成長が早い息子は、オムツが外れるのも早いかも?
母子手帳に書いてある目安の時期より、歩き出すのも早く、言葉を話し出すのも早かった息子。「これはオムツもすぐに外れるかも!」と期待して、1歳の夏からトイレトレーニングを始めました。まさかそれから3年近くかかるとは思いもよらず…。
トイレトレーニングを始めた1歳のころは、息子もトイレが物珍しかったのか、誘うと応じてくれることもありました。ほぼトイレですることはなかったけれど、たまに成功することもあったので、私もまだ気持ちに余裕があり、「まだ1歳だし」と焦らずのんびりやっていこうという心境でした。
「春や夏など暖かい季節だとオムツを外しやすい」と聞いたことがあったので、息子が2歳になった夏、本腰を入れてトイレトレーニングを開始しました。ネットや育児書の情報を調べては、ごほうびシールを用意してみたり、濡れた感覚が分かりやすい種類のオムツに変えてみたりしました。しかし、トイレに誘っても「まだ行きたくない」と言った直後に「出たー」ということもあり、思ったようにはいかず…。そしてオムツが外れないまま2歳の夏は終わってしまいました。

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幼稚園の面談でトイレのことを聞かれドキリ
息子は秋生まれのため、3歳になるころに入園を希望する幼稚園の面接がありました。
入園の申請書類の質問事項に「トイレは自分で行けますか?」とあってドキリ。面接のとき「まだオムツが外れていないのですが…」とおそるおそる伝えると、園長先生は、「毎年、入園時にまだオムツの子はいるので、一緒に頑張っていきましょう!」とやさしく言ってもらえてほっとしたのを覚えています。

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幼稚園入園後もトイレトラブルは続き…
結局、入園までにオムツは外れなかったので、幼稚園にはオムツをはいて通い始めました。幼稚園でも先生方はタイミングを見てトイレに誘ってくれていましたが、息子は事あるごとに脱走。ある雨の降る日にいなくなり、園舎の裏手に隠れて雨に濡れながらこっそり用を足していたこともあったようです。
自宅ではできるだけオムツではなく下着をはいて過ごさせようと頑張っていました。息子の好きそうな柄のトレーニングパンツを用意して、もし漏らしてしまっても叱らないように…と心がけていました。
しかし、息子は濡れている感覚にも気づかないのか、よくソファに座って漏らしたまま大好きなテレビに見入っていました。何度も同じことを繰り返すのでつい感情的に叱ってしまうこともあり、自己嫌悪に…。

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このころ、周囲がトイレに誘うたびに、息子はトイレに行くのを嫌がるようになってしまいました。便意を感じると決まって机の下に潜り込むのですぐ分かるため、「トイレでしょう?一緒に行こうよ!」と声をかけても怒り出して嫌がる。どうしたらいいのか分からず途方に暮れてしまいました。そして、幼稚園でまだおむつをしている子どもは、ついに息子だけに…。せっかく用意したトレーニングパンツも役に立たないままサイズアウトして、このまま4歳になってしまうのか…とため息が出ました。
年少の2学期、幼稚園から1本の電話が…
そして2学期が始まって早々、幼稚園から電話がありました。それはトイレのことではなくーー「息子さんが幼稚園でたびたび癇癪を起こして暴れ、手のつけられない時間がある。自治体による心理士の保育所巡回で、『加配の先生をつけた方がいい』というアドバイスがあった」という内容でした。
幼稚園からの報告にショックを受けましたが、保育のプロの目から見ても息子には特別な支援が必要なのだという事実に「息子の発達の遅れは、私の育児のせいではなかったんだな…」とほっとした自分もいました。
そして、母親である私が療育の申し込みなどで忙しく、オムツ外しどころではなくなってしまったのが幸いしたのか?幼稚園に加配の先生が来てくれて落ち着いたのか?理由は分かりませんが、息子は4歳の誕生日の直前で急に「出る前」に言葉で伝えられるようになりました。

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夜のおむつが外れるのにはもう少し時間がかかりましたが、小学生になった今は、おねしょをすることもなくなりました。しかし、今でもギリギリまでトイレに行かず、自宅にいても間に合わないこともしばしば…。
息子の発達ペースを大切に
まだ息子の特性を知らなかったときは、世間一般で言われている「オムツが外れる時期」にとらわれて躍起になっていたけれど、同級生と足並みはそろわなくても、息子には息子の発達のペースがあるということが分かった出来事でした。これからも周りと比べることなく、息子なりの成長を喜び、応援していきたいと思っています。
イラスト/カタバミ
エピソード提供/あかクレヨン
(監修:鈴木先生より)
オムツが取れないお子さんはトイレトレーニングが基本ですが、決まった時間になったら一緒にトイレへ行くなどこまめな工夫が必要です。トイレへ入るのが嫌なお子さんも多いので、まずはトイレのドアノブを触るところから始めていきましょう。そして今度はドアを開けて中をのぞく、次は入るだけ、その次は便器に座るなどスモールステップで徐々に慣れさせていきましょう。
お子さんの好きなキャラクターの絵やグッズを置いたり、暗いトイレを明るくしたりする工夫も大切です。一つひとつできたら褒めてシールを貼るなどトークン法も利用しましょう。あせらず怒らずお子さんのペースでいいと思います。
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コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
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