秘技「バックサイドダブルコーク1080」でスノボ鬼塚雅が金メダルへ

秘技「バックサイドダブルコーク1080」でスノボ鬼塚雅が金メダルへ

  • Sportiva
  • 更新日:2018/01/13

平昌冬季オリンピック開幕まで1カ月を切った。スノーボード女子では、昨年末に出場が内定した鬼塚雅に注目が集まる。スロープスタイルと新種目ビッグエアで表彰台が期待される19歳の新鋭に、初出場となるオリンピックへの思いとメダル獲得への展望を語ってもらった。

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五輪初出場ながら、金メダル獲得が期待される鬼塚雅

――いよいよ平昌が近づいてきました。まず、オリンピックに照準を当ててトライしていた新技「バックサイドダブルコーク1080」(縦2回転・横3回転)の仕上がり具合はいかがでしょうか?

鬼塚雅(以下、鬼塚)練習での成功率はかなり上がってきていますし、順調と言えます。あとは完成度を高めるために反復練習あるのみ、という感じですね。

――やはり「バックサイドダブルコーク1080」を成功させられるかどうかがメダル獲得を大きく左右する?

鬼塚 はい、間違いないですね。現時点ではアンナ・ガッサー(オーストリア)と私しかできない大技なので、本大会の決勝で成功できればかなり高得点がつくはず。そこに「キャブ1080」(スイッチスタンスからの3回転)を加えることができれば、優勝できる可能性は十分にあると思っています。

――いずれにしても、金メダル獲得に向けて越えなければならない壁はアンナ・ガッサーということになりますね。

鬼塚 そうですね。アンナは昨年3月のUSオープンでもダントツのライディングを見せていましたし、間違いなく今の女子スロープスタイルでナンバーワンのライダーだと思うので。あと、ライバルになるのはアメリカのジェイミー(・アンダーソン)。彼女たち2人が一番のライバルになってくると思います。ただ、バックサイドダブルコーク1080が成功すればジェイミーには勝てる気がします。

――鬼塚選手だけでなく、おそらく多くの海外選手たちがスロープスタイルだけでなく新種目のビッグエアにもエントリーしてくることが予想されます。

鬼塚 アンナもジェイミーも必ず両方に出てくると思いますし、ビッグエアになるとX-GAMESで勝っているヘイリー(・ラングランド/アメリカ)もいます。ただ、バックサイドダブルコーク1080はビッグエアでも使えるトリックなので、スロープスタイル同様、成功すればメダルにかなり近づけると思います。あとは技の完成度の問題ですね。

――そもそもバックサイドダブルコーク1080は昨年3月のUSオープン後に練習を始めました。チャレンジを決めた一番の理由はどこにあったのでしょうか?

鬼塚 そのUSオープンで、当時の自分の100%を出し切って5位だったことが本当に悔しくて。自分の実力や現在地がそれまで以上に明確にわかったことで、新しい技にトライする大きなきっかけになりました。もちろん今でも怖さはあります。ただUSオープンの結果が自分の中であまりにショックすぎて、これはもうやるしかないなって。相当追い詰められましたね(笑)。

――バックサイドダブルコーク1080自体はまだ公式戦で成功していないものの、その技へのチャレンジとともにライディング全体がかなりクオリティアップしている印象も受けます。事実、今季はニュージーランド、中国、ドイツとW杯で3度2位に入っていますが、そのあたりの手応えはいかがでしょうか。

鬼塚 そうですね。USオープンの頃と比べて、2段階くらいはレベルアップしていると自分でも実感しています。バックサイドダブルコーク1080ができるようになったという自信がそうさせているところもありますし、ジブセクション(レールやボックスが配置されているコース)で、いい技がいくつか手に入れられたことも実は大きいです。このままの調子を維持して、あとはオリンピック本番でどう成功させるかですね。

――トリノ、バンクーバーと2大会連続で男子ハーフパイプを制したあのショーン・ホワイトでさえ、ソチではまさかの失敗がありました。本番でベストなライディングを決めるために必要なことは何でしょう?

鬼塚 もうこればかりは練習の数をこなすことしかできないですね。とはいえ練習でいくらうまくいっていても本番で失敗することもあります。そこがスノーボード競技の面白さでもあるので、こればかりはなんとも言えないですね。

――日本ではまだまだ、スノーボード競技に触れる機会がオリンピックだけという人が多いので見落とされがちですが、ハイシーズンのスノーボーダーたちの移動距離たるや尋常じゃないですよね。実際、平昌にも海外遠征からそのまま入ると思いますし、オリンピック後にはすぐにUSオープンといったビッグトーナメントも待っています。

鬼塚 友人たちからは海外にたくさん行けて羨ましいと言われますけど、移動は本当にきついですよ。とくに大会はアメリカやヨーロッパが多いので日本が拠点だとさらにハード。コンディションを維持し続けるだけで大変な仕事ですし、自分でも今の生活スタイルでよくやっていけてるなって感心します(笑)。

――常に世界中の雪山から雪山を転々とするそんなハードな日常の中で、モチベーションをキープし続けるための秘訣はあるのでしょうか。

鬼塚 常に次の大会で優勝したいという気持ちを持つことでしょうか。4年に1度のオリンピックに比重を置きすぎると、どこかで気が緩んだりするので。

――スノーボードシーン全体を俯瞰(ふかん)してみて、今の自分の現在地をどのように捉えていますか?

鬼塚 W杯でも技を失敗しなければ表彰台は逃さなくなってきましたし、バックサイドダブルコーク1080が成功すれば、アンナと私のどちらかが1位を取れるレベルにはきていると感じています。だからあのUSオープンの5位があって本当によかったなと思います。とはいえ、スロープスタイルもビッグエアもトップライダー5人くらいの実力は常に横一線で、たまたま今はアンナと私が新しい技のおかげで少し抜け出しているという感じなので油断はできませんけれど。

――ソチオリンピックのスロープスタイルを覚えている人は、今大会を見てまず競技レベルの向上ぶりに驚くと思います。それくらい、スノーボード競技の進化のスピードは早い。

鬼塚 そうなんです。前回のソチは優勝トリックが720だったのに、たった4年で最低900が求められるようになり、今や1080にトライしている。もう4年後はどうなっちゃうんだろうって(笑)。そういう意味でも今回の平昌で絶対にメダルを獲っておきたいんです。

――目指すはスロープスタイルとビッグエアの「ダブル金」、ですね。

鬼塚 今の時期にここまで成長できたのはすごいとよくアメリカのコーチたちにも言われます。本当は隠してたんじゃないの?って。その分マークはされていると思いますが、勝てるように頑張りたいですね。すべてはバックサイドダブルコーク1080次第。成功させて、最低でもスロープかビッグエアのどちらかは金が欲しいです。いや、どちらかは必ず獲ります!

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週刊ヤングジャンプ×Sportiva共同編集

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