森保一「クラマーさんの大和魂」東京五輪監督の流儀

森保一「クラマーさんの大和魂」東京五輪監督の流儀

  • 日刊スポーツ
  • 更新日:2017/10/13
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東京五輪の監督就任が決まり、研修先のドルトムント練習場で「地味に撮ってください」と謙虚だった森保氏(撮影・木下淳)

【ドルトムント(ドイツ)12日=木下淳】日本サッカー協会が東京・JFAハウスで理事会を開き、2020年の東京五輪男子日本代表監督に、J1広島で3度のリーグ優勝を誇る森保一氏(49)の就任を承認した。現在、森保氏はドイツに滞在。世界との戦いに備えた研修先で、68年メキシコ大会以来52年ぶりのメダル獲得、56年ぶりの自国開催となる五輪への思いを語った。初陣は12月にタイで行われる国際大会の北朝鮮戦。来年1月のU-23(23歳以下)アジア選手権(中国)が初の公式戦になる。

◇       ◇

東京五輪監督就任の歴史的1日を、森保氏は単身修行中のドイツで迎えた。まだ薄暗い早朝、日本から連絡が入る。腹は決まり「これからは応援してくれる方が日本国民になる。言うまでもなく責任は重大。自国開催の期待は喜びでも重圧でもあり、身の引き締まる思い」と第一声を発した。

“初仕事”は、A代表の背番号10香川が所属するドルトムント視察だった。非公開練習の見学許可を取りつけ、欧州屈指のクラブが試合に向けて仕上げていく過程、練習から球際で削り合う姿を目に焼きつけた。現在たった1人で渡り歩く欧州で、世界と渡り合うイメージを膨らませている。

ずっと心には日の丸があった。選手として93年「ドーハの悲劇」を経験。「日本人としての誇り、日本を代表する責任を持って戦える場所。指導者になってからも常に代表への思いは持ち続けていた」。広島では3度のリーグ制覇を遂げ「育ててもらったクラブで結果を出さなければ(代表監督の)声はかからない。その意識でやってきた」と明かす。歩んできた監督人生の延長線上に夢があった。

先月21日に西野技術委員長と都内で極秘面談し、その道が現実となる。翌22日に自身は渡独。日本で過熱する報道を携帯電話で見ながら「実際は西野さんと会って以来、動きがなくて。これは消えていくパターンか」と不安も覚えたが、今月上旬に日本協会の担当者が訪ねてきた。要請に、国を背負う覚悟が固まった。

複数の日本協会関係者によると、推定年俸は約4500万円。J1優勝3度という抜群の実績に、より高い額を示すJクラブも複数あった模様だが「やはり自国で行う東京五輪は特別。自分が生きている間に次はないし、五輪監督を最優先にと考えていた。少しでも多く稼ぐのがプロですが、やりがい、思いはお金に換えられない。それが自分の生き方」と信念を貫いた。

東京世代が出場した5月のU-20W杯韓国大会は、日本の全4試合を映像で確認済み。「楽しみな選手が多い。日本サッカーが長足の進歩を遂げた今、五輪もW杯もトップに食い込むことが使命。目指すところは当然、メダル獲得。日本サッカーの父と呼ばれたクラマーさんの教え通り『大和魂』を胸に、世界に日本の名をとどろかせたい」。前回64年の東京五輪強化に携わったクラマー氏。偶然にも、その故郷ドルトムントから、森保監督が東京五輪への第1歩を踏み出した。

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