キプロスの首都ニコシアの旧市街が境界線で分断されている理由とは?

キプロスの首都ニコシアの旧市街が境界線で分断されている理由とは?

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  • 更新日:2017/09/16

旧市街で昔ながらの石畳を歩く

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ヴェネツィア時代に造られた城壁にある3つの門のうち、もっとも大きなファマグスタ門。現在はカルチャーセンターになっている。

キプロスの首都ニコシアは、島の中央からやや北東よりの内陸に位置する。「ニコシア」は英語の発音で、ギリシャ語の発音では「レフコシア」となる。新石器時代には人が住んでいたという歴史ある町だ。ヴェネツィア時代(16世紀)に造られた城壁があり、その内側は古い町並みが残る旧市街となっている。

また、ニコシアは、世界で唯一、町の中心が分断されている首都だ。四国の半分程度の面積の島国、キプロスは、1960年に共和国として独立を果たした。ところが、1974年に起きたギリシャ系住民のクーデターを機にトルコ軍が侵攻し、島の北東約3分の1を「北キプロス・トルコ共和国」と称して支配してしまったのだ。

キプロス北部を国として認めているのはトルコだけとなっている。ギリシャ系住民とトルコ系住民の居住区にはグリーンラインと呼ばれる境界があるものの、2008年からは自由に行き来ができるようになった。

旧市街の南側を歩いてみた。特にライキイトニアと呼ばれる一角は、19世紀から20世紀初頭の石畳と古い家並みが多く残されていて風情がある。この日は小雨がぱらついていたので人出は少なかったが、裏路地にはテラスにテーブルを出して客待ちしているカフェ、土産物を売っている露店などが並び、温かい雰囲気が感じられた。

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旧市街のリドラス通りは、大きなショップやカフェが並ぶメインストリート。この道の先にクロスポイントがある。

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リドラス通りの周囲には、小さな店が軒を連ねるかわいい路地がたくさんある。

旧市街のメインストリートであるリドラス通りは華やかだ。地元の買い物客でにぎわうファッショナブルな大型ショップが並び、カフェでは大勢の人々がおしゃべりに興じている。

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左:テラス席がずらりと並ぶレストラン。看板には「グリル・メゼ」と書いてある。東地中海の名物料理メゼの店だ。右:裏路地には道端に台を置いて土産物を売る小さなお店も。

城壁側からリドラス通りを歩いていくと、右側に「H&M」のショップがある。このビルの11階にあるのが、有料の展望台シャコラス・タワーだ。入り口はH&Mに向かって右の角を曲がった先。

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シャコラス・タワーがあるのはH&Mのあるビルの11階。

展望室からは360度の風景を一望でき、ニコシアの町はもちろん、グリーンラインの先のモスクや遠くの山々まで眺めることができる。

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グリーンラインの先の右手にモスクのミナレット(塔)が見える。2本の塔の間の三日月形のものはガラスの写り込み(ごめんなさい!)。

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展望窓の手前にはタッチパネルのモニターがあり、主要な建物の説明を表示させることができる。

ふたたびリドラス通りに戻り、まっすぐに歩くとグリーンラインを越えることができるクロスポイントがある。トルコの文化に触れたい場合はパスポートを携帯しておこう。

キプロス博物館で 古に思いを馳せる

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キプロスの歴史を知ることができる「キプロス博物館」。

旧市街を囲む城壁の西側にある「キプロス博物館」は、キプロス最大の博物館だ。20世紀初頭のイギリス植民地時代に建てられ、その後も展示品が追加されてきた。

紀元前7000年頃の新石器時代のものから、7世紀のビザンティン時代前期のものまで、キプロスの約1万年もの長い歴史を物語る貴重なコレクションが展示されている。

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貴重なコレクションを間近で見ることができる。

地中海東端の海上交通の要衝に位置するキプロスは、様々な国々に支配された歴史のなかで、東西の文化の影響を受けてきた。キプロス各地の貴重な出土品は国外に流出したものも多いが、この博物館では壺、アクセサリー、彫刻、コイン、青銅製品などが、時代ごとに展示されている。

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左:紀元前3000年頃の遺跡から発掘されたポモスの偶像。順路の最初の部屋にある。右:古代ギリシャの陶器コレクションも充実している。

小さな展示ながら、紀元前3000年頃の遺跡から発掘されたポモスの偶像は、キプロスの硬貨の図柄にもなっている貴重な展示品。両腕を広げた女性を模していて、豊饒や多産を願ったと言われている。パフォスで催された「欧州文化首都」のオープニングセレモニーでもステージ後方に巨大なポモスの偶像が演出されていた。

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館内のハイライトのひとつ、テラコッタの武人像。圧巻だ。

紀元前12~11世紀に作られたテラコッタ(素焼き)の武人像がずらりと並ぶ展示室はかなりの迫力。今から3000年以上前に、地中海の島国キプロスにこのような文化があったことは驚かされる。

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左:キプロスで生まれたとされているアフロディーテ(ビーナス)の大理石像。紀元前1世紀頃に作られたもの。右:煌びやかなアクセサリーは、華やかに着飾った古代の人々を彷彿とさせる。紀元前からビザンティン時代初期までのもの。新石器時代のものもある。

展示室の中央に子供用の休憩スペースが設けられていることにもびっくり。しかも顔ハメまで(笑)! ニコシアに滞在したらぜひ立ち寄りたい博物館だ。

Cyprus Museum(キプロス博物館)
所在地 1 Mouseiou Str., Nicosia
電話番号 22-303112
http://www.mcw.gov.cy/mcw/da/da.nsf/All/67084F17382CF201C2257199001FE4AD?OpenDocument

一日の終わりは キプロス産地ビールで

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「ピヴォ・マイクロブリュワリー」がある建物は1910年に建てられたもの。旧市街らしい雰囲気がいい。

夕食は、マイクロブリュワリー「ピヴォ・マイクロブリュワリー」へ。

ニコシアで最初のマイクロブリュワリーで、旧市街の一角、前述のクロスポイントにほど近い場所にある。1910年に建てられた建物内に、2015年10月にオープンした。屋内と中庭にテーブルがあり、ほぼ満席のにぎわいだ。

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こちらはテラス席。この日は寒かったので、屋内は満席だったもののテラス席は空いていた。

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店舗内にある醸造所はいつでも見学できる。4兄弟のひとりのクリストス(?)。4人のうちのクリストスとアレクシは双子なので、どちらか分からない(笑)。

経営するのはビール好きの4兄弟。彼らの前職は、数学者、科学者、プログラマー、アスリートと、かなりユニークだ。

小さなビール醸造所ながら、定番のボヘミアンピルスナー、ダークラガー、バヴァリアンヴァイス、イージーインディアペールエールの4種類のほかに、シーズンごと、年ごとのスペシャルビールなど、10種類以上のビールを造っている。料理もビールに合うものばかり。

Pivo “πίβο” Microbrewery
(ピヴォ・マイクロブリュワリー)
所在地 Asklipiou 36, 1011 Faneromeni, Nicosia
電話番号 22-377088
http://www.pivomicrobrewery.com.cy/

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「ザ・クラシック・ホテル」の外観。デザインがユニークだ。

ほろ酔いで辿り着いたのは旧市街の城壁のすぐ外側にある「ザ・クラシック・ホテル」。旧市街に近くて地の利がいいし、外観も内装もよくデザインされていて使い勝手がいい。

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朝食はこちらのレストラン「59ナイヴズ」で。

こぢんまりとした規模ながら、館内にはレストラン、バー、ジム、サウナ、ヘルス&ビューティセンター、ビジネスセンター(PC1台のみ)が完備している。57室ある客室内には無料のWi-Fiや、衛星放送が視聴可能なテレビ、ミニバー、コーヒー&紅茶セット、ヘアドライヤー、セイフティボックスなどが揃っていて快適そのもの。

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客室には大きな花の絵が飾られていて癒される。

館内のヘルス&ビューティセンターでマッサージを受けたいところだけれど、おいしいビールをいただいてしまったので、そのまま休んで次の日に備えることにした。

The Classic Hotel
(ザ・クラシック・ホテル)
所在地 94 Rigenis Str., 1513, Nicosia
電話番号 22-664006
http://www.classic.com.cy/

ニコシア観光局
http://www.visitnicosia.com.cy/

文・撮影=たかせ藍沙

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