ダイハツが提案する通所介護事業施設向けの送迎支援システム「らくぴた送迎」

ダイハツが提案する通所介護事業施設向けの送迎支援システム「らくぴた送迎」

  • @DIME
  • 更新日:2017/12/07
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厚生労働省が発表した最新の介護保険事業状況報告(2017年8月暫定版)によると、日本の介護保険制度加入者のうち第1号被保険者数(65歳以上)は約3462万人。その中で要介護認定者数は639.2万人と、全体の約18%を占めている。

要介護認定には介護度の低い順から要支援1~2、要介護1~5の分類があり、認定されることで各種介護サービスを、介護保険支給限度額に応じ受けることができる。そして比較的軽い介護度の人は、日頃の生活は自宅。週に1~2回の割で通所介護や通所リハビリを利用するケースが多く、送迎は施設側が行っている。

■介護分野における送迎の難しさとは

送迎は介護や支援が必要な高齢者にとって、なくてはならない存在だ。しかし、利用者が多い施設ほど、次のような悩み事がある。

・使用する車の大きさと台数
大型車は効率良いが、狭い路地に入っていけない。かといって小さな車が増えればそれだけ人員が必要。

・効率のよいルート設定
毎回同じ人が乗るとは限らない。送迎に長時間かかると利用者に負担がかかる。できるだけ短くしてあげたいが、慣れた人しか最適ルートを作ることができない。

・乗り心地
体への負担を減らし、リラックスしてもらうため詰め込みすぎは避けたい。

・急なキャンセルの対応
介護が必要な高齢者にはよくあること。自宅に行き、初めて「調子が悪いのが休む」というケースも。迎えの途中にキャンセルが入ると、ルートも設定し直す必要がある。

・利用者同士の相性
家は近いけれど、〇〇さんとは仲が悪いので同じ車に乗せたくない。

・送迎の記録にかかる手間
法により記録をしなければならない。

このような問題を解決しようと、ダイハツ工業(以下、ダイハツ)が開発したのが通所介護事業施設向けの送迎支援システム「らくぴた送迎」だ。

■インターネットにつないでいるパソコンさえあれば即導入可能

「らくぴた送迎」は約2年間、全国のさまざまな介護の現場を調査し開発。2017年7月から大手介護事業施設であるSONPOケアネクストの一部施設で実証実験を始めている。今後はさらに実験施設を増やし、2018年度中のサービス提供を検討する予定という。その気になる中身は…。

まずはハード面だが、利用のため施設側に必要な機材はインターネットに繋げるパソコンのみ。システムはクラウドサービスで提供され、送迎車との情報やりとりに必要な専用スマートフォンも台数分提供される。

使い方は、最初に利用者情報と車両情報をパソコンに登録。すると自動で送迎計画が作成されるので、必要に応じて手動で調整し最適化をはかる。この時、相性が悪い人同士を同じ車に乗せようとすると、アラートで報せてくれる。

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↑いずれもPC画面

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送迎中は各車に1台の専用スマホを持たせることで、施設のパソコンとスマホは相互に連携。ひとり乗降させるごとにスマホに情報を入力すれば、施設のパソコンもそれを共有。

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↑PC画面

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↑スマホ画面

リアルタイムに車両の位置や乗車中の利用者情報が把握できるほか、万が一利用者のキャンセルが発生しても、すぐに両者で共有。新たなルート設定も行われ、スマホにもその道が示される、という具合。

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↑いずれもスマホ画面

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↑PC画面

■使いこなすごとに進化する

このようにして積み重ねた運行記録は、施設側のパソコンに送迎実績として自動反映&データとして蓄積される。これにより、車両稼働率や遅延回数などをグラフ化することができ、今後の改善点が見つけやすくなる。つまり、使えば使うほどに進化するシステムなのだ。

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↑PC画面

結果、実証実験ではこれまで60分ほどかかっていたルート設定が15分で済むといった時間短縮。効率のよい送迎車の運行による、ドライバーの人数&負担減など、多くの成果があるという。

内閣府の推計によると、日本の高齢化率は2035年に33.4%、2060年には39.9%にも達する。これは高齢者を支える若者の数が圧倒的に足らないことを意味しており、介護施設における仕事の効率化をはかる、このようなシステムの開発は今後もさらに充実していく。いや、していかなければならないはず。

介護は真正面から取組むと、大変な労力を必要とする仕事だ。それをいかに楽に、効率よくできるか。同時に、介護される本人の満足度も上げることができるのか。相反する問題解決に挑むシステムの今後に、ぜひ注目していきたいものだ。

*らくぴた送迎の導入料金などは未定です。

文・写真/西内義雄

医療・保健ジャーナリスト。専門は病気の予防などの保健分野。東京大学医療政策人材養成講座/東京大学公共政策大学院医療政策・教育ユニット、医療政策実践コミュニティ修了生。高知県観光特使。飛行機マニアでもある。JGC&SFC会員。

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