硬膜下血腫から復帰をめざす元世界王者に手渡した絵馬 書いた言葉は

硬膜下血腫から復帰をめざす元世界王者に手渡した絵馬 書いた言葉は

  • 朝日新聞デジタル
  • 更新日:2022/01/15
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"真正ジムの必勝祈願で湊川神社を訪れた山中竜也さん(中央)。左は久保隼、右は与那覇勇気=神戸市中央区"

志半ばでリングを去ったプロボクシング元世界王者が、再起をめざす1年が始まった。

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元世界ボクシング機構(WBO)ミニマム級王者の山中竜也(りゅうや)さん(26)が15日、真正ジムの選手たちと神戸市中央区の湊川神社を訪れ、必勝を祈願した。

「今年はこれまでより緊張感がありますね。2、3年以内には世界チャンピオンになりたい」

昨年の必勝祈願にもOBの立場で参加していた。その時は、現役復帰への思いを胸に秘めていた。今年は堂々と、ジムの一員として姿を見せた。

山中さんは2018年7月の2度目の防衛戦で敗れ、その後に硬膜下血腫の診断を受けた。頭蓋(ずがい)内出血が認められた選手のライセンスは自動失効するというのが、当時の日本ボクシングコミッション(JBC)のルールだった。まだ23歳だった。

一時は試合ができる海外での復帰も思い描いていた。

昨年1月、頭部のMRI検査を受けると、頭蓋内の出血は消えていた。この検査結果をもとに、真正ジムの山下正人会長(59)が国内復帰の可能性を探った。

JBCに働きかけ、昨年12月に新たな規定ができた。試合前後のMRI検査で問題がないことなど、一定の条件を満たせばライセンスが再発行されることになった。JBCは山中さんに適用されると認めている。

■3年半ぶりの試合決定

この日、復帰戦の舞台と相手が発表された。3月6日に神戸市立中央体育館で、三迫ジム(東京)の須藤大介(26)と対戦する。須藤の戦績は7勝8敗3分け。日本ランキングには入っていない。

山中さんは慎重を期して2月に改めてMRI検査を受けるという。さらに、3月の復帰戦の1週間前にも検査を受ける。これらで問題がなければライセンスが再発行される見込みだ。

山中さんにとっては3年半ぶりの試合になる。すでに須藤の試合映像もチェックしたという。

「ガンガン(パンチを)振ってくるファイター。しんどい試合になるかもしれない。練習では手応えがあるので、それを試合で出せるように」

■慎重に調整を続ける

元世界王者の実績があり、早期の世界ランキング復帰に期待がかかるが、担当トレーナーでもある山下会長は慎重だ。

「1戦でも早く世界戦に持っていけるように努力するけど、それも3月6日の試合内容次第。練習の動きは前回よりもいいくらい。あとは実戦勘」

試合前後にもMRI検査が課されるため、かつては週3回だった実戦練習(スパーリング)も、今回は週2回にとどめるつもりだという。

階級は以前より1階級上げたライトフライ級(約49キロ以下)で、世界2階級制覇を目指す。

必勝祈願を終えた山中さんに絵馬を手渡し、この1年への思いを書いてもらった。

「全勝」「油断せず良い勝ち方をする」

ボクシングの栄光も恐怖も知る男は、神妙な表情でペンを走らせた。(伊藤雅哉)

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