韓国金融業界の専門性が低迷! AI導入待ったなしで阿鼻叫喚もうすぐか

韓国金融業界の専門性が低迷! AI導入待ったなしで阿鼻叫喚もうすぐか

  • ハーバー・ビジネス・オンライン
  • 更新日:2017/11/13
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「AIに職を奪われる悪夢」はどこも共通だが……

「AIに仕事を取られる」焦燥感に瀕しているのは、日本だけではない。隣の韓国でもAIを導入せざるをえない事情に直面しているようだ。

韓国で10月末に公開された韓国金融投資者保護財団によると、銀行、証券会社、保険会社での営業職員の専門性を調査した結果、いずれの会社でも専門性が低迷していることがわかった。

この調査は、あらゆる企業の直近8年間の投資信託などに関する相談の実態を調査、評価したもの。営業スタッフの専門性を%指数で表すもので、2009年には23.8%であったものの、昨年には18.1%へと低下している。フィンテックの登場や金融市場の激しい変動によって、年ごとに基礎用語や専門知識における難易度が変わるとしても、韓国では8年のうちに営業スタッフの専門性が50%を超えたことはたったの一度もない。

また、今回の調査で、新規顧客にファンド会社をオススメする際、営業スタッフ10人のうち8人は、勧める根拠をまともに説明できないとの結果も明らかになっている。本来ならば、顧客のニーズに合わせて、収益率のほかに多様な根拠を提示し、現在の金融市場状況と比較するのが一般的。

しかし、韓国であらたなファンドを勧める際にはこういった根拠を示す例が特に少なく、店頭スタッフの専門性は低迷する一方だ。(*1)

韓国の保険会社をはじめとする金融業界では、こういった専門性や人手不足の解消へ向けた、人工知能(AI)を活用したサービスやロボットの導入が目立っている。

従来の契約を行う人員スタッフに代わって設置されたロボットたちは、蓄積されたビッグデータをもとに、顧客情報検索はもちろん、契約管理や保険請求などで発生する各種業務の関連情報をリアルタイムで瞬時に開示する。

保険や投資の新商品とあらば、過去の膨大なデータと顧客の趣向、現在の市場動向と照らし合わせ、一番あっている商品を見つけだしオススメする。

例えば人員スタッフが自身の管轄外の問い合わせを受けた際には、他の関連部署に問い合わせる必要がある。しかし、人工知能は膨大なデータを把握しているため、顧客を待たせない。このようにヒトから人工知能への業務移行は、効率が上がる一方、企業側の業務負担が大幅に減るものと予想されている。

◆一方、日本のみずほグループも2万人削減を検討

近年、韓国の大手銀行も人工知能搭載の音声サービスに力を入れている。

人員スタッフでは対応できない24時間体制に加え、身分証名書類がなくとも、音声認証によって本人確認も可能。「簡単で早い」というのは、企業だけでなく、顧客側にもメリットがある。

音声認証によって本人確認がとれたあとには、人工知能との会話だけで銀行の基本サービスはもちろん、銀行口座やクレジットカードの使用内訳などを分析し、金融資産の現況、所得・支出の変化などの情報も提供する見通しなのだとか。

米銀シティグループの最高経営責任者(CEO)を務めていたビクラム・パンディット氏も9月に行われたブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「人工知能やロボット技術によって銀行業界での雇用の30%が、今後5年以内に消える可能性がある」と語っている。

「人工知能に職を奪われる」という懸念は今に始まったことではない。しかし、ここで注意すべきなのは、冒頭のとおり日本も例外ではないということだ。

三菱UFJフィナンシャルグループの平野信行社長は今年9月、国内の事務作業の自動化やデジタル化によって「9500人相当の労働量の削減を実現したい」と明らかにした。この人数は三菱東京UFJ銀行の国内従業員の約30%に相当する規模だという。

平野社長は「一部の部署だけでなく、組織全体としてデジタル技術による経営改革に取り組み、既存業務を大幅に効率化する必要がある」と指摘。業務のデジタル化によって、今後7年間で2000億円の利益押し上げ効果を目指している。

また、みずほフィナンシャルグループも今後10年にわたって、全従業員の3分の1に該当する約一万9000人を減らす検討段階に入ったと発表。同時に、AIやロボットなどITを活用した新たな金融サービス’「フィンテック」を展開しながら業務を効率化する方針を打ち出した。全国にわたって約800カ所の店舗に対して、統廃合を検討しており、新規採用も抑える見通し。人員を徐々に削減し、グループ職員数を現在の約6万人から4万人規模へと減らす予定だという。

同じように、三井住友フィナンシャルグループでも生産性向上や業務の効率化を通じて、2020年度までに4000人分の業務量を減らすと明らかにした。

大手銀行がそろって大々的な構造の見直しに着手したのは、日銀のマイナス金利政策が長期化し、銀行の実績が急速に悪化しているためだ。日本銀行の政策金利は昨年1月-0.1%へ引き下げられてから、今まで維持されており、融資による利ざやでは収益を上げることができない状況が続いている。

結果的に既存の構造の全面的な見直しと人員削減をはじめとする「コスト削減」は不可欠な選択肢となった。

現状況では、各社ともに解雇・削減措置を直ちに実施せず、配置異動などによって業務量を減らしていく方針だ。しかし、AIとロボット旋風はとめどなく加速し、進化し続ける。

金融業界だけではなく、職種を問わず、人工知能に仕事を取られる未来が押し寄せている。

<文・安達 夕@yuu_adachi

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