Facebookが注目する「中小企業」と「地方」

Facebookが注目する「中小企業」と「地方」

  • ITmedia ビジネスオンライン
  • 更新日:2017/09/19
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国内では「Facebook離れ」と話題になることも多いが、全世界の数字を見るとまだまだ好調だ。展開するサービスの月間アクティブユーザー数(全世界)は、「Facebook」はついに20億人に達した。日本国内では約2800万人(16年12月時点では2700万人)で、伸びは緩やかになったものの継続的に成長している。

その他のサービスの全世界の月間利用者を見ると、「Instagram」は7億人、「Messenger」は12億人に上る。特にInstagramの成長は爆発的で、16年12月の発表から4カ月で1億人増加した。中でも25歳未満の利用者の1日の平均利用時間(8月時点)は32分以上と長い。

特に気軽に動画を投稿できる「Stories」機能がユーザーに支持されており、1日のアクティブユーザーは2.5億人。動画への関心は強い。

ユーザー数だけではなく、売り上げも好調だ。2017年4〜6月の業績は、全世界で売上高約1兆253億円(前年同期比45%増)だった。日本を含むアジアでの売上高は非公開だが、前年同期比53%増と「アジアはグローバルの中でも成長をけん引し続けているエリア」という。また、モバイルシフトは加速していて、広告売り上げのモバイル比率は前年同期から3ポイント上昇し、87%となった。「Stories」に向けた広告も販売を開始し、さらなる広告のモバイルシフト・動画シフトを進める。

国内での戦略は?

Facebook日本法人のフェイスブックジャパンは9月14日の会見で3つの方針を発表した。(1)利用者・コミュニティーをエンパワーする、(2)ビジネス成長のベストパートナーになる、(3)テクノロジーを活用して日本社会に貢献する――これらの方針のカギとなるのが「中小企業」と「地方」だ。

広告事業では、リクルートマーケティングパートナーズ「ゼクシィ」、トヨタ自動車「ルーミー」「タンク」など、大企業やメジャーブランドの成功事例が並ぶ。しかし代表取締役の長谷川晋氏は「効率的なマーケティングは、もう人や金が潤沢な大企業のものだけではない。あらゆるビジネスの皆さまを支援していき、日本の経済の発展に貢献していきたい」と語る。

SMB事業統括執行役員 井上英樹氏は、企業情報やグループ情報を掲載できる「Facebookページ」において、中小企業は全世界で6500万ページを運用していると説明する。中小企業の広告主も1年間で約100万社増の500万社に。「このトレンドは日本でも起こっている」という。

フェイスブックジャパンに多く寄せられる日本の中小企業の声は、以下の4つだ。「販路のマーケティングに課題がある」「資金と人が限られる」「デジタル広告に興味はあるがやり方が分からない」「海外市場(インバウンド越境ECなど)に関心があるがノウハウが分からない」。

「FacebookとInstagram広告は、高いターゲット制度や効果的な広告クリエイティブによって、マーケティング効果を上げることができる。それだけでなく、1000円という小額から実施でき、スマートフォンやPCから簡単に出稿できるという中小企業にとってのメリットがある」(井上氏)

例えば、長崎県・壱岐島の果物店「下條果物」は、「壱岐の島の小さな果物屋 下條くだもの店」というFacebookページをオープン。壱岐と福岡の半径17キロのユーザーを対象に広告を出した。予算約3万円で5万人にリーチし、ページや店舗の認知度が上がった。

ちなみに、壱岐島には住民の大部分が加わっている「壱岐グループ」があり、イベントの告知だけではなく「犬がいなくなった」という地域の情報の書き込みも行われ、“島の掲示板”的な役割も果たしているという。

石川県・加賀市のパーソナルトレーニングスタジオ「GrantBOSS Group」も、トレーニングの雰囲気を伝える写真や動画の広告を、店舗ごとに適した顧客層に向けて配信した。1000〜5000円単位で順次広告を配信していき、結果として顧客数が5割増加。新規客のうち6割以上がFacebook経由だった。

その他にも、オンライン学習プログラムの提供、事例紹介のポータルサイト、広告代理店の紹介サイト・チャットサポート窓口の開設などを行い、中小企業の「分からない」を減らす試みを行っている。要望が多かったことから、広告費用の支払いも「クレジットカードのみ」から「銀行振り込み」も可能になった。

「Facebookは6月、ミッションを『世界をオープンにし、つなぐ』から『コミュニティーづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現する』へと変更した。意義のあるコミュニティー(地域コミュニティーや、共通の経験やストーリーを共有できるグループなど)に参加するユーザーを増やし、もっと世の中をよくしていきたい」(長谷川氏)

こうしたコミュニティーが増えていけば、地方活性の効果と同時に、セグメンテーションやターゲティングが細かくなっていき、マーケティングの効率が上がることも期待できるだろう。中小企業との取り組みについて具体的な目標は非公開だが、「海外に向けたマーケティングなどの取り組みも考えている」(井上氏)と展望を語った。

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