結婚数と婚約数、ナルシスト数、友愛数、完全数

結婚数と婚約数、ナルシスト数、友愛数、完全数

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  • 更新日:2016/12/01
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バチカン市国のサンピエトロ広場〔AFPBB News

完全数 紀元前から発見され続ける数

6=1+2+3
28=1+2+4+7+14
496=1+2+4+8+16+31+62+124+248

このように自分自身を除いた約数すべての和が自分と等しい数を完全数と言います。

聖アウグスティヌスは「6は数として完全である。だから神はすべてのものを6日間で創り上げた。6日間の仕事が存在しなかったら、世界は平らなままであっただろう」と述べています。

その名前から想像できるように完全数は滅多に存在しない特別な数です。現在までに発見された完全数はたった49個です。完全数の歴史は紀元前4世紀、古代ギリシャまで遡ることができます。

数学者ユークリッドは完全数が特別な形をした素数と関係していることを発見しました。

2のp乗から1を引いた形をしたメルセンヌ素数(2^p-1)に対して、2のp-1乗(2^(p-1))を乗じた数が完全数になるという法則です。メルセンヌ素数の発見は同時に完全数の発見を意味することになります。

1番目のメルセンヌ素数3(=2^2-1)に2^1=2をかけた数が、1番目の完全数3×2=6。
2番目のメルセンヌ素数7(=2^3-1)に2^2=4をかけた数が、2番目の完全数7×4=28。
3番目のメルセンヌ素数31(=2^5-1)に2^4=16をかけた数が、3番目の完全数31×16=496。

古代ギリシャでは4番目のメルセンヌ素数127(=2^7-1)が発見されていることから、4番目の完全数127×2^6=8128が知られていたことになります。

8128の約数は 1、2、4、8、16、32、64、127、254、508、1016、2032、4064と8128ですから、次が確認できます。

1+2+4+8+16+32+64+127+254+508+1016+2032+4064=8128

18世紀になってようやく8番目のメルセンヌ素数2^31-1=2147483647が数学者オイラーの手計算によって発見され、同時に8番目の完全数2147483647×2^30=2305843008139952128が発見されました。

ぜひ、この19桁の数の約数をすべて求めて和を計算して完全数であることを確認してみましょう。

現在まで発見されたメルセンヌ素数は49個です(2105年に発見された49番目のメルセンヌ素数は2233万8618桁)。したがって、完全数も同じ49個発見されていることになります。

発見された完全数6、28、496、8128、・・・はすべて偶数です。ならば、奇数の完全数は存在するのでしょうか?

未解決の問題ですが、存在するとしても10の300乗よりも大きいことは分かっています。

完全数の桁の和について面白い性質が知られています。6以外の偶数の完全数について各桁の和を取ります。次にその結果の数の各桁の和を取ります。得られる数値が1桁になるまでこの計算を繰り返すと、その1桁の数は1になるという性質です。

28 → 2+8 =10 → 1+0=1
496 → 4+9+6 = 19 → 1+9 =10 → 1+0=1
33550336 → 3+3+5+5+0+3+3+6 = 28 → 2+8 =10 → 1+0=1

友愛数

220の約数の和=1+2+4+5+10+11+20+22+44+55+110+220=284
284の約数の和=1+2+4+71+142+284=220

完全数は自分自身を除いたすべての約数の和に等しい数のことでした。同じ約数の和でも2つの数どうしで考えることができます。それが上の例です。220の自身を除いた約数の和は284と等しく、284の自身を除く約数の和は220に等しいということです。

このような関係にある2つの数の組が友愛数(amicable number)です。英語のamicableには「友好的な」「協和的な」という意味があるのでこう呼ばれています。

古代ギリシャのピタゴラスはこの組を知っていたと言われています。次に友愛数が発見されるのはアラビアの数学者によってです。

9世紀アラビアの数学者・天文学者サービト・イブン・クッラ(836頃-901)は、著書の中で友愛数の見つけ方を論じ、友愛数(17296、18416)を発表しています。

1636年にフェルマーによって友愛数(17296、18416)は再発見され、その2年後の1638年に3番目の友愛数(9363584、9437056)がデカルトによって発見されました。メルセンヌ素数で有名なメルセンヌへ宛てた手紙の中に書かれています。

興味深いことに、2番目の大きさの友愛数(1184、1210)が発見されたのはこの後の1866年のことで10代のパガニーニによるものです。

完全数と同じように友愛数も容易に発見できません。

その困難を打開したのが18世紀の数学者オイラーです。オイラーは友愛数を探し出すためのうまい方法を考え出し、50組以上の友愛数を発見しています。現在、そのオイラーの方法とコンピューターを用いて1200万ほどの友愛数の組が発見されています。

婚約数と結婚数

約数の和を考えるときに、自分自身だけでなく1も除いたすべての約数の和を考えてみます。すると、面白いことに一方の数の1と自分自身を除く約数の和が、他方に等しくなるような一組の数が見つかります。48と75の組はその例です。

48の約数の和=1+2+3+6+8+12+16+24=75
75の約数の和=1+3+5+15+25+75=48

そのほかにも、140と195の組があります。

140の約数の和=1+2+4+5+7+10+14+20+28+35+70+140=195
195の約数の和=1+3+5+13+15+39+65+195=140

このような数の組を婚約数といいます。なぜそのように呼ばれるのでしょうか。実は興味深いことにこれまで見つかった友愛数の組は偶数同士か奇数同士なのです。220と284の友愛数は偶数同士、12285と14595の友愛数は奇数同士です。

ピタゴラスは、最初の偶数2は女性、次の奇数3は男性と捉えていました。そして、2×3=6なので完全数6は結婚を意味する数と考えていました。

(220、284)や(12285、14595)は言うならば同性同士の関係なので友愛数と呼ばれ結婚数とは呼ばれません。

それに対して、(48、75)、(140、195)の例は偶数と奇数の組です。そしてこれまで発見された婚約数はすべて偶数と奇数の組です。これが異性同士の関係のように思われ、さらに1だけ足りないことから結婚では婚約にふさわしいとされる理由です。

ですからもし、偶数と奇数の友愛数が発見されればそれこそ本当の結婚数と呼ばれるにふさわしい数となります。しかし、これまでにそのような友愛数は見つかっていません。偶数と奇数の友愛数がないということも分かっていなので結婚数が見つかる可能性はあります。

ナルシスト数

6以外の完全数は奇数の立方和で表されることが知られています。

28=13+33
496=13+33+53+73

このような式の形に表されるユニークな名前を持つ数がナルシスト数と呼ばれる数です。完全数や友愛数は自身の約数に着目した数ですが、ナルシスト数は自身の桁数に着目した数です。

153=13+53+33
370=33+73+03
371=33+73+13
407=43+03+73
1634=14+64+34+44
8208=84+24+04+84

これは、n桁の自然数の各桁のn乗の和が自身に等しい数のことです。現在まで発見された最大のナルシスト数は39桁の115132219018763992565095597973971522400と115132219018763992565095597973971522401です。

人は数と数を結びつける

仲人は見知らぬ2人を引き合わせます。出会った2人はお互いを知り結婚に至れば仲人の仕事は終わりです。結ばれた2人は幸せであればあるほどずっと前から赤い糸で結ばれていたと思います。

しかし、赤い糸で結ばれていると信じている2人でさえ自分たちだけで、この世で出会うことは容易ではありません。自分たちにその赤い糸をたぐり寄せる力はないのかもしれません。

赤い糸が見える仲人だけが確実に2人を引き合わせることができると言えます。仲人には特殊な能力があってはじめて仲人になれるのです。

ピタゴラスが220と284の縁談を成功させたように、計算という特殊な能力を持った人間が仲人です。それも高度な計算能力を持った数学者にその任が与えられています。

未解決である奇数の完全数について1747年の論文で「とても難しい」と語る天才オイラーは数たちの最高の仲人でした。オイラー以前友愛数は3組しか発見されていませんでした。オイラーはたった1人で59組もの縁談を成功させたのです。

ものを言わない数たちは人間に発見されるのをずっと待ち続けていたようにも思えます。そう思うと、完全数や友愛数から見えてくるのは、人と数が織りなす感動の出会いの風景です。

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