Amazonビジネス書ランキング トップ20 2017年に読まれたビジネス書はこれだ

Amazonビジネス書ランキング トップ20 2017年に読まれたビジネス書はこれだ

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  • 更新日:2017/12/07

「Amazonランキング大賞2017」が発表された。Amazonでの販売データをもとに集計されたランキングだ。ベストセラーは現代の世相を反映している。「ビジネス・経済」カテゴリーのランキングを見てみよう。

(人物名は敬称略、出版社はAmazonの表記に準拠、価格は紙版の税込価格)

■ジャンル「ビジネス・経済」で売れた書籍 11〜20位

まず20位から11位まで。

20位 『まんがでわかる 7つの習慣』(フランクリン・コヴィー・ジャパン監修、宝島社、1080円)
19位 『日本会議の研究』(菅野完 、扶桑社、864円)
18位 『生涯投資家』(村上世彰、文藝春秋、1836円)
17位 『「学力」の経済学』(中室牧子、ディスカヴァー・トゥエンティワン、1728円)
16位 『鬼速PDCA』(冨田和成、クロスメディア・パブリッシング、1598円)
15位 『身近な人が亡くなった後の手続のすべて』(児島明日美・福田真弓・酒井明日子・児島充 、自由国民社、1512円)
14位 『はじめての人のための3000円投資生活』(横山光昭、アスコム、1188円)
13位 『まんがでわかる伝え方が9割』(佐々木圭一・星井博文・大舞キリコ、ダイヤモンド社、1296円)
12位 『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』(矢部宏治、講談社、907円)
11位  『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』(西野亮廣 、幻冬舎、1500円)

次にトップ10の書籍を詳しく紹介しよう。

■10位 『HIGH OUTPUT MANAGEMENT 人を育て、成果を最大にするマネジメント』−−起業家、経営者、マネジャーに向けた傑作

(アンドリュー・S・グローブ、日経BP社、1944円)

著者はインテルの伝説的CEOで、2016年3月に逝去したアンドリュー・S・グローブだ。後進の起業家や経営者、マネージャーに向けて、1983年に書き下ろされた傑作である。シリコンバレーの経営者を始めとして、経営者予備軍でもある幹部たちに長らく読み継がれ大きな影響を与えてきた。

FacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグ、経営学の第一人者である「マネジメントの父」ピーター・ドラッカーなど、多くの著名人が本書を絶賛している。実践的なアンディ・グローブの教えが、現代のベンチャー界隈でトップ・マネジメントやミドル・マネジメント層に受け売れられたのも頷ける内容である。

■9位 『人を動かす 文庫版』−−邦訳500万部突破の歴史的ベストセラー

(D・カーネギー、山口博、創元社、702円)

『人を動かす』は経営という枠を超えたD・カーネギーの名著である。初版は1937年。瞬く間に世界中でベストセラーとなった。あらゆる自己啓発書の元になったといわれている珠玉の本だ。邦訳500万部を超えるこの本がなければ、現在発行されている自己啓発書の大半がこの世に存在していたかどうかも疑わしいだろう。決して内容は古びていない。初版から、それぞれの時代に合わせて改良するなど、様々な改訂が成されている。

歴史上の人物や産業界のリーダー、一般人の逸話が散りばめられ、D・カーネギーの論点がとても分かりやすく解説されている。本書の最初に述べられている、人を動かす三原則「盗人にも五分の理を認める」「重要感を持たせる」「人の立場に身を置く」は今日からでも実践できる内容である。

■8位 『伝え方が9割』−−なぜ、伝え方で結果が変わるのか?

(佐々木圭一、ダイヤモンド社、1512円)

2013年3月に発売されてからロングセラーを続ける『伝え方が9割』。トーハン調べで、史上初の3年連続(2013年〜15年)ビジネス書年間ベスト10入りしている。著者はコピーライターや作詞家、上智大学非常勤講師など多くの肩書をもち、そんな自身の体験から発見した「伝え方」の技術が本書に綴られている。

「なぜ、伝え方で結果が変わるのか?」。

同じ内容であるのに、伝え方ひとつで得られる結果が変わってしまう。「伝え方で変わるのでは?」。誰もが何となく気付いていた疑問を考察し、わかりやすく体系化された内容は多くの読者に共感を呼んできた。「あなたのコトバが一瞬で強くなり、人生が変わります」。ビジネスの場に限らず、社会人として生きる上で日々の生活すべてに応用できる事柄が魅力的である。

■7位 『失敗の本質—日本軍の組織論的研究』−−多くのリーダーが愛読書に挙げる歴史的名著

(戸部良一・寺本義也・鎌田伸一・杉之尾孝生・村井友秀・野中郁次郎、中央公論社、823円)

旧日本軍の戦史を6名の専門家(歴史学や経営学など)が論じた研究書だ。「なせ?負けたのか」を社会学的なアプローチで深く踏み込んでいる。初版は1984年。1991年には文庫にて復刊された。『「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ』(2012発刊)などの入門書や、多くのビジネス書で取り上げられてきた1冊である。古典ともいえる題材だが、日本の企業組織にも通じる示唆が多い。

小池百合子都知事が座右の書として『失敗の本質』の名を出したことから再ブームとなった。サントリーホールディングスの新浪剛史社長、ブラザー工業の小池利和社長、三菱地所の杉山博孝社長、ハナマルキの花岡俊夫社長らが愛読書として本書を挙げている。

■6位 『究極の男磨き道 ナンパ』−−ビジネスにも通じるコミュニケーション能力を語るナンパ術

(零時レイ、BBR、1728円)

どのような道であれ深淵を極める道には、あらゆる道と共通する点がいくつも見受けられる。本書も例外ではない。5年間のひきこもりでコミュ障(コミュニケーション障害)を自認していた筆者がナンパの世界へ飛び込み、自らを実験台にして「本気でナンパすれば人生は変わるか?」を検証した3ヵ月のドキュメントである。本書では「ナンパは最強の自己啓発、人間を磨く手段である」と断言している。

「コミュニケーションの達人になれる」「ブレない最強のメンタル・行動力・自己管理能力が手に入る」「コスパ・時間効率を追求して経験を積める」「成功体験により人間力が積み上げられていく」「人並み外れたトーク力が身につく」「常に冷静沈着、落ち着き払っていられる」など。結果として、ビジネスの場でも勝ち組のスキルが得られることを実践している。

■5位 『生産性———マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの』−−「働き方改革」に一石を投じる

(伊賀泰代、ダイヤモンド社、1728円)

著者は2010年末までの17年間、マッキンゼー・アンド・カンパニー日本法人に在籍したキャリア形成コンサルタントである。本書では、現在の「働き方改革」で最も重視される事柄は「生産性」だと主張している。長時間労働や非正規と正規の格差是正など「会社がどう変わるのか?」という問題はさまざまな観点から論じられてきた。2016年には内閣総理大臣の私的諮問機関として「働き方改革実現推進室」が設置されている。

筆者は「生産性はイノベーションの源泉でもあり、画期的なビジネスモデルを生み出すカギ」だと、これまでにあったものとは異なる視点で「働き方改革」に対しての案を提唱している。2012年に筆者が、リーダーシップとはどうあるべきかを示した『採用基準』と合わせて読み込めば、より理解が深まるはずだ。

■4位 『サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福』−−全世界500万部突破の世界的ベストセラー

(ユヴァル・ノア・ハラリ 著 柴田裕之 訳、河出書房新社、2052円)

本書は48カ国で刊行され、全世界で500万部を突破した世界的ベストセラーだ。進化生物学者、生理学者、生物地理学者で、ピュリッツァー賞も受賞しているジャレド・ダイアモンドを始めとして、バラク・オバマ、ビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグなどの著名人が絶賛している。日本でも、2016年1月から2016年12月にかけて刊行された優秀なビジネス書に贈られる「ビジネス書大賞2017」を受賞した。

同賞は、書店員や出版社、マスコミの代表などが10作品をノミネートし、最終審査員による審査で大賞が選ばれる。幅広い層からの支持があったからこそ受賞に結びついたはずだ。作者のユヴァル・ノア・ハラリは1976年生まれのイスラエル人歴史学者である。本書は、ホモ・サピエンスの歴史を俯瞰することで、なぜ、ホモ・サピエンスだけが繁栄したのかを浮き彫りにしている。

■3位 『サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福』−−世界中の著名人が絶賛する新たな人類史

(ユヴァル・ノア・ハラリ 著 柴田裕之 訳、河出書房新社、2052円)

人類史の常識を生物学的アプローチから見事に覆し、現代の資本主義にある正体を解き明かす21世紀の重要な書物のひとつだ。多くの著名人が絶賛し、世界的なベストセラーとなっているのも頷ける項目が続いている。本書の切り口は斬新かつ明快だ。例えば、「弱きホモ・サピエンスが、どうして食物連鎖の頂点に上がり、文明を打ち立て、地球を支配するまでに至ったのか?」という命題に対して、ホモ・サピエンスの「虚構」を信じる能力にあると述べている。

国家、宗教、企業、貨幣、法律、自由などの概念はすべて実体のない虚構であり、虚構は見知らぬ者同士が協力することを可能にし、その結果として複雑な社会を形成し得たのだと。他にも知的な刺激を受ける、各章のタイトルが並んでいる。

■2位 『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』−−100年ライフの時代に新しい人生設計を提示した次世代必読の書

(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット 著 池村千秋 訳、東洋経済新報社、1944円)

未来の働き方を描いた『ワーク・シフト』の著者でもあるリンダ・グラットンが、ロンドン・ビジネススクール経済学教授アンドリュー・スコットと共著したのが『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』である。グロービス経営大学院、Forbes JAPAN、flier、HONZが共同で開催した「読者が選ぶビジネス書グランプリ2017」では1位に選ばれた。また、前出の「ビジネス書大賞2017」でも準大賞を受賞している。

本書の前提は100年ライフである。2107年には先進国で半数以上の人間が100歳よりも長生きするのだという。そんな100年ライフの時代には働き方や学び方、結婚、子育て、などの人生すべてが変わってしまうと警鐘を鳴らす。経済や経営だけでなく、国家から個人のライフスタイルまで言及した戦略は若い世代にこそ読んでもらいたい。

■1位 『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』−−少子高齢社会の現実をデータから予測した大ヒット新書

(河合雅司、講談社、821円)

日本の人口が減少していき少子高齢社会に進んでいくことは、大人の「常識」とされている。義務教育でも「常識」は大きな問題としてクローズアップされ、「知識」としては多くの国民が共通している認識である。だが「その実態を正確に知る人はどのくらいいるだろうか?」と本書では疑問を投げかけている。普段の生活において、人口減少の変化は実感するのは極めて微小であり、それゆえに人々は無関心に陥っていく。本書ではその点が問題の真の危機、「静かなる有事」であると定義している。

第1部では『未来の年表』の通り、時系列順に辛辣な項目が並ぶ。第2部は「日本を救う10の処方箋」として、現在できる事柄を挙げている。視点としては、アメリカの元副大統領アル・ゴアが「不都合な真実」で啓発した内容に近いかもしれない。これからの日本社会や経済をマジメに考えた、次世代必読の書だろう。

■ベストセラーは現代の世相を映す鏡

上位ベスト3には過去や現在を元に、新たな未来を提唱する本が入った。売れるには理由がある。著名人が絶賛するのにも、やはり理由があるはずだ。ベストセラーは現代のさまざまな問題を孕んだ世相を鮮やかに映す鏡である。本を読んですべての問題が解決するわけではないが、考える術になるだろう。次の時代を迎えるためにも、今が旬の本には目を通しておきたいところだ。(吉川敦、フリーライター)

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