「MRJ」と「あいち航空」ミュージアム開館 ── MRJ組み立て見学が人気

「MRJ」と「あいち航空」ミュージアム開館 ── MRJ組み立て見学が人気

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  • 更新日:2017/12/11

愛知県が航空機産業の情報発信拠点として計画した「あいち航空ミュージアム」が、県営名古屋空港(愛知県豊山町)にオープンした。同空港で初飛行した国産初のプロペラ旅客機として親しまれた「YS11」や、戦前の「零式艦上戦闘機(ゼロ戦)」など6機を展示。隣接地には、三菱重工業が開発を進める国産初小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の製造工程が見学できる「MRJミュージアム」も開館した。

パイロット体験できる「あいち航空ミュージアム」

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あいち航空ミュージアムのエントランス。館内はカメラ撮影可能で、あちらこちらで撮影する人の姿がある(愛知県豊山町で)

「あいち航空ミュージアム」は11月30日にオープン。延床面積約7800平方メートル、地上2階建てのつくりで、上階から1階に展示されている実機6機を見下ろすことができる。その2階には、日本の航空史に名を残した100種類の名機を、25分の1サイズにした精密模型「名機百選」を展示。以前、名古屋空港ターミナルビルの航空宇宙館に並んでいたものを修復し、13年ぶりに公開した。屋上展望デッキに出れば、わずか滑走路から300メートルの近距離で、航空機やヘリコプターの離着陸を楽しむことができる。

初めての週末だった12月2、3日は計5443人が訪れた。定員がすぐに埋まる人気となったのが、小学1年生以上を対象としたパイロット職業体験。指導役から飛行機各部の働きを学んだ後、実際にYS11を間近で見て、そのメカニズムを確認する。最後にシミュレーター装置を動かし、離陸や巡航、着陸までのパイロット疑似体験ができる計50分間の内容になっている。

ほかにも映像にあわせて座席が動き、遊覧飛行の気分を味わえるコーナーや、さまざまな分解した機体の部品をじっくり見ることができる展示部など。館内はカメラ撮影が可能で、子どもたちが「大きい」と歓声を上げながら、実機の前で記念撮影をしてはしゃいでいた。

県は年間65万人の来場を見込む。同ミュージアムの武藤真依学芸員は「航空ファンはもちろん、子どもたちが航空産業を目指すきっかけ作りの場になればうれしい」と話した。

組み立て工程を初めて一般公開 「MRJミュージアム」

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初めて一般公開となったMRJ最終組み立て作業の様子=三菱重工業(株)提供

隣接する「MRJミュージアム」は、広さ約1150平方メートル。MRJの最終組み立てを行う三菱重工業小牧南工場内5階に設置された。2階では実際に飛行機を組み立てる様子が初めて一般公開されている。

MRJ開発製造本拠地であるだけに、展示室では、MRJの実物大模型があるほか、操縦室や客室が再現され、シートに座ることもできる。MRJの技術開発や生産に関する内容をタブレット端末で視聴するコーナーや、機体に使用されている本物のパーツ類の見物もできる。

見学は公式サイトから事前予約が必要。予約は1日10枠分の2カ月先までを受け付けているが、すでに3000人以上の予約が入り、12月と翌2018年1月は空きがほとんど無いという(12月6日現在)。

愛知県は特区で一大集積地形成を目指し、航空産業関連事業所など誘致

世界の航空機産業は中・大型機でボーイング社(米国)とエアバス社(フランス)がほぼ市場を独占し、日本はまだ米国のおよそ1割と大きく水を開けられている。そんな中、愛知県は、将来大きな成長が期待できる宇宙産業と合わせて、航空宇宙産業の世界三大拠点を目指し、岐阜、三重、長野、静岡など中部5県にまたがる一大集積地形成を図る国家戦略総合特区「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」に指定されていて、県営名古屋空港周辺地域に航空機産業に関連した事業所や文化・展示施設を積極的に誘致している。

三菱重工業もこの構想に応えるとともに、MRJの理解促進や航空機産業について子どもたちに興味をもってもらいたいとMRJミュージアムを整備した。あいち航空ミュージアムとも連携しながら、集積地構想を盛り上げていく構えだ。年間10万人の来場を見込むという。

【あいち航空ミュージアム】入場料は、大人1000円、高校・大学生800円、小・中学生500円。開館時間は午前10時から午後7時まで。火曜休館。

【MRJミュージアム】入場料は、大人1000円、高校・大学生800円、小・中学生500円。安全上の理由で未就学児は入場不可。火曜休館。見学は公式サイトから事前予約(http://www.mhi.co.jp/mrjmuseum/reservation/index.html)が必要。15人1組の90分間で、案内役1人が同行する。昼の1枠は英語案内見学コースもある。

(斉藤理/MOTIVA)

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