そのセルフブランディング、めっちゃ“痛い”ぜ

そのセルフブランディング、めっちゃ“痛い”ぜ

  • ITmedia ビジネスオンライン
  • 更新日:2017/10/13
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少し前に、セルフブランディングという言葉がはやった。要するに自分をブランド化しようという話である。

もともとの「ブランド」の定義を確認しよう。マーケティングの大家、フィリップ・コトラー(経営学者)による定義は「個別の売り手、または売り手集団の財やサービスを認識させ、競合する売り手の製品やサービスと区別するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはそれらの組み合わせ」である。

ブランドを確立していると、競合と差別化しやすくなる。対外的に品質や特徴を示すシグナルともなる。ブランドの拡張により、成長機会も増加する。競争優位、財務的成果の源泉にもなる。

これは商品・サービスだけでなく。個人でもそうだ。この人は安心できる、信頼できるといったように個人をブランド化できれば、上記のようなメリットを享受できるのではないかというのが、セルフブランディングの考え方だ。

自分のイメージカラーをとことん貫くという技もある。「希望の党」の立ち上げで話題になっている小池百合子都知事などはこのパターンだ。ユーグレナの社長もいつも緑のネクタイをしているぞ。

一昔前に流行った、セルフブランディング

間違ったセルフブランディング

しかし、この言葉は誤解されているように思う。自分をよく見せる、背伸びをする行為にすり替わってしまっている人が多いのだ。SNSで意識の高い発言をしまくる、著名人との接点を自慢する、やたらと肩書を盛る、自分の実績を大きく見せようとする、派手な2枚目の名刺を作る――など、まあ、香ばしい行為のオンパレードなのだ。

そういえば、ノマドのカリスマと言われた女性が「名刺に足立区と書くな」という珍妙なノウハウを開陳していたな。

TwitterなどのSNSのプロフィール欄も味わい深い。

「上場IT企業勤務/慶應経済/社会起業家志望/Stay hungry,stay foolish./ジョブズの再来/勉強会BENKYOなう代表/学生時代にビジコン優勝/Web選挙解禁/人生は実験、冒険/ツイートは所属する団体とは関係ありません/フォロー・リムーブご自由に」

こんなプロフィール欄を見たことがないだろうか。いつの間にかセルフブランディングが、香ばしい、カッコ悪い行為となり、意識高い系の象徴のようになってしまっている。意識高い系ウォッチャーとして、もちろん私は面白がり、徹底的にバカにした。

もっとも、やり方が問題なのであって、自分をブランド化しようとすることは全く問題ない。痛くならないように、気を付ければ良いだけだ。

そのためには、うわべの取り組みではなく、自分の仕事の流儀(ルール)を明確にして実践し、会った人から「この人はスゴい」と思ってもらう必要がある。もちろん、それが簡単なことではないから、上記のようなプロフィールを書いてしまうのだが。

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間違ったセルフブランディングをしていませんか?

セルフブランディングの成功事例を紹介

私が直接、見聞きしたセルフブランディングの成功事例をいくつかご紹介しよう。

会う度に必ず、役に立つ情報共有をする人

商談のたびにニュースのコピーを持参。これをフックに情報を引き出し、またはニュースへの食いつきを見つつ、商談につなげる。「この人の言うことは、役に立つ」というブランディングを実現している。

隠し玉の提案を毎回、持ってくる人

本来の話とは別に、まだ相手には知らせていない面白い提案をする。スベると痛いが、面白いことを考える人というブランディングができる。

驚異的なファシリテーションをする人

カラフルなペンを駆使して、会議を仕切るなど。「ここまで分かりやすいとは」と、感動を呼ぶ。

時間、締め切りに厳しい人

時間を守ることは当たり前だが、実はできていない人が多い。これはかなり大事。絶対に商談に遅刻しない、提案書などの締め切りを守る。特に提出物に関しては、相手から「早いね!」と言ってもらえるスピードが理想。

まだまだあるが、この辺で。ちなみに私がセルフブランディングのためにこだわっているルールは、打ち合わせのときに相手を楽しませる(良い空気をつくる)ことだ。

さて、あなたの仕事のルールはなんだろうか。

常見陽平のプロフィール:

1974年生まれ。身長175センチ、体重85キロ。札幌市出身。一橋大学商学部卒。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。

リクルート、玩具メーカー、コンサルティング会社、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。長時間の残業、休日出勤、接待、宴会芸、異動、出向、転勤、過労・メンヘルなど真性「社畜」経験の持ち主。「働き方」をテーマに執筆、研究に没頭中。著書に『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社)『僕たちはガンダムのジムである』『エヴァンゲリオン化する社会』(ともに日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)『普通に働け』(イースト・プレス)など。

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