これまでで最も古い銀河を発見。新しい天体観測技法によって(米ハワイ・ジェミニ天文台)

これまでで最も古い銀河を発見。新しい天体観測技法によって(米ハワイ・ジェミニ天文台)

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  • 更新日:2017/11/13
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「おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ」ドイツの哲学者、フリードリヒ・ニーチェのこの言葉がうっかり思い浮かんでしまったわけだが、全く関係ないかもしれない。

宇宙望遠鏡の設置以来、専門家はこれまでになかったほど宇宙の深淵(深奥)を覗き込めるようになった。彼らが遠くを見つめるほどに、そこに映る景色は古い時代のものへと遡ることになる。数十億年前の宇宙の姿を目撃することもできるのだ。

最近、ハワイのジェミニ天文台を使う国際的研究チームが、110億光年先にある渦巻銀河の発見に成功した。

新しい観測技法で発見された渦巻銀河「A1689B11」

これは重力レンズと分光器を組み合わせた新しい観測技法の賜物である。その渦巻銀河「A1689B11」はビッグバンからわずか26億年後には存在しており、今日までに発見されたものとしては最古かつ最遠の渦巻銀河だ。

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渦巻銀河「A1689B11」image credit: James Josephides

この銀河を発見したのは、オーストラリアのスウェイバーン工科大学、ASTRO 3D、フランスのリヨン大学、アメリカのプリンストン大学、イスラエルのヘブライ大学からの研究者が参加する国際的研究チームだ。

天文学の切り札となった重力レンズを用いた観測法では、銀河団のような大きな天体を用いて、その後ろにある銀河の光を曲げたり、拡大したりする。この観測技法によって、これまでは不可能だった高解像度で太古の銀河を研究できるようになった。110億年前を覗き込み、銀河で最初に形成された原始的な渦巻きの腕を直接目撃できるのだ。

チームは次いでジェミニ北望遠鏡の近赤外分光装置(Near-infrared Integral Field Spectrograph)で、その構造と性質を検証した。

エドウィン・ハッブルが考案した分類法(ハッブル分類)によると、銀河は形状に応じて大きく楕円銀河、レンズ状銀河、渦巻銀河の3種と、それらに当てはまらない不規則銀河に分けることができる。

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image credit:NASA, ESA, L. Calcada

渦巻銀河の発見は、宇宙の歴史を知る手がかりに

これに関して、件の渦巻銀河の発見は、それが楕円状から現在の形に変化し始めた時期とプロセスを知るには決定的なことだという。

プリンストン大学のレンユエ・セン氏は、「A1689B11のような太古の渦巻銀河の研究は、ハッブル分類が出現した原因と時期を解き明かす鍵になります。渦巻銀河は初期の宇宙ではきわめて珍しく、今回の発見は、混沌とした荒々しい円盤状から天の川のような穏やかで薄い円盤へと銀河が遷移する仕組みを調査する扉を開くことでしょう」と語る。

今回の研究では何よりもA1689B11が持つ驚くべき特徴が明らかになっている。それは宇宙の歴史におけるこの期間ついて私たちの理解を助け、場合によって覆す可能性があるものだ。

銀河は今日存在する銀河の20倍という速さで恒星を作り出している。初期宇宙にあった同じくらいの質量の若い銀河と同じくらいの速さである。

しかし同時期の他の銀河とは違い、A1689B11は非常に冷たい薄い円盤状で、ほとんど乱れることなく穏やかに回転している。こうした渦巻銀河がこの時代の宇宙で発見されたことはこれまでになかった。

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image credit:Gemini Observatory at sunset - Gemini Observatory - Wikipedia

同研究チームは今後もその構造と性質を分析し、同時期の渦巻銀河と比較したいと考えている。特に彼らが関心を持つのは、渦巻銀河の腕が出現した時期だ。

この腕は、太古の楕円銀河と現在の渦巻銀河・レンズ状銀河・不規則銀河とのある種の境界線のようなものである。

2019年にはNASAがジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を打ち上げ予定だ。今回の研究や今後発表が予定される研究は、宇宙に存在した最初期の銀河について重要な情報をもたらすと期待されている。

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image credit:James Webb Space Telescope Mirror37 - James Webb Space Telescope - Wikipedia

via:swinburne/universetoday/popularmechanicsなど/ translated by hiroching / edited by parumo

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