いつまでも子ども扱いしてくる親にウンザリ…というアラフィー女性のお悩みに専門家が回答!年老いた母に頭ごなしに怒ってはクタクタになるだけ。冷静な対応で母との関係を改善して。
教えてくれたのは…

人工知能研究者 黒川伊保子さん
人工知能研究者 黒川伊保子さん
感性リサーチ代表。脳科学を生かしたコミュニケーションを提唱。『母のトリセツ』をはじめ、大ヒットになった“トリセツ”シリーズなど著書多数。

メンタルケア・コンサルタント 大美賀直子さん
メンタルケア・コンサルタント 大美賀直子さん
公認心理師などの資格をもち、セミナー、カウンセリングで活躍。『長女はなぜ「母の呪文」を消せないのか』ほか著書多数。「All Aboutストレス」ガイド。
【お悩み】自分の価値観を押しつけてくるので疲れます。

・冠婚葬祭や相続についての間違った知識や習慣を娘に押しつけてくる。自分がずれていることを認識できない。(52歳・事務)
・いつまでも娘を子供扱いして上から目線でものをいってくる。(49歳・主婦)
・孫のことにまで口を出す。もう23、24歳なのに。(54歳・会社員)
ひとまず感謝の言葉を告げて、母の心に寄り添って
アラフィーの娘とその母は、どちらも「自分が正しい」と思い込んでいます。だから、相手の考えを変えようと説得を試みてもうまくいきません。お母さんに変化を期待するより、娘が臨機応変に対応するほうが物事がスムーズ。「心配してくれてありがとう」「勉強になるわ」「参考にするね」など、ひとまず母の言葉を受け止め、感謝の気持ちを告げること。もちろん、実践しなくてOKです。エクラ世代も、いずれは母と同じ道を歩む日がやってきます。そのことを忘れず、母の気持ちに寄り添ってあげましょう。

相手を傷つけない『アサーション』で、素直な気持ちを伝える
母にとって娘は何歳になっても子供に見えるため、親目線でついいろいろなことをいいたくなるのです。問題が起きたらアサーションで対応を。アサーションとは、相手を傷つけずに自分の主張を伝えるコミュニケーション方法。具体的には、①「いつもありがとう」など感謝の言葉を述べて、母親の心を開く。②「この間、いきなりうちに来たでしょう?」と事実を確認する。③非難ではなく、「忙しいときだったから困ったんだ」と自分の気持ちを伝える。④最後に「これからは来る前に必ず連絡してね」とやってほしいことを告げましょう。
取材・原文/浦上泰栄 イラスト/小迎裕美子 ※エクラ2022年6月号掲載