古くて性差別なルールよ、さようなら!生理用品の付加価値税が廃止に

古くて性差別なルールよ、さようなら!生理用品の付加価値税が廃止に

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2021/02/23
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ロンドンに住むイラストレーター クラーク志織さんの新連載「イギリスのSDGs事情ってどうなのさ?」。イギリスの人たちがSDGsの理念を日々の暮らしにどう取り入れているのかを、パンチの効いた軽妙なタッチのイラストつきでレポート! 笑いと学びのつまったコミックエッセイです。今回取り上げるのは、これまで生理用品にかかっていた5%の付加価値税が廃止されたニュースについて。「市民の声が世界を変えることができる」実例から、声を上げ続けることの重要性を言及。

ビッグニュース!生理用品の付加価値税が廃止に

みなさん、いかがお過ごしですか?

イギリスはまだまだロックダウン真っ只中。カフェもレストランもパブも閉まっていて、誰かのお家に遊びに行くのも禁止。あぁ、友だちが恋しい……。

なんだかつい暗い気持ちになってしまうような日々ですが、年明けにこんな明るいニュースがありました。

なんと今年の1月1日から、イギリスでは生理用品に税金がかからなくなったのです! いえい!

多くの人々に祝福されたこの改革、実は「生理用品に税金がかかるのって、おかしいよね」と思う市民たちが連帯し、みんなで声をあげたからこそ起こった改革でもあるのです。

時代は20年以上前に遡ります。

その頃のイギリスは、生理用品などの衛生用品に17.5%の税金がかかっていました。しかし2000年に労働党議員のドーン・プリマロロ氏が、衛生用品にかかる税金を5%に減らすキャンペーンを成功させ、生理用品も5%に引き下がりました。

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税金は下がったものの、「そもそも生理用品は、生理のある人にとっては必需品であり、“非必需品のラグジュアリーなアイテム”に分類されているのはおかしい。非課税にすべきだ」という市民の声は、その頃からあったそうです。けれどルールはとくに変わらないまま月日は流れーー。

2014年のこと、当時まだ学生だったフェミニスト活動家のローラ・コリートン氏が立ち上がり、「Stop taxing periods, period(生理に課税する時代の停止)」というキャンペーンをオンライン上で始めたのです。

そこで、ローラは「このルールは非論理的で性差別的だ」「ヘリコプターや自家用ジェット機の整備費、ジャファケーキと呼ばれるチョコレート菓子、ワニやカンガルーなどのお肉は非課税扱いなのに、生理用品は非必需品のラグジュアリーなアイテムに分類されるのはおかしい」と訴えました。いや、ほんと、たしかに。おかしい!(笑)

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このキャンペーンは多くの賛同を集め、32万人以上の署名が集まったといいます。

これをうけ、当時の首相デイビット・キャメロン氏も賛同の意を表明し、イギリス議会は、2018年4月までに生理用品への課税を廃止することを約束しました。しかし、EU加盟国に最低5%の付加価値税率を課すEU法がある事を理由に、実現が叶いませんでした。

それでも市民は新たな署名活動を立ち上げたりと、諦めずに声を上げ続け、ついに2021年1月1日、EUから正式に離脱するタイミングで生理用品の課税が廃止されたのです!

ひとりの女性が声をあげた事がきっかけで、長年変わらなかった不公平なルールが変わった!

さらに昨年1月には、経済状況が理由で生理用品が買えず学校をスキップしてしまう生徒が多い問題に対し、生理用品を学校で無料配布するべきだという活動家 アミカ・ジョージ氏によるキャンペーン「Period Poverty」も、官邸前での座り込みプロテストなどの粘り強い活動の結果、4年ごしに実現しています。

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市民が行ったキャンペーンをきっかけに、イギリスはたった数年間で生理用品に税金がかからなくなり、学生は無料で手に入れられるようになった!

この一連の出来事は、「声をあげれば世界を変えられる事もあるんだな」という前向きなパワーをくれました。「いち市民の私が声をあげたところで、世界はどうせ変わらない」「政府は自分の意見なんて聞いてくれない」みたいな気持ちについついなってしまいそうな世の中ですが、SNSがこんなにも普及している今、これまで注目されづらかった人々の声にもちゃんとスポットライトが当たるようになり、賛同も集まりやすくなっている。より多くの人々と協力をしてムーブメントを起こしやすくなっている。そう思うのです。

日本でもまだまだジェンダーに関する不平等な事、というかジェンダーに限らず、色々な問題が山積みです。

「これおかしいよね?」「これは不平等だよね?」と思った時に「こういうものだから変わらない」と最初から諦めてしまったら、もうそれはずっと変わらないままです。

実は結構世の中って変わるもの。100年前なんて女性が参政権を持てるなど誰も想像もできなかったかもしれません。けれど多くの人々の粘り強いプロテストのおかげで、今、女性たちは選挙権を持つことができている。

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今ある社会のルールは永久不変のものではないし、今を生きる人々のために常にアップデートされるべきです。

だから私たちも、何かおかしいと思ったらどんどん声をあげていこう!

大丈夫、我々には思ったよりもパワーがあるはず! 最近本当にそう思います。

追伸。日本でも「生理用品を軽減税率対象に」という署名運動やっていますね。よし、署名じゃーー!

イラスト・文/クラーク志織 編集/大森奈奈

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