妻の行動を、24時間スマホで監視していたら...。夫が激しく動揺した、彼女の居場所とは

妻の行動を、24時間スマホで監視していたら...。夫が激しく動揺した、彼女の居場所とは

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  • 更新日:2020/10/24

「一人のひとと、生涯添い遂げたい」。結婚した男女であれば、皆がそう願うはずだ。

しかし現実とは残酷なもので、離婚する夫婦は世の中にごまんといる。だが人生でどんな経験をしたとしても、それを傷とするのかバネとするのかは、その人次第。

たかが離婚、されど離婚。

結婚という現実を熟知した男女が、傷を抱えながら幸せを探していくラブ・ストーリー。

◆これまでのあらすじ

バツイチの友梨は、再婚するはずだった年下カレに浮気を告白され、絶望する。

一方、離婚予定だった将人は、別居していた妻・真由子にずっと監視されていたと気づいてしまい…。

▶前回:「まさか妻が、1年前からこんなコトを…」別居中の妻が、夫に秘密でしていた行為とは

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自宅のマンションで、将人は呆然としていた。さっきからずっと、混乱が収まらない。

―俺のスマホの位置情報を、いつからか真由子も共有する設定になっていた…。

今ここにいる別居先の住所も妻には教えていない。だが彼女はすでに把握しているのだ。

将人はウソが嫌いであり、不器用でも正直に生きたいと考えてきた男だ。

それはもちろん真由子に対してもそうで、妻に対してウソをつくことはなかったし、自分の気持ちを正直に話してきた。

真由子も当然そうだと思っていた。

ウソもなければ後ろめたいこともなかった将人は、スマホのパスワードを結婚記念日にし、それを真由子に教えていた。それがこんなことに使われるなんて思いもしなかった。

真由子はいつも笑顔で、将人のすべてを受け入れた。「別居したい」と告げた時すら笑顔で包んでくれた。

しかしその笑顔に、将人はいつしか違和感を抱いた。無意識のうちに、真由子の笑顔の裏にある本性に気づいていたのかもしれない。

―でも、それでも…。

明らかとなった疑念と、15年間を共に歩んできたパートナーを信じたい気持ちがせめぎ合う。

「真由子に直接、聞くしかない」

将人は独り言を呟いた。自分自身を奮い立たせるために。

妻に監視されていた男が、やり始めたまさかの行動とは…。

真由子を問い詰めようとしたが、スマホで彼女の連絡先を開いたまま、手は固まっていた。

勇気が出ないのだ。

別居したいと伝えた時も、自ら言い出したとはいえ、「いつか元に戻れるかも」という希望があった。しかし今、真由子の本性を問い詰めるようなことをすれば…。

―離婚は間違いない。共に歩んだ15年すべてが消える。

将人は落ち着きなく歩き回り、リビングにある椅子に腰掛けた。硬い椅子の感触が将人の重みを力強く押し返す。

今まで、何かが起こったらその都度話し合うことが解決につながると思っていた。だが、そうしてきた結果がこれじゃないか。

―今のままでは何も変わらない。

このままではいけない。何かを変えなければ。

―でも何を変える?どうやって変える?

自問自答を繰り返し、ぐるぐると考えあぐね、やがてある一つの結論にたどりつくと、将人はポツリと呟いた。心の声が独り言となって漏れる。

「結婚生活には、ウソと妥協は必要不可欠なんだ」

今までの将人の生き方とは真逆の発想だ。しかしどういうわけか、その考えが今の将人にはしっくりきた。

そもそも将人は“銀行の営業”という仕事をしている。そこでは、清濁併せ呑む器量を求められてきた。世の中、シロかクロだけではない。グレーでもいい。

仕事で学んだことを、プライベートで生かすだけ…。自分に言い聞かせ、将人はこの夜から真由子のスマホの位置情報を監視するようになった。

夫婦で共有する設定になっていたのだ。自分が見られていると同時に、相手を見ることもできる。

他人に説明を求められたら、何と答えていいか自分でも分からない。なぜだかは分からないが、どういうわけか監視妻をこちらが監視したい気持ちになってしまうのだ。

―まるでニーチェだな。

深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いている。

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その夜を境に将人はたびたび、真由子のスマホの位置情報をチェックするようになった。

1年ぶりのディナーで話に出たとおり、余暇時間の増えた真由子は頻繁に都内を散策しているらしい。

何度かラグジュアリーなホテルにいるのが確認され、ああ、真由子らしいな、と思った。彼女は上質な空間が好きで、付き合っている時や結婚してからも何度も一緒にホテルのラウンジにお茶をしに行った。

今の東京では、新旧様々なホテルが趣向を凝らし、競い合っている。きっと真由子は大好きなアフタヌーンティーを堪能しながら、読書でもしているのだろう。

ただ、妻の行動が目に浮かんでも、以前のように微笑ましく感じることはなかった。どこか冷めた目で監視を続ける自分がいた。

その日、将人は来客との兼ね合いで昼休みが取れたのが15時すぎだった。

オフィスに入ったビルの玄関先にあるコーヒーチェーン店。一人きりで着席すると、自然とスマホを開く。すっかり真由子のスマホの位置情報を確認する癖がついていた。

だがこの時ばかりは、それをチェックした途端、サーッと血の気が引いていくのが分かった。

―真由子が近くにいる。

将人は思わず周囲を見渡した。しかし彼女はいない。

再び視線はスマホに戻る。将人の職場付近の地図の上を、真由子はゆっくりと移動し、やがて遠ざかっていく。

―どこに行くんだ?

真由子が向かった先、そこには友梨の勤めるホテルがある。

いつものホテル巡りなのか。あるいは…。

将人は、なぜだか嫌な予感が止まらなかった。

友梨のホテルに向かう真由子。彼女は一体、何をやらかす…!?

時刻は16時を過ぎていた。チェックインのラッシュが過ぎ、ホテルのフロントには柔らかい空気が流れている。

「ふ~っ」

友梨は同僚たちに気づかれぬよう、小さく息を吐いた。

とはいえ、まだ宿泊客はやってくる。今は束の間の休息に過ぎない。もう一度気合を入れて、閉じた目を大きく見開く。

結婚を約束していた駿と、彼の浮気癖が理由で別れて以来、友梨はずっと忙しくしていた。

プライベートでも予定を詰め込んでいたのは、何も考えたくなかったからだ。慌ただしい中で時間が過ぎ、心の傷が癒えていくことを望んでいた。

ひとりの宿泊客が、まっすぐにこちらに向かって歩いてくる。

友梨は接客のプロとしての笑顔を作る。

その女性客は、ハッと目を引く美貌の持ち主だった。だが、どこか刺々しさを感じた。

―宿泊のお客様ではない。

長年のホテル勤めで培った経験から、友梨は瞬時にそう判断した。クレームだろうか。思わず身構える。

その女性は、こちらをしっかりと見据えて歩いてくる。友梨のことを知っているようだ。しかし友梨には心当たりがない。誰かに似ている気がするけれど、思い出せなかった。

「あなた、尾形友梨さんよね?」

そう聞かれた声に、聞き覚えがあった。

「もしかして、真由子先輩ですか……?」

思い出すのに少々時間が必要だったが、14年ぶりに会う美術部の先輩は、あの頃と変わらず美しいままだった。むしろ年齢を重ねて色気が増し、よりいっそう魅力的になったように感じる。

高校のヒロイン的存在で、同年代の憧れの的であった真由子だが、今は年代を問わずに男性からのアプローチを受けることだろう。

「うちの夫が最近、尾形さんにお世話になっているようね」

続けざまに発した真由子の言葉に、友梨は戸惑った。

「…えっ?」

真由子に近しい人の世話をした記憶などない。14年ぶりに会う先輩が、どうして自分にこんなに怒りのこもった目を向けるのかもわからない。

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「とぼけるのはやめて」真由子の口調が強くなる。「大友将人をよく知っているでしょう」

「大友くんなら、この間のリモート同窓会で会いましたけど」

「その後も2人で食事してたわよね?」

「ええ、ランチに一度…」

「それをやめてほしいのよ。ウチの夫を食事に誘うのはやめてくれって言ってるの」

やっと状況を理解する。同時に友梨は目をむいた。

「大友くんの奥様って真由子先輩だったんですか?!」

ただならぬ雰囲気が周囲に伝わり始める。同僚たちが聞き耳を立て、一気に注目を浴びてしまう。

真由子の射るような視線と、同僚たちの好奇の目に耐えられなくなった友梨は、上司の許可を得て、休憩を貰った。

ホテル敷地内にあるベンチへ真由子を連れていき、座るように促したが、彼女は座らなかった。

「ゆっくり話すつもりはないから」

真由子の口調はさらに強くなった。

「将人の不倫相手と話すことなんてない」

友梨は耳を疑った。しかし、こちらを冷たく睨みつけてくる真由子の目がすべてを物語る。

―真由子先輩は、大友君と私が浮気してるって誤解してるんだ…。

すぐに弁明しようとした。だけど出来なかった。なぜなら…。

バシンッ!

友梨はその頬を、真由子の右手に張られていた。

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