「皆さんどうか忘れないで」軽井沢バス事故で手記

  • テレ朝news
  • 更新日:2019/01/12

大学生ら15人が死亡した長野県軽井沢町のスキーバス転落事故から15日で3年です。事故を巡っては長野県警がおととし6月、事故で死亡した当時の運転手を過失運転致死傷の疑いでバスの運行会社の社長と元社員を業務上過失致死傷の疑いで書類送検しています。事故で死亡した千葉県市原市の大学生・西原季輝さん(当時21)の母親が代理人を通じて手記を公表しました。その全文です。

事件から3年…とても短く感じます。木曜日の夜、先輩と行くスノーボードを楽しみに「明日の夜帰ってくるよ!」と言って季輝は元気に出掛けて行きました。今でも帰ってくるような気がしますし、毎日、ここにいてくれたら…と考えてしまいます。夢でもいいので、もっと会いに来てくれたらいいのにといつも思います。出掛ける前に一緒にテレビを見ながら笑い合った楽しいひと時があったことを忘れません。木曜日が来る度、辛くて、一緒に見ていたテレビ番組を事件後は見ることができなくなりました。頑張れば叶えられないことはないと、これまでの人生頑張ってきましたが、事件当日、遺体となった季輝に会った時の自分の力ではどうすることもできない絶望感を忘れることはありません。

季輝の夢は学校の先生になり、学生にソフトテニスを教えることでした。駅伝で懸命に走る大学生を見ていると、頑張っていた季輝の姿を重ねてしまいます。大学生を指導する監督やコーチを見ていると、もう見ることはできない将来の季輝の姿を重ねてしまいます。あんなに頑張っていたのに、何の落ち度もないのに、どうして死ななければいけなかったのか悔しくてなりません。事件から3年が経ち、このまま季輝は誰からも忘れられてしまうのではないかと思うと、寂しく苦しいです。西原季輝という人間が生きていたことを、ひたむきに夢に向かって頑張っていた人間がいたことを、皆さん、どうか忘れないで下さい。

このような凄惨な事件が二度と起きないようにするためには、事故の原因を解明することが必要です。国土交通省の調査で、バス会社の運行管理が本当にずさんで多くの法令違反があったことが明らかになりました。しかし、なぜ決められたルートを走行していなかったのかなど、明らかにされていない点も多くあります。長野地方検察庁には一日も早く捜査を終えて、バス会社の代表者、運行管理者の責任をしっかりと追及し、真相を明らかにしてもらいたいと思います。また、今回の事故の原因の解明が遅れている要因の一つとして、バスにドライブレコーダーが付いていなかったことが挙げられると思います。国交省は、乗客を運ぶ業務用の車には必ず車の前と後にドライブレコーダーを設置する義務を課すべきです。そして、事故を防止するための規制をしっかりと行い、その規制が守られているのか、監査を十分に行うことも必要です。国交省から監査の人手が足りないという説明を受けましたが、人手が足りないから監査が不十分であっても許されるということは全くありません。

事故で大切な命を失わない世の中を目指して、安全な道路と安全な車を作っていってほしいです。そして、すべてのドライバーが安全への意識を向上させることを願います。

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