こんなにいるリアル・カホコ!大学の履修届け、企業が内定を「オヤカク」...

こんなにいるリアル・カホコ!大学の履修届け、企業が内定を「オヤカク」...

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  • 更新日:2017/09/16
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専門家は過保護な親は、子どもの脳の発達にも影響が出るという。(※写真はイメージ)

「カホコロス」の声が上がるほど熱狂的なファンを生んだ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)が13日に幕を閉じた。最終回の平均視聴率は14.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と健闘した。

【写真】カホコを熱演!キュートな高畑充希

高畑充希が好演したヒロイン・加穂子は、竹内涼真演じる初(はじめ)との恋愛を機に親離れ。二人の結婚を許した母・泉(黒木瞳)が「今までパパやママをいっぱい幸せにしてくれてありがとう」と娘に投げかけた言葉に涙した人は多かろう。

一方で、カホコを身につまされる思いで見守った親たちも少なくなかった。都内に住む40代の男性会社員は、もっぱら泉の言うなりになる父(時任三郎)がわが身と重なり、冷や汗が出た。そばで見ていた高校2年の娘に「カホコパパ、うちのパパにそっくり」と言われ、何度歯がみしたことか。

娘が小学2年生まで専業主婦だった妻は、過剰に世話を焼いていた。幼稚園時代は習い事に渋る娘を無視して、週末に水泳と英語。通信学習も「毎日やるよね?これやればずっといい成績が取れるよ」とやらせた。夫が「無駄になるんじゃない?」と口を挟んだら、「平日不在の方は黙ってて」とにらみつける。毎日娘の洋服を選び、ランドセルの中身を確認し、宿題の答え合わせをした。

ところが、2年生の夏休みのあと、妻はパートで保育園で働くようになると少し変わってきた。「もっと自分でやらせなきゃ」と言い始めた。園の先生たちに「干渉しすぎる。自立させなきゃダメ」と言われたようだった。

さらに、「何か楽器ができると小中とも音楽で5がとれる」という都市伝説のような話を真に受けて「ピアノとバイオリンどっちがいい?」と詰め寄ったとき、娘の返事に衝撃を受けた。

「えっとねー、ママの好きなほうでいいよ」

妻は「パパ、うちの子、ヤバい。自分の意思を持っていない」とあわて始めた。そんな育て方してたらそうなるよと思ったが、男性自身も子育てにかかわっていなかったことを深く反省。以来、子育てについてよく話し合うようになり、娘はどんなことも自分で決めて動くようになった。

そんな過去があるものだから、ドラマでばあばこと祖母初代(三田佳子)が泉の過保護をたびたび指摘したセリフは夫婦に刺さりまくった。

過保護を指摘されても「私はカホコにいっぱい愛情を注ぎたいだけなのよ」と抗弁する泉を、初代はやさしく諭す。

「愛するよりも、信じることのほうが難しいのよ」

「大事なのは、その愛に自由があるかどうかよ。カホコから考えることを奪わないでね」

わが子の成長を信じて待つ重さを娘に訴える初代に「ばあば、浸みるよ~」と夫婦して感謝した。

男性の娘は7歳で路線変更できたが、大学にはゾッとするようなリアル・カホコがいるらしい。首都圏にある私立大学の教員はここ数年、新入生のオリエンテーションで学生に呼び掛ける。

「みなさん、履修届けは自分でやるものです!お母さんにやってもらうもんじゃないよ!」

なんと。最近の大学生は、年度初めに行う履修申請を親にやってもらうというのだ。毎年、大学に親からこんな問い合わせ電話が何本も舞い込む。

「あのう、履修届けを書いたんですが、本当に届けられていますか?」とママ。パパも確認してくる。「昨日、息子と一所懸命にやったんですが。大丈夫だったでしょうか?」

どうやら、カホコのみならず、カホ太郎(?)もいるようだ。

どこの大学も、オープンキャンパスだって親と一緒に来ない子のほうが珍しい。説明会の席には、前方に親が座って、後ろに子ども。親がメモ帳に懸命にメモして、子どもは手ぶら。それが当たり前だと言う。入学すればもっと必死。「先生、うちの子、ちゃんと就職させるためには何をさせればいいのか教えてください!」とメモを片手に親がやってくる。

卒業式前。「せっかくだから可愛く着飾って来てね!」とドレス選びに出かける学生達を見送ったら、学生達から翌日「A子、ママ統制に屈す」の報告があった。

色白のA子に他の学生がピンクのドレスを「絶対似合うよ!」勧めたら、それとは対照的な紺色の地味なスーツを手にしたA子はすぐさま母親にラインで両方の写真を送った。すると、すぐさま返信が。そこには「ピンクは絶対NG!紺のスーツにしなさい!」の文字が。「ママが言うから」と紺色地味スーツを購入したのだった。

そんなカホコ話は枚挙に暇がない。

就活で内定が出ても「ママがダメだっていうんで」と断ってくる学生が後を絶たないため、企業が親に確認を取る「オヤカク」は定着しつつある。入社式に親が出席するため、保護者席が用意する企業さえある。しかも、小学校の入学式よろしく成人したわが子の写真を撮りまくる。

なかには「少子化でわが子が可愛いんだろうし、仕方ないんじゃない?」と感じる方もいるかもしれないが、国際的にも過保護・過干渉は問題視されている。米国では親がヘリコプターのように空中から子どもを監視する「ヘリコプター・ペアレンツ」、北欧では、子どもの人生の障害をその都度親が取り払うように誘導する親を「カーリング・ペアレンツ」と呼ぶ。

では、過保護・過干渉がなぜいけないのだろうか。

主宰する子育て科学アクシス(千葉県流山市)で親子の相談を受け、脳医科学の知見もある医師の成田奈緒子さんによると、自立できないうえに、コミュニケーション能力などをつかさどる前頭葉の発達に影響を及ぼすという。

「親が先回りして道を示してしまうと、頭の中で問題・課題の解決策を考える前頭葉が育ちません。前頭葉は大脳皮質にちらばっている記憶や情報を集約及び取捨選択して、そのシチュエーションに応じて自分で行動を選びとる場所です。ところが、自分で何かを経験したという実感が乏しく、あってもその情報を使うことがなく毎回解決策を示されると、考える作業をスキップしてしまう。過保護な親のもとでは、脳が鍛えられにくいと言えます」(成田さん)

そういえば、ドラマの中でカホコが突然「私、こんなの初めて!」と叫び、ごくごく普遍的な感情(誰かを好き!という気持ちなど)に目覚めるシーンが毎回のように出てきた。これはある意味、彼女が成長過程で積むべき体験をいかに積んでいないか、つまり経験値が低いかを印象付けるフレーズだったのかもしれない。

リアル・カホコは、前出のA子のように成人しても親の呪縛から逃れられない。第一志望の国立大学を落ちていた彼女自身、苦しんでもいた。

「国立に落ちるなんて、家の恥だとママに言われた。自分はバカだから、とにかくママに嫌われないようにしなきゃ」とこぼしてもいた。

自分ではなく母親の価値観が軸。ゼミのみんなでやる作業があっても、「家の用事があるから帰ります」とサッサと帰ってしまう。ママに言われたことは絶対なのだ。さらに、外弁慶のためその場に母親がいなければあいさつもしない。何か言動を注意されても目を合わさない。つまり、他人とうまくコミュニケーションできないのだ。

解決方法はあるのだろうか。

「小さいときから自分で決めさせる習慣をつけること。特に思春期は抑えつけないでほしい。もうひとつは、幼少期から良質な睡眠を十分とること。睡眠不足では前頭葉が頑張れないので」(成田さん)

反抗や主張は自立の第一歩。ばあば(初代)が言ったように、いろいろやってあげることは簡単でわが子の力を信じることのほうが難しい。だが、どんなことでも困難をクリアしたほうが、収穫は大きいに決まっている。ばあば、深いわ。

(文/島沢優子)

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