「苗字も誕生日も、本当にわからないの...」犯人は無戸籍。辻堂ゆめ渾身の人間ドラマミステリ

「苗字も誕生日も、本当にわからないの...」犯人は無戸籍。辻堂ゆめ渾身の人間ドラマミステリ

  • J-CAST BOOKウォッチ
  • 更新日:2021/10/15
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トリカゴ(東京創元社)

書店員が次々に絶賛。事前注文が殺到し、発売前に重版が決まったという話題の作品。今最注目のミステリ作家・辻堂ゆめさんの最新作『トリカゴ』は、切実な社会的テーマと驚きの仕掛けを見事に掛け合わせた、渾身の意欲作だ。

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辻堂ゆめさんは、2015年、第13回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞した『いなくなった私へ』でデビュー。以後ミステリを中心に、『あの日の交換日記』(中央公論新社)、『十の輪をくぐる』(小学館)などの話題作を次々と発表している。最新作『トリカゴ』は、辻堂さんが初めて手掛けた警察小説だ。しかし、主題は警察ではない。この小説で描かれているのは、「無戸籍問題」「仕事と子育て」といった、今もどこかで誰かが苦しんでいるかもしれない社会問題だ。

事前に『トリカゴ』を読んだ書店員からは次々と絶賛のコメントが寄せられ、読書コミュニティサイト「読書メーター」の「読みたい本ランキング」では単行本部門週間1位を獲得。事前注文が殺到し、刊行前に重版が決定した。今多くの人がこの作品に注目し、心を動かされているのだ。

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書店員から絶賛の声

「苗字も誕生日も、本当にわからないの。私、無戸籍だから」

強行犯捜査係の刑事、森垣里穂子。物語は、里穂子がある殺人未遂事件の容疑者を逮捕するところから始まる。容疑者はハナという女性。里穂子は、すんなり犯人が捕まったため捜査はすぐに終わると思っていた。しかし、思いもよらない壁にぶつかる。ハナは「戸籍がない」と言うのだ。戸籍も、住所も、氏名もなく、生年月日もわからない。犯人は目の前にいるのに、供述調書の一番上、「本籍」の欄すら埋められない。

里穂子はハナについて捜査を進め、無戸籍者たちが隠れ住むコミュニティ「ユートピア」の存在を知る。里穂子は、この事件の捜査が、彼らの唯一の安住の地を壊してしまうのではないかと葛藤する。そして真相はさらに、過去の誘拐事件とも繋がっていく......。

緻密な伏線、驚きの仕掛け、そして読む人の心を締めつけ、深く考えさせる人間ドラマ。あなたもぜひこの筆力に圧倒され、そして辻堂さんの社会に対するメッセージを、真正面から受け取ってほしい。

■担当編集者のコメント2015年のデビューから約6年経過した辻堂さん。これまでの研鑽と、著者初の非ミステリ『十の輪をくぐる』を経て、登場人物一人ひとりの物語を真摯に見つめ、紡いでいく表現はさらに磨きがかかっています。それに加え、本作はこれまで以上にミステリへの意欲(魅力的な仕掛けと人間ドラマが高いレベルで組み合わされた構成)と、人間のどのような感情からも目をそらさないという著者の決意が伝わる傑作です。辻堂ミステリの到達点にして、著者最高の力作に、ぜひご注目ください。

■辻堂ゆめ(つじどう・ゆめ)さんプロフィール
1992年神奈川県生まれ。東京大学卒。2014年『夢のトビラは泉の中に』が第13回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞に選ばれ、翌年同作を『いなくなった私へ』と改題しデビュー。他の著書に『コーイチは、高く飛んだ』『あなたのいない記憶』『悪女の品格』『片想い探偵 追掛日菜子』『あの日の交換日記』のほか、〈図書館B2捜査団〉シリーズなどの児童書にも挑戦するなど、活発な執筆活動を続けている。

※画像提供:東京創元社
BOOKウォッチ編集部

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