ソース市場は家庭用伸長も業務用厳しく メーカーのコラボが活発化

ソース市場は家庭用伸長も業務用厳しく メーカーのコラボが活発化

  • 日本食糧新聞電子版
  • 更新日:2021/05/04

ソース市場は家庭用が巣ごもり需要の拡大や家庭内食化によって伸長した。業務用は緊急事態宣言発出などの影響を受け厳しい状況となった。全体としては家庭用の数字が大きく伸びたことで、市場は前年を大きく下回ることはなかったようだ。これまでのソース市場は堅調な推移を続けてきたが伸び悩む傾向にあった。家庭用の各製品を見ると、この1年間で2桁超の伸びを示した製品も数多く存在しており、家庭内におけるソース需要は拡大している。これまでのソースは揚げ物や粉ものなどで使い分けられてきたが、調味料としての使用やブルドックソースが新たに発売した「J-SAUCE(Jソース)」などの新機軸のソース登場による市場の活性化が期待される。

お好み焼きセットなども伸びる

ソース業界のこの1年間は、他の食品業界と同様に新型コロナウイルスの感染拡大に悩まされた。巣ごもり需要の拡大や家庭内食化により家庭用は伸長したが、業務用は緊急事態宣言発出による外食産業の時短や不振などにより伸び悩んだ。家庭用で伸びたのは主力のウスターソース類やお好みソースなどに加え、お好み焼きセットなどの材料セット類だ。

ただし家庭用ソース製品は、昨年3、4月は大幅に伸長したものの、その後は安定した推移となった。日本ソース工業会によるウスターソース類のJAS格付実績(2020年4月~2021年2月)を見ると、ソース全体で前年比10.3%減の4万2908キロリットル、ウスターソースで同11.2%減の1万2894キロリットル、中濃ソースが同1.3%減の1万6458キロリットル、濃厚ソースが同18.5%減の1万3556キロリットルとなり、生産数量は減少している。

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家庭用の伸長が業務用の落ち込みをカバー

KSP-POSの昨年3月からこの2月までのソース製品売上げを見ると、全体では金額で前年比7.4%増、数量で同5.1%増となった。ランキングを見るとベスト3は昨年と変わらず。オタフクソースの「お好みソース300g」が順位を1つ上げ、4位にランクインした。5位はワンランクダウンしたブルドックソースの「とんかつソース500ml」。6、7位は昨年同様にカゴメの「醸熟ソース」がランクインしたが、今年はウスターが6位、豚カツが7位となった。10位にオタフクソースの「だしと醤油のたこ焼ソース300g」が前年の12位から2ランクアップした。

安定している上位の4品目はこの1年間の金額ベースでそれぞれが2桁以上もしくはそれに近い伸びを示し、定番の強さをより印象付ける結果となった。50位までのランキングで前年を下回った製品は8品で、それ以外の製品はすべて前年を上回った。2桁以上の伸びを示した製品は24品となり、コロナ禍において家庭用製品がいかに伸長したかを示す形となった。

大手メーカーの業績を見ると、ブルドックソースは今第3四半期累計の連結業績で売上高は前年比3.7%増の135億6000万円、オタフクソースは9月期単体の1年間の売上高は同2%増の244億8400万円となった。ともに家庭用製品が伸長し、業務用が苦戦する結果となったが家庭用の伸長が業務用の落ち込みをカバーする形となった。

若年層のソース離れに対応

家庭用ではブルドックソースが2月から全国で新たな「スッキリ旨い!」ソース「J-SAUCE(Jソース)」を発売。これは甘みと苦みがある独特な風味のスパイスジュニパーベリーを使用し、かつおや昆布だしのうまみなどで粉もの、揚げ物のどちらもおいしく食べられる。近年のソース市場は若年層のソース離れや高齢層の「味が濃すぎる」などで伸び悩んできた。「J-SAUCE」は市場の活性化を促す製品として期待がかかる。

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ギョウザなどにも合う「JーSAUCE」

家庭用ソースの分野では近年、他メーカーとのコラボが活発化している。オタフクソースは永谷園、日本ハム、ハウス食品と食品メーカーによる食物アレルギー共同取組み「プロジェクトA」を実施している。この1月にはケンミン食品が参画。3月24日から各社ホームページで「親子で楽しむ手作りメニュー」を公開している。ブルドックソースは昨年、カゴメと「ニッポンの洋食を食べよう!」とした共同販促を東日本エリアで実施。

今年は4月からマルコメとコラボし「みそ×ソース1:2『万能味(ミ)ソース』でいつものご飯が大変身!」をテーマにソースと味噌で作るメニュー提案をホームページの特設サイトで開設する。ソース市場の活性化に向けた取組みは一メーカーだけでなく、複数のメーカーと取り組むことでよりソースの魅力を伝えようとする動きが増え始めている。

業務用は、コロナ禍での外食産業や給食向け需要が減退したことで各メーカーが売上げを落とした。しかし、テークアウトや弁当需要、加えて安全面や衛生面から小袋は生産量を増やしている。これからはアフターコロナ、ニューノーマルに向けた取組みがより求められる。また砂糖やスパイスといった原料価格が上昇基調にある。この原料価格の上昇は長期化すると今後、各メーカーの利益を圧迫することとなるため、原料価格動向を注視するメーカーが増えている。

ソース市場はこれまで堅調な推移を続けてきたが、市場は伸び悩む傾向だった。新型コロナウイルスの拡大で家庭用は伸長した。業務用は厳しい状況が続いているが、ソースの家庭内使用の増加は新たな顧客層獲得の好機ともいえる。ブルドックソースが新たに発売した「J-SAUCE」などの新たな領域を開拓する製品の登場が市場を活性化させることを期待したい。

※日本食糧新聞の2020年4月5日号の「ソース特集」から一部抜粋しました。

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