take189「メッセージ」

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  • 更新日:2018/02/16

異星人遭遇の概念を変えた深遠なテーマを掲げる話題作

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「未知との遭遇」(77)を筆頭にこれまでも“人類と異星人の接触”はさまざまな方法を用いて描かれてきた。同じ系譜を受け継ぎつつも、このジャンルに新たな視点を持ち込んだことで高い評価を得た本作。第89回アカデミー賞で堂々8部門のノミネーションを受け、音響編集賞に輝いたホットな話題作の登場だ。

物語はSF小説界の各賞を総なめにしたアメリカの作家、テッド・チャンの短編「あなたの人生の物語」を基にしている。突如、地球上のあちこちに謎の球体型飛行物体が現れ、世界中がパニックに陥る中、言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)が“彼ら”が発信するメッセージの解読を試みることとなる。やがて、侵略か? 友好か? という類型を打ち破り、ある特別な能力に恵まれたルイーズを媒介にして、“彼ら”が抱える特殊な事情と、地球に飛来した目的、人類に対する提案がつまびらかにされていく。それは「ああ、これだったのか」と簡単に理解できるものではなく、「人生の意味」や「命の重み」そして「時間の定義」を改めて考えさせる深い問いかけなのだ。

“彼ら”が対話の手段として繰り出してくる、まるで墨で円を描くような文字は表義文字(セマグラム)と呼ばれるもので、劇中では全100パターン中71パターンが使われる。墨汁が滴るような東洋的な雰囲気、中に入ると徐々に縦と横の感覚があやふやになる球体型飛行物体内部の空間演出等、斬新な視覚効果がもたらす摩訶不思議な世界観はしばらく脳裏を離れない。

監督はSF映画の傑作「ブレードランナー2049」(17)を見事に再生したハリウッド期待の星、ドゥニ・ビルヌーブ。突き抜けた映像センスは「ブレード~」より、むしろこっちで本領を発揮した感ありだ。(日本での興行収入:4億円)

<映画うわさの真の相> ルイーズの娘の名前はハンナ=Hannah その意味は?

ルイーズは重い病を患う娘、ハンナとの記憶を引きずっている。それがいったいいつなのかという映画のテーマにも直結する問題の答えを表しているのは、ハンナ=Hannahという綴り。回文、つまり前から読んでも後ろから読んでも同じ単語・文字なのだ。ちなみに、共演のジェレミー・レナーのレナー=Rennerも回文なのはなぜか? 偶然だろうか??

Text=清藤秀人

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