グーグルで「アベノミクス」と検索すれば、安倍政権の命運が見える

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2017/09/16

注目度はピーク時の「2%」にまで低下

在日米国人の友人で金融コンサルタントのK氏が興味深い数値を教えてくれた――。

「アベノミクス」という言葉がインターネット検索サイトのGoogleでどのぐらい検索されているのかを示す比率である。

一定期間内で、最も検索数が多かった日を100%とし、それ以外の日にどれだけ検索されたかを比率で表わす。つまりは「アベノミクス」という言葉の検索動向である。

筆者の友人は、2012年12月の第2次安倍内閣発足以降、現在までの検索比率をグラフ化した。ピークだったのは'13年4月。黒田東彦総裁率いる日本銀行が「異次元の金融緩和」に踏み切り、その後の安倍晋三首相の成長戦略が奏功して円安・株高を招来させた初期段階だった。

ところが現在、「アベノミクス」という言葉は、このピーク時を100%とすると、僅か2%しか検索されていない。

もちろん、安倍政権発足当初は国民の関心も高く、アベノミクスの金融・株式市場への影響からも注目されるのは当然である。当時と現在を単純比較するのはミスリーディングになるかもしれない。

では、過去2年間だけを比較してみよう。ピークにあたる'16年5月の伊勢志摩G7サミット開催時を100%とすると、現在の検索数は18%である。

そうであるとしても、安倍首相が取り仕切ったG7サミットという一大イベントがあったので不公平だと指摘されるかもしれない。では、直近3ヵ月間での検索比率を見てみる。6月7日を100%とすると、9月8日のそれは37%である。

要は、この1年の間にも、国民のアベノミクスに対する関心が圧倒的に減少してしまったということなのだ。

薄れる外国人投資家の期待感

それだけではない。最近は日本経済に関する世界向けのニュース発信が少なく、先行きへの期待感が減じていることから、外国人投資家は6週連続で日本株を売り越し、その総額は8520億円に達している。

外国人投資家は、今年の前半まで日本株を少額ながらも買い越していたが、7月以降から売り越しが続いている。国内の個人投資家においても売り越しが続き、8月時点で2兆3000億円に達している。

安倍首相の単独インタビューを掲載した『日本経済新聞』(9月13日付朝刊)は、その解説・本文記事の中で次のように書いている。

「安倍晋三首相はインタビューで、物価安定目標に触れ、従来通り『2%』と堅持する姿勢を改めて示した。『アベノミクスで経済の好循環は確実に生まれている』とし、政府と日銀の緊密な連携に問題はないとの考えを強調した」

「アベノミクスの再出発を狙う首相の本気度が問われる」

この日経記事に「アベノミクス」という言葉が登場したのは僅か2回だ。

社会保障政策、北朝鮮情勢、消費税率引き上げ、憲法改正、衆院解散など取材テーマが多岐に及び、インタビュー時間も十分ではなかったことは分かる。

だが、国民及び海外の投資家・メディアの注目度が停滞しているにしては、安倍首相自身の言葉による経済再生へのメッセージが弱かったと感じたのは筆者だけではないはずだ。

再び「経済」でアピールできるか

安倍官邸が密かに企図する来年9月の自民党総裁選での「無投票3選」(安倍長期政権)の実現には内閣支持率の大幅回復が絶対条件である。

外交案件で国民にアピールできる成果(サプライズ)とともに求められているのは、まさに安倍首相が8月3日の内閣改造後の会見で言明したように「経済最優先」である。

再び「アベノミクス」という言葉を頻度高く検索してもらうためには、安倍政権の経済政策について、国民や外国人投資家・メディアの注目を集めるしか他に手立てはない。

昨年9月にも大型の財政出動を行ったが、9月25日を軸に召集日が調整されている臨時国会会期中に、真水で2~3兆円規模の補正予算で日銀と政府が金融・財政政策で協調している姿勢を国内外の市場関係者にアピールする必要があるだろう。

と同時に、強い雇用データや企業収益に比べると所得・賃金が総じて弱いとされる現在の日本にとって、賃金・所得を早期に上げる税制政策を打ち出すことこそがアベノミクスの起爆剤になるのだ。来年の春闘を念頭に置いた賃上げによる消費喚起が安倍長期政権成否のカギを握る。

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