【社説】米のユネスコ脱退は正しい第一歩

【社説】米のユネスコ脱退は正しい第一歩

  • WSJ日本版
  • 更新日:2017/10/13
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ドナルド・トランプ米政権の広報活動が素晴らしいとの話は聞かない。12日には米国が国連教育科学文化機関(ユネスコ)を脱退すると唐突に発表したが、これは代表的な例だ。それでもこの決定は正しかった。

国務省のヘザー・ナウアート報道官は、米国が2018年12月31日付でユネスコ(本部はパリ)を脱退し、正式な加盟国ではなくオブザーバーとして関与していくと発表した。理由として、「未払い金の増加に対する懸念」「抜本的な改革の必要性」「反イスラエル偏向が続いていること」を挙げた。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はツイッターで、「勇気ある道徳的な」決定をたたえ、自国も脱退すると述べた。

ユネスコは数十年来、文化機関を装った政治的な組織だ。かつては旧ソ連の教育活動に利用され、反米の傾向は今も続いている。ユネスコの現事務局長イリナ・ボコバ氏は、共産政権時代にはブルガリア共産党に所属したブルガリア人で、昨年の国連事務総長選にはロシアのウラジーミル・プーチン氏の支持を受けて立候補している。

ボコバ氏が2011年にパレスチナ自治政府のユネスコ加盟を認めたことから、米国はパレスチナを国家として受け入れる国連組織への資金拠出を禁じる法律を発動した。ユネスコによれば、米国には約5億5000万ドルの未払い金がある。

ユネスコは7月、イスラエルの「マクペラの洞窟」などをパレスチナの世界遺産として登録すると発表した。政治的な行為だ。ニッキー・ヘイリー国連大使は12日、ユネスコが「数々のばかげた行為に携わって」きたと述べ、「シリアの独裁者バッシャール・アサドが平和的なデモの参加者を弾圧して殺害した後でさえ、ユネスコの人権委員会にアサド政権をとどめた」例を挙げた。

ヘイリー氏は国連の平和維持活動の改革も求めており、改革が行われなければ米国が人権理事会を脱退する可能性をちらつかせてきた。ユネスコ脱退は良き第一歩だ。

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