命を燃やして演じきった夭折の天才棋士の生涯! 松山ケンイチ (俳優)

命を燃やして演じきった夭折の天才棋士の生涯! 松山ケンイチ (俳優)

  • 週刊文春WEB
  • 更新日:2016/11/30
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まつやまけんいち/1985年青森県生まれ。2002年に『ごくせん』でデビュー。05年『男たちの大和/YAMATO』で注目を集め、続く『デスノート』で大ブレイクを果たす。映画代表作に『人のセックスを笑うな』『デトロイト・メタル・シティ』『ノルウェイの森』『マイ・バック・ページ』などがある。

「映画が公開されるまで、次の役に気持ちを向けることはできないですね。村山聖(さとし)という棋士が好きで、今回の現場が好きで、好きという感情が僕に限界を超えさせてくれた。いつも以上に役に没頭しました。今は恋人に別れを告げたような感じ。少し寂しいです」

これまで数々の役柄を演じてきた松山ケンイチさんをしてこう言わしめた映画『聖の青春』が公開された。29歳という若さで亡くなった天才将棋棋士・村山聖の生涯を描く同名ノンフィクション(大崎善生著)の映画化作品。難病・腎ネフローゼのために肥満体型だった村山を演じる上で、松山さんは20kgも体重を増量して撮影に挑んだ。

「面白いもので、太ると時間の流れがゆっくりになって、怒ることも減るんです。体重を増やすのには三カ月くらいかかりました。役作りという点では、これまでのどの役より時間をかけましたね。文字通り、命を燃やして将棋に打ち込んだ村山聖を演じるためには、僕自身が命を燃やすしかありませんでした」

小学生の頃から将棋が好きだったという松山さん。劇中で駒を持つ手つきは様になっており、佐藤天彦現名人も「お世辞じゃなく、プロのような感じ」と語っているほど。

「僕はプロ棋士ではない。でも役者として、本物以上に本物になることはできると思っています。そのためには長い時間をかけて役と触れ合うしかないんです。時間をかけることで初めて、コピーではないリアルな仕草が滲み出てくると思っています。

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©2016「聖の青春」製作委員会

今回、村山聖のことを知るため、たくさんの関係者にお話を伺いました。師匠の森(信雄)先生もそうですし、ご両親や村山と同年代の先崎学九段、佐藤康光九段にも。みんなそれぞれの村山像を持っていて興味深かったです。そう、聖って多面的な人なんですよ。その多面性をきちんと演じなければと思っていました」

本作で村山聖の終生のライバルとして描かれるのが、現在も三冠を誇る棋界の第一人者・羽生善治。東出昌大さんが演じた。物語終盤、羽生と村山が盤を挟む対局シーンは今作のハイライトと言える。

「実際にあった対局の棋譜をすべて覚え、カメラを長回しにして撮影しました。僕も東出君も没頭しすぎて、カメラの存在も忘れていたほどです。

実は、将棋のことを調べるなかで、棋士の先生にカンニング対策について尋ねたことがあったんです。ズルをしようとすればいくらでもできるんじゃないかと。今思うとすごく失礼な質問なんですが、その時、とあるプロ棋士の方が『そんなことはありえません』と断言したんです。『棋士としての誇りがあるから』と。僕、凄いと思って。そんな、勝負の世界に生きる人間の潔さ、志の高さを感じてもらえたらと思います」

『聖の青春』

全国公開中
http://satoshi-movie.jp/

文/「週刊文春」編集部

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