「佐々木朗希の登板回避」問題。スカウトたちも賛否両論、リアルな声

「佐々木朗希の登板回避」問題。スカウトたちも賛否両論、リアルな声

  • Sportiva
  • 更新日:2019/08/24

佐々木朗希(大船渡)が出場しなかった夏の甲子園だが、連日多くの観客が詰めかけ、あらためて高校野球の人気の高さを実感した。

また夏の甲子園といえば、普段なかなか会う機会のない記者やスカウトなど、多くの方に出会う。普段なら近況報告でもしながら他愛のない会話が続くのだが、今年に限っては「佐々木朗希、見ました?」があいさつ代わりになった。

佐々木擁する大船渡は岩手大会を順調に勝ち上がり、決勝で花巻東と対戦した。だが、この大一番に佐々木は登板せず……というか、試合に出場することなく、高校野球生活にピリオドを打った。

監督にもいろんな考えがあったのだろうし、チーム事情もあったはずだ。そのことについて答えを求めたりはしないが、プロのスカウトたちは「佐々木の登板回避」をどう受け止め、何を考えたのだろうか。

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岩手大会決勝で敗れ涙を流す大船渡・佐々木朗希(左から2人目)

セ・リーグのあるスカウトは「ケガなく、投げられる状態であれば投げさせてあげたかったと」と言って、こう続けた。

「予防という点においては最善の策をとったと思いますが、ピッチャーというのは大舞台を経験することで成長していくわけです。”勝てば甲子園”という舞台は、人生のなかでも1、2位を争うぐらいの大一番なわけで、それを経験できなかったというのはかわいそうだと思いました。そこで勝って、さらに甲子園となると……昨年の吉田輝星(現・日本ハム)も甲子園で試合を重ねるたびに成長していった。高校生というのは、大事な試合をどれだけ経験できたかによって、成長のスピードは変わるんです。体を守るのは大前提ですが、甲子園や甲子園を賭けた舞台というのも、間違いなく財産なわけです」

また別のセ・リーグのスカウトの意見はこうだ。

「(指名を)ためらう球団は出てくると思いますよ。いろんな事情があったとはいえ、佐々木くんはすっきりしない終わり方になってしまった。投げないにしても、彼はチームの4番を打つ選手です。打者としても出なかったということは……我々が最初に思うのは故障です。仮にまったく問題ないにしても、消化不良のまま終わってしまった感は否めません。それだけでも印象は悪くなってしまうものなんです」

パ・リーグのあるスカウトは、U-18での佐々木に注目していると言う。夏の甲子園が終わると、8月下旬から9月上旬にかけて韓国で「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」が開催される。そのメンバーが20日発表になり、佐々木も選出された。

「佐々木くんについてはいろいろ言われていますが、私たちが判断する材料は、あくまでもグラウンドでのパフォーマンスですから。U-18には万全の状態で出てくるでしょうし、ほかにもいい投手がいますから、無理な登板もないはずです。彼のボールについては、もう見なくてもわかっています。私が見たいのは、注目を一身に集める大会で、しかも国際大会で彼がどんな顔をして投げるのかなんです。楽しそうに投げてくれれば、もう安心です」

そして、こうも言った。

「まぁ今回のことに関しては、佐々木くんもいろいろ思うところはあっただろうし、考えたと思います。この先、プロで投げることになったら、私生活のことなど、いろいろな思いを押し殺して投げなきゃいけないわけですよ。それが大人になるってことじゃないですか。人間としてひと回り成長したんじゃないかと思っています」

そのやりとりを聞いていた別のスカウトが、こう締めてくれた。

「佐々木くんがプロに入って期待どおりの活躍をしてくれれば、『あぁ高校3年の夏のあれは英断だった!』となる。逆に活躍できなければ、『あの時、投げていれば……』となるわけです。いずれにしても、わかるのは5~10年後。そうした十字架を背負わせてしまうのはかわいそうだけど、プロで結果を出すしかない。あれだけのポテンシャルを持った選手だから、普通にやれば絶対に活躍できるはず」

今回の佐々木の”登板回避”は、高校野球の枠を越えて社会現象にまで発展したが、それぞれの考えがあり、明確な答えはわからない。ただひとつ言えることは、佐々木がなんの不安もなく、楽しんで投げられているかということだ。はたしてU-18で佐々木はどんなピッチングを見せてくれるのだろうか。

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