優勝チームに15億円超...巨額マネーでJリーグに“格差社会”が到来

優勝チームに15億円超...巨額マネーでJリーグに“格差社会”が到来

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  • 更新日:2017/12/08
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初優勝を喜ぶ、川崎フロンターレの選手達。(写真:Getty images)

DAZNと10年間の放映権で2100億円という大型契約を結んだJリーグ。各クラブへの固定配分金の他に“理念強化配分金”としてJ1の上位(1位~4位)までに配分金が支給されることになった。1位(優勝)には15億5000万円が3年間に分けて支給され、2位は7億円、3位が3億5000万円、4位には1億8000万円となっている。

つまり悲願のJ1初優勝を果たした川崎が3億円の優勝賞金、3億5000万円の固定配分金に加えて理念強化配分金の15億5000万円を支給される権利を得るので、合計で22億円となる。ちなみにリーグ2位の鹿島は賞金1億2000万円に固定配分金3億5000万円と理念強化配分金の7億円が加算されて11億7000万円。優勝と2位で、約2倍の差がつくわけだ。

3位のセレッソ大阪が賞金6000万円、固定配分金3億5000万円、理念強化配分金3億5000万円、ルヴァン杯の優勝賞金1億5000万円で合わせて9億1000万円、4位の柏レイソルは理念強化配分金1億8000万円と固定配分金で5億3000万円となる。優勝と4位では4倍の差となる。無論5位以下との差は例示する必要も無いだろう。

“理念強化配分金”と銘打っている以上、支給されたお金は審査のもとに、クラブの成長のために使われることが義務付けられる。使い道は必ずしも補強費である必要はない。優勝クラブに22億円が入ったら、そのまま大物外国人選手などの獲得に使われるとは限らないのだ。クラブの施設拡充に使われることもあれば、育成年代の強化や普及に投じられるケースもあり、クラブ周りの振興に役立てられても問題ない。ただ、それら全てはクラブが成長するための糧となり、使い方を誤りさえしなければ、雪だるま式にクラブが大きくなっていくわけだ。

もちろん海外から実力者やスター選手を連れて来ることができれば戦力としてだけでなく、集客にも好影響をおよぼすかもしれない。ただ、理念強化配分金は優勝であれば1年後に10億円、2年後に4億円、3年後に1億5000万円と支給されるので、いきなり十数億円を選手の補強費に使っていくのは無理が生じる。また複数年契約や契約延長を見越して補強を行っていく必要があるだろう。

理念強化配分金によりJクラブの差がつくのは豊富な資金を生かして国内で選手を獲得していくことだ。日本ではあまり好まれない傾向にあるが、リーグ内の他クラブで活躍した選手を引き抜くというのは上位クラブの資金力が上がれば、そうしたことが当然増えてくるだろう。

そうしたことからも常に1~4位で優勝争いできるクラブであれば、日本にもビッグクラブが誕生していくベースになっていくはず。普通に考えれば理念強化配分金を戦力補強に有効活用しながら、一部は施設拡充や下部組織の強化に投じていくといった、バランスの取れた理念強化配分金の活用は可能だ。

2016年度の川崎の人件費が16億4300万円でJ1の9位だったことからも、お金が必ずしも成績を反映するわけではない。ただ、最も人件費が高かった浦和でも23億8100万円、6番目の鹿島でも19億2900万円と、それほど大きな差が無い中での逆転にすぎない。それが理念強化配分金により、1位と5位ではそれまでの人件費がほぼ同額だったのが、いきなり倍の差になる可能性もあるわけで、間違いなくインパクトは大きい。

まずは最初に15億5000万円の理念強化配分金を手にする川崎の選択というのは注目されてくるが、“DAZNマネー”により生じて来る格差が優勝を勝ち取ること、少しでも上の順位を狙うモチベーションへの効果も期待していきたい。(文・河治良幸)

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