ASUS「NovaGo」、HP「Envy x2」ハンズオン:スマートフォンのチップでWindows PCが動く! バッテリーライフは3倍にも

ASUS「NovaGo」、HP「Envy x2」ハンズオン:スマートフォンのチップでWindows PCが動く! バッテリーライフは3倍にも

  • ギズモード・ジャパン
  • 更新日:2017/12/07
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Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

PCの常識が変わるかも!

スマートフォン用プロセッサSnapdragonの開発元・Qualcommから、Snapdragon 835上で動くWindows PCが満を持して発表されました。「Windows on Snapdragon」として発表されたデバイスは、ASUSのNovaGo、そしてHPのEnvy x2です。米GizmodoのSam Rutherford記者がその両方にハンズオンしているので、その使用感などを以下、お伝えします!

これまでMicrosoftなどは、IntelやAMDといったx86アーキテクチャでないチップでWindowsを動かす方法を検討してきました。具体的には、スマートフォンやタブレットなどで使われているARMベースのチップを使うことで、プラットフォームをモバイルデバイスメーカーにまで開放し、以前より手頃なラップトップを実現できるのではないかと期待されています。

Microsoftの最初の試みは初代SurfaceのWIndows RTでしたが、それは大失敗に終わり、プラットフォーム全体が沈没するかと思われました。それ以来このトピックはだいたい忘れられていましたが、2016年12月、MicrosoftがQualocmmとのパートナーシップを発表しました。彼らは、Androidスマホと同じSnapdragonで動くWindows 10を、2017年中に公開すると宣言したんです。そしてその発表からほぼ1年経った今、本当にSnapdragonでWindowsが動くコンピュータが発表されました。

Windows on Snapdragonって何?

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Image: Qualcomm

Windows on Snapdragonは短く言うと、x86じゃなくARMで、いつものWindows 10を動かせるってことです。ってそもそもx86とかARMとか何かっていうと長い話になりますが、これらはコンピュータのアーキテクチャ(設計)の種類のことで、今までパソコンはx86ベース、スマートフォンとかタブレットはARMベース、という住み分けがあったと理解していただければよいかと思います。

初めてWindowsパソコンに搭載されるARMチップはQualcommのSnapdragon 835で、Galaxy S8やPixel 2、OnePlus 5に搭載されているのと同じものです。Qualcommの人いわく、Windows on Snapdragonのテスト中にはまだ次世代チップの開発途中だったので、そのときには互換性が完全には確認できていなかったそうです。

違うアーキテクチャをサポートするなんて大したことなさそうに思えるかもしれませんが、これによってWindows 10が使えるデバイスの裾野が広がって、今までWindowsと縁がなかったチップメーカー、ラップトップメーカーがWindows 10デバイスを作れるようになります。すると長期的には競争が進んで、Windowsコンピュータの価格が下がることにもつながります。それだけでも良い話っぽいですが、メリットはこれだけじゃありません。

Windows on Snapdragonのメリット

Windows RTはより手頃なWindowsデバイスを目指していましたが、最初のSnapdragon Windowsデバイスは800ドル(約9万円)以上の価格帯になりそうで、従来のx86パソコンより特に安くはありません。その代わりとなるWindows on Snapdragonの大きなメリットは、バッテリーライフが長くなること、常時オンの4G LTEモデム内蔵でネット接続しやすいこと、ファンレス設計で静かなこと、などです。

Qualcommいわく、ARMチップは従来のx86チップより物理的に小さいので、Windows on Snapdragonは温度が上がりにくく、よってピーク性能もより安定すると言っています。またマザーボードも物理的に小さくなるので、その分バッテリーを大きくできるそうです。たしかに、スマートフォンの中身を取り出してラップトップに詰め込んだとすると、スペース的にはかなり余裕ができそうです。

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Image: QualcommQualcommいわく、Windows on Snapdragonは25時間以上連続使用可能(!)です

特にバッテリーライフに関しては、今までのラップトップで1時間、2時間延びて喜んでたのとは別次元の長さになるかもしれません。QualcommによればWindows on Snapdragonのデバイスは連続25時間以上使用可能だそうで、従来の2倍、3倍というレベルです。ただそれが本当に実現するのか、実現したとしても他の動作は問題ないのか、今後テストして判断したいです。

デメリットはないの?

Windows on Snapdragonのデメリットではっきりしているのは、ベースの計算能力が相対的に低いことです。Qualcommいわく、たいていのこと(Webサーフィンや動画再生、一般的な文書編集や表計算など)に関しては、Snapdragon 835はx86と同じくらいのパフォーマンスだそうです。Qualcommは、IntelのCore iシリーズのチップでいうとSnapdragonがどのへんなのか、はっきり言ってくれなかったんですが、多分Core i3とCore i5(ローエンド〜ミッドレンジ)の間くらいだろうと思われます。

なので本格的なPCゲームとか3Dモデリング、写真・動画編集といったヘビーなタスクに関しては、従来のIntelとかAMDのチップがまだまだ強みを持っています。つまり、既存のx86パソコンを想定したアプリをたくさん使っていて、IntelのCore i7みたいなハイエンドの処理能力を求めている人には、Windows on Snapdragonは物足りないはずです。でも、普段WebサーフィンしたりPowerPointで資料作ったりGoogle Docsみたいなクラウドアプリを使ったりしていて、持ち歩きやすさを重視する人なら、ARMベースのラップトップは検討の価値がありそうです。

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Image: QualcommWindows on Snapdragonと他のシステムで、一般的なWindowsアプリの立ち上げとインストールにかかる時間をQualcommがまとめたもの

それから、Windows on Snapdragonの仕組みに根ざした問題もあります。Microsoftストアのアプリはもともとx86とARM両方で動くようにデザインされているので、それらに関しては問題ありません。でも古くからあるx86アプリ(これをQualcommは「レガシーアプリ」と言ってます)は、エミュレータを通して動くことになります。そのせいで特にインストールではつまずいていて、上のグラフにあるように、VLCやSkype、Adobe Readerといったアプリのインストールには10〜30秒余計にかかっています。でもエミュレーション自体はバックグラウンドでユーザーに意識させずに動くはずなので、バーチャルデスクトップを設定するとか、macOSのBoot Campみたいなものをインストールするとか、そういうことを気にする必要はありません。

どんなデバイスなの?

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Image: Sam Rutherford/Gizmodo USHPのEnvy x2はSurface Proのクローンですが、プロセッサがSnapdragon 835です

今発表されているWindows on Snapdragonデバイスはどれも2in1タイプで、たとえばヒンジが360度回転するAsusの13インチのNovaGoとか、Surface Proみたいにキーボード部分が分離するHPのEnvy x2とかがあります。Lenovoも今年Windows on Snapdragonデバイスを作ると言ってたんですが、実際出てくるのは2018年第1四半期になりそうで、でも1月初めのCESでは何かしら見られるかもしれません。

使ってみてどう?

正直言って、普通のWindows 10のPCとほぼまったく同じです。もちろん、良い意味で。タスクマネージャとかシステム情報を見ない限り、Snapdragonで動いているのか、x86で動いているのか見分けられないと思います。

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Image: Sam Rutherford/Gizmodo US従来のWindows 10のタスクマネージャとはちょっと違いますが、普段の使用感はほぼ同じです

今回AsusとHPそれぞれのラップトップにハンズオンして、x86のソフトウェアもMicrosoftストアのUWP(Universal Windows Apps)もそれぞれインストール、起動したのですが、どちらも思った通りの動きでした。NovaGoでもEnvy x2でもファンの音がしないので、静かに作業したい人にはうれしいオマケです。とはいえx86のラップトップにもファンレスのものはたくさんあるので、Windows on Snapdragonの特長というわけじゃありません。

いつから買えるの?

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Image: Sam Rutherford/Gizmodo US左がHPのEnvy x2、右がAsusのNovaGo

価格や発売日は正式発表されていませんが、HPのEnvy x2もAsusのNovaGoも、発売は来年の春で、価格は800〜1000ドル(約9〜11万円)とされています。AsusのNovaGoはスクリーンが13.3インチ、RAMは8GB、ストレージは256GBで、デザイン的にクラシックな2 in 1なので、価格は800ドル(約9万円)に近い方だと予想されます。一方HPのEnvy X2はRAMとストレージの大きさは同じですが、Windows Ink認証済みペンと、折りたたみ式キーボードが付属してくるので、1000ドル(約11万円)寄りになると思われます。ひとつ引っかかるのは、どちらもデフォルトではWindows 10 Sがインストールされてることですが、無料でフルのWindows 10にアップグレード可能です。

Image: Sam Rutherford/Gizmodo US, Qualcomm
Source:HP,ASUS
Sam Rutherford - Gizmodo US[原文

(福田ミホ)

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