【なでしこの現状に迫る!|熊谷紗希×岩政大樹#4】東京五輪まで引退は考えない!2023年のW杯が日本に決まれば...

【なでしこの現状に迫る!|熊谷紗希×岩政大樹#4】東京五輪まで引退は考えない!2023年のW杯が日本に決まれば...

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  • 更新日:2017/09/16
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岩政氏は熊谷の「考える」部分に共感したようだ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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目標とする東京五輪で、あの歓喜をまた味わえるか。(C)Getty Images

岩政大樹 熊谷選手はヨーロッパのスタンダードや世界で戦うための術を知っていますが、なでしこジャパンの若手は知りません。他の選手にとっては良い”気づき”になるでしょうね。

熊谷紗希 1対1の練習をしていても、「ここで足が出てくる感覚はない」とか言われます。それは自分だからできることなので、積極的に自分のプレーを出しています。

岩政 ちょうど熊谷選手からも出ましたが、私も今後のキャリアで「自分だからできること」をしたいと思っているんです。熊谷選手は、引退後の自分を考えることはありますか?

熊谷 最近、周りの人にめちゃくちゃ聞かれます。それで判然と考えるようになりました。フランスに4年いるし、ドイツにも2年いたので、ある程度は言葉を喋れます。それを活かした資格を取るのもいいかなと。あとはコーチのライセンスも取りたいですね。

岩政 ヨーロッパにずっと残りたいですか?

熊谷 いや、微妙です。もし、ヨーロッパでやるなら育成ですね。日本人の私が教えたらどうなるのか興味はあります。日本人は本当に巧い。それは育成年代での練習が影響しているんだろうな、とリヨンの育成の練習を見ていて思いました。

岩政 ヨーロッパの女子サッカー選手は、引退後はどうしているんですか?

熊谷 家庭に入る人が多いかもしれません。最近だと、男子のサッカー選手と結婚して、移籍先についていった人がいました。あとは、育成のスタッフをしたり、レポーターをしたりですね。

岩政 リヨンの男子選手と交流はありますか?

熊谷 リヨンは男子と女子が一緒の施設を使っています。食堂で会ったりしますけど、挨拶しかしないですね。でも、チームメイトはフランス人同士で仲が良い選手もいますよ。

岩政 練習場も同じ場所ですか?

熊谷 横で練習してます。それくらい近いですけど、あんまり喋らないかな。

岩政 話は変わりますが、2020年の東京オリンピックは、ひとつの集大成になりますね。

熊谷 そうですね。リヨンとその年まで契約していますし、東京オリンピックまでは本気でやりたいと思っています。その後は、いろんな国にサッカーで行ってみたいとも思っていますが、2023年のワールドカップの開催国が日本に決まれば、また考えようかと。
岩政 ワールドカップですか。23年だと熊谷選手は32歳。まだいける年齢ですね。

熊谷 ええ。そうなったら本気で考えます。

岩政 その頃には、守備に対する考え方が変わっているかもしれません。

熊谷 その年齢までに経験することはたくさんあると思うし、もう少し自分が上手く生きていける形が見つかるかもしれません。本当に何が起こるか分からないので、とりあえずあと3年は本気で走ろうと思っています。

―――◆―――◆―――◆―――

私がかじることができたのは、熊谷選手が見てきた景色のほんの一部です。しかし、私にとって非常に有意義なお話が聞けて、十分な充足感がありました。彼女はどれだけのものを得てきたのか、その深さは計り知れない。そんな印象を持ちました。

熊谷選手は常に挑戦できる場所に自ら身を置き、そこで「自分がどのようにしたら生きていけるか」を考え続けてきたと語ってくれました。

私は最近、「考える」にも様々な種類があると感じています。そして、成功してきた選手たちの「考える」は、みんな「自分がどのようにしたら生きていけるか」であるのではないか、とも。つまり、誰か他の人の正解に合わせるのではなく、自分なりの正解を見つける、ということです。

自分の武器は何か。その環境で自分に何ができるのか。それを探し、見つけ、そして生かす術を考える。熊谷選手がキャリアを通して貫いてきた生き方が、それをまた教えてくれました。

話している時、印象的だったのは頭の回転の早さです。私の質問に対し、パッと記憶を辿り、答えをすぐに用意していました。 本人は無意識だと思いますが、そのテンポに彼女の決断の早さ、判断の早さが見えました。

熊谷選手のキャリアは、まだまだこれから続いていきます。東京で行なわれるオリンピックをひとつの区切りとおっしゃっていましたが、彼女のこれからに一層注目していきたいと思います。

今回、熊谷選手の思考に少し触れることができた私は、彼女がこれから見ていく景色を、彼女の思考に入り込んで想像しようと思っています。私は彼女より随分歳上ですが、今後のキャリアを見ているだけでも、たくさんのことを学べそうな、そんな尊敬の念を抱きました。

<<了>>

【プロフィール】
熊谷紗希(くまがい・さき)/1990年10月17日、北海道出身。小学3年次に本格的にサッカーを始め、真駒内中を卒業後は、親元を離れて宮城県の常盤木学高に進学。高校2年次になでしこジャパンに選出され、2011年の女子ワールドカップ優勝、2012年のロンドン五輪準優勝に貢献。クラブレベルでは09年から浦和レッズレディースに所属し、11年にドイツにFFCフランクフルトへ。13年からフランスのリヨンに在籍し、15-16シーズン、16-17シーズンと女子チャンピオンリーグを連覇している。

岩政大樹(いわまさ・だいき)/1982年1月30日、山口県出身。J1通算290試合・35得点。J2通算82試合・10得点。日本代表8試合・0得点/鹿島で不動のCBとして活躍し、2007年からJ1リーグ3連覇を達成。日本代表にも選出され、2010年の南アフリカW杯メンバーに選出された。2014年にはタイのBECテロ・サーサナに新天地を求め、翌2015年にはJ2岡山入り。岡山では2016年のプレーオフ決勝に導いた。今季から在籍する東京ユナイテッドFCでは、選手兼コーチを務める。

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