ち、浦和はいつもより守備を固めてカウンターを狙う度合いが強くなるだろう。

そこで堀監督がここまで守備面に課題を見せる4バックで挑むのか、それとも慣れた3バックで戦うのかどうかもポイントになる。オスカルの自由を少しでも奪うにはキャプテン・阿部勇樹の中盤起用が有効であることは確かだろう。あるいは、青木拓矢をオスカルにマンマーク気味に付けるという手もある。いずれにしても、中盤の守備は生命線となるだろう。

浦和が3バック、4バックのいずれを採用しても、フッキと多くの局面でマッチアップするのは槙野智章になるはず。味方が中盤でオスカルを封じても、フッキがワイドの位置でボールを持てば、強引なドリブルで突破を狙ってくる。そこから個人の力で崩されてしまうと最終ラインが決壊してしまうため、槙野の役割はいつも以上に重要だ。攻撃面は、興梠慎三ら日本人FWも期待できるが、前回の2試合でPKを含む2得点を記録しているラファエル・シルバのスピードは、上海上港の守備陣にとって脅威になるだろう。有効に使っていかない手はない。

ただし、接戦となれば最終的には総合力が勝敗を分けることになる。川崎戦の第2戦では高木俊幸が意外性のあるシュートで決勝ゴールを挙げた。こうした“ラッキーボーイ”の活躍が、浦和を決勝の舞台に引き上げるかもしれない。準決勝の第1戦までにJ1のジュビロ磐田戦とサガン鳥栖戦、天皇杯の鹿島アントラーズ戦を挟むが、J1での優勝が現実的に難しい状況で、ACLにコンディションを合わせていけるかどうかもカギを握る要素だ。

浦和が決勝に進めば、優勝した2007年以来10年ぶりとなる。決勝では別のやぐらで行われている西地区のチームと初対戦になるため、未知数な部分が大きい。ただ、決勝では東地区が5連勝中で、カタールのアル・サッドが全北現代(韓国)を破った2011年もPK戦で決着している。

西地区準決勝はイランのペルセポリスとサウジアラビアのアル・ヒラルの対戦となり、どちらが勝ち進んできても、決勝は厳しい環境の試合になることは間違いない。浦和としてはまず、アジア最強レベルの相手を準決勝で叩き、その勢いに乗じてアジアの頂点まで駆け上がることを期待したい。(文・河治良幸)

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