『関ジャム』三浦大知特集! 業界内で「スゴいスゴい」と言われる彼の実力は世に伝わるか?

  • 日刊サイゾー
  • 更新日:2021/05/03

4月25日放送『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)にゲスト出演したのは、三浦大知とs**t kingz(シットキングス)。ステージでは何度も共演している両者だが、テレビでのトークは意外にも初共演だという。事前打ち合わせでは、お互いがお互いのことをこう語っている。

「パイオニアだと思いますね。ダンサーっていう表現者として世に出ていく。よくぞ(この4人が)集まったって感じがするんですけど」(三浦)

「曲を聴いて、やりたいなって思ったイメージをそのままぶつけられる唯一のアーティストな気がする。(三浦は)歌手じゃないですか。俺らとは違う職業なのに、ダンサーの俺らがこんなにやられちゃってる。『チクショー!』って」(s**t kingz)

大絶賛が止まらない。つまり、今回は両者が相手の凄いところを語り尽くす内容となった。お互いを知り尽くす仲なだけに、解説の中身もさすがに濃厚である。

自分を“火だるま”にしようとしていた三浦大知

s**t kingzが挙げた三浦のスゴいところは、ズバリ「見たことのない映像」だ。具体的に言うと、三浦の踊る場所である。彼のMVを見ると、足場の悪いところでばかり踊っていたりするのだ。川の中とか砂丘だとか、それには飽き足らずトランポリンしながら踊ることもある。そして、極めつけは『Darkest Before Dawn』の MVだ。とんでもない高所の、満足なスペースがないデコボコな足場の岩の上で笑顔でダンスしている三浦。これは、見ているこっちが手に汗かいてしまうな……。

「あそこは、斜め右後ろが海だったんですね。その海は深かったんですよ。だから、もし何かあったらそこに飛び込もうとだけは思ってました」(三浦)

なんだ、そのリスクヘッジは……。ただ、サバンナの高橋茂雄は「勇気だけで言ったらアメリカのアホなユーチューバーと一緒」と、古田新太は「単純に運がいい」と表現したが、決して運や勇気だけでは済まされないと思う。日頃、センチ単位、ミリ単位で踊っているからこその、あの岩だったのだろう。日々の修練があんな無茶を可能にしている。ただ、それにしても誰か止める人はいなかったのだろうか?

「いや、意外と(スタッフは)『やってみよう!』みたいな」(三浦)

でも、そんなスタッフでも、さすがに制止した三浦のアイデアがあるという。

「『Yours』って曲に『命燃やして』って歌詞があるので、『燃えてみるのはどうか?』って。『火だるまになってフリースタイルで踊るのかどうか』っていう案は却下されました」(三浦)

三浦大知は火だるまになろうとしていたのか……。そんな彼の無茶はs**t kingzにとって他人事じゃない。共演が多いだけに「いつか俺らも燃やされる」と戦々恐々としているのというのだ。ダンサーとは思えないパワーワードである。「いつか俺らも燃やされる」、言葉が怖すぎるではないか。

s**t kingzが挙げた三浦のスゴいところはまだある。それは「フロアがスゴい」だった。「フロア」とは床に手や膝をついて踊る振りのことだ。なんと、三浦は歌いながら……つまり、マイクを持ちながら他のダンサーと同じようにフロアもやるのだ。

「普通、歌手は上半身の姿勢が崩れたり手から振動が伝わったりして歌いづらくなるので、ついても膝がギリギリ。ましてやハンドマイクを持って、両手が使えない状態。体幹の強さ、マイクを落とさないように踊る技術、あらゆるテクニックが詰まっています」(Oguri/s**t kingz)

あまりに三浦がナチュラルにフロアをこなすし、ましてや無音シンクロダンスまで見せられたものだから麻痺していたが、再認識した。s**t kingzが「普通、歌手はフロアをやらない」と言ってくれたが、確かにそうだ。かつて、風見しんごがブレイクダンスしながら歌うこともあったが、正直、彼は息を切らせながら歌っていた。でも、三浦は息を切らせない。ダンス中にマイクを持ち替えたり、ここまで来ると体幹トレーニング見ているような印象である。他のアーティストはあまりここまでやらない。

古田  「俺ら、ミュージカルでやるとき、大体ヘッドセットだから。ほんで、歌ってる人は(ダンスに)参加しない。だから、こういうことされると困るのよ!」

Kazuki 「本当にそうなんですよ。色んなアーティストの方の振り付けさせてもらうんですけど『ここは絶対フロアがいいな』と思って、試しに入れるんです。でも、『いやいや。俺、三浦大知じゃないから』って言われるんで(笑)」

三浦  「頑張ってこんな文句言われるとは……(苦笑)。本当、一生懸命やってるだけなんです」

今、s**t kingzがチャップリンの演説をダンスにした意義

もちろん、スゴいのは三浦だけじゃない。s**t kingzはバックダンサーとしてではなくアーティストとして、今年3月に『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演したパイオニアだ。

「ダンサーっていうのは自分たちの曲が無かったりとか、なかなか1つの表現者の枠としてどうしても捉えられづらいというか認められづらいところが正直あったんですけど、s**t kingzがやってきた道がダンサーの可能性を常に広げ続けています」(三浦)

自分を語るときは「一生懸命やってるだけ」というノリで話す三浦なのに、s**t kingzを語るときは異常に饒舌だ。愛が溢れすぎているのだろう。本人たちの倍以上に4人について語り倒したが、わかりやすい言葉で論理的に解説してくれるので凄く伝わってくる。

三浦が特に紹介したがったs**t kingzのダンスは、「独裁者-最後の演説-」だった。ヒトラーの独裁政治を批判した映画『独裁者』のラストシーンでチャップリンが演説した名スピーチに合わせ、s**t kingzが振り付けしたダンスである。つまり、曲ではなく言葉に合わせて振り付けしているのだ。彼らが合わせたスピーチはこんな内容だった。

「諸君には力がある。機械を生み出すその力が。そして、幸福を生み出す力が。諸君よ、人間は人生を自由で美しいものにする力を持っているのだ。この世を希望に満ち溢れた世界にできる力を。民主主義の名のもとに団結しようではないか。新しい世界のために戦おう。雇用や福祉が充実した世界のために。独裁者たちは同じ約束をし、権力の座に上り詰めたが彼らは口先だけで約束を果たしてはくれない。これからも決して果たしはしないだろう。独裁者は自らを解き放つが、彼らは国民を奴隷にするのだ。今こそ、その約束を果たすために戦おう」

今回、番組は「独裁者」のダンスをノーカットで放送した。圧巻だった。3分43秒を地上波で丸々流す意義のある映像。s**t kingzがダンスにしたことで、元から演説にリズムとメロディーがあるように伝わってきたのだ。チャップリンの真意が、よりくっきりと伝わってきた。それでいて、表現そのものは紛れもなくs**t kingzだ。雇用と福祉を訴えるチャップリンのスピーチを、今というタイミングでダンスとして表現したs**t kingzの心意気も響く。VTRを見終えた直後、古田新太を見ると彼は涙ぐんでいた。同じ表現者としてグッと来たのだ。

「作品のテーマとかダンスの凄さもあるんですけど、s**t kingzが凄いのは、これが飛び道具に見えないんです。言葉に合わせて踊るって珍しいというか無いじゃないですか。下手するとそのトピックが前に出て技術を見せるみたいな形に行きそうなんですけど、身体を使いナチュラルにメッセージを表現している。そこがs**t kingzのスゴさだなと思います」(三浦)

この日の『関ジャム』は三浦大知とs**t kingzがお互いを称賛し合うような内容だった。でも、お互いが本物だから決してお世辞になっていない点が重要。特に、三浦だ。彼は業界内で「スゴい、スゴい」と言われることが多い。でも、そのスゴさが世にちゃんと伝わっているのか微妙なところがある気がする。三浦大知とs**t kingzのトリセツのごときこの企画は意義があったと思う。

実は、次回も三浦大知&s**t kingz特集は続く。これが見ものなのだ。なんと、三浦自らの持ち込み企画が放送されるのだ。

話は昨年7月19日放送「プロ作曲家特集」における古田の発言まで遡る。この回では、『ユニットバスのマーメイド』なる1曲が完成した。古田が考案した歌詞に作曲家の丸谷マナブが曲をつけた楽曲である。

「君はユニットバスのマーメイド 狭い湯舟ででんぐりがえり
鼻にお湯が入ったね 激しく咳き込む君 合カギ返して」

癖のある歌詞だ。しかし、丸谷は「歌詞とメロディーのギャップ感」を意識し、素敵な曲に仕上げてしまった。完成曲を聴いた古田は、思わず「三浦大知君に歌いながら踊ってほしい!」と発言。この何気ない一言を聞いた三浦は、s**t kingzと5人で振り付けと構成を作ってきたらしい。つまり、「作詞:古田新太、作曲:丸谷マナブ、振付:三浦大知 & s**t kingz、歌:三浦大知」というわけである。

たぶんきっと、スゴい完成度のはずだ。何しろ、2017年8月24日放送『バズリズム』(日本テレビ系)に出演した三浦は、作詞:バカリズム、作曲:小出祐介(Base Ball Bear)の楽曲『AVを見た本数は経験人数に入れてもいい』に合わせ、見事なダンスを披露しているのだ。あれも、尋常じゃない完成度だった。だから、たぶん今回もスゴい。

次回予告を見ると、期待は高まるばかりである。「♪君はユニットバスのマーメイド~」と1フレーズだけ歌った三浦の声が素敵過ぎたのだ。「合カギ返して」と歌い上げるパートは特に楽しみ。それにしても、日本が誇る世界基準の三浦大知が何をやっているのかという……。

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