愛犬をケガさせた大型犬の飼い主に治療費を請求できるのか 弁護士が解説

愛犬をケガさせた大型犬の飼い主に治療費を請求できるのか 弁護士が解説

  • マネーポストWEB
  • 更新日:2021/10/14
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愛犬の治療費を請求できるか?(イメージ)

ペットの飼い主には様々な責務が伴う。例えば飼い犬が人を傷つければ賠償義務が生じる。ではペット同士での傷害トラブルなら、賠償はどう決まるのだろうか。弁護士の竹下正己氏が実際の相談に回答する形で解説する。

【相談】
ドッグランで私の中型犬が大型犬に噛まれてケガ。そこでは小型・中型犬エリアと大型犬エリアに分かれており、問題の大型犬は勝手に乱入、噛んだようです。当然、大型犬の飼い主にクレームをいうと「動物のすることだ、仕方がない」との返答。この無礼な飼い主に、愛犬の治療費を請求してもよいですよね。

【回答】
飼い犬は、財産です。噛まれてケガをすれば、治療費が損害です。「動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う」との民法の規定により、噛んだほうの犬の飼い主に賠償請求できます。ただし、飼い主が動物の種類や性質に従い、相当な注意をもって管理をしていた場合、免責されます。犬の場合は、攻撃的な性格があり、普段は繋留し、散歩する際にはリードを付けて牽引していなければ、相当な注意で管理したとはいえず、免責されません。

この点、ドッグランは犬をリードから外して自由に走り回らせる施設です。あなたの飼い犬も同様であり、リードから外したことだけでは、責任を問えません。

しかし、ドッグランでは飼い主の命令に従わない犬の利用を制限するのが普通です。慣れていない犬や訓練不十分の犬は、飼い主がリードを付けて中に入り、雰囲気に慣れさせたり、落ち着かせたりしてからリードを外し、その後も犬は突発的な行動を取ることがあるので、飼い犬から目を離さずに動向を監視することや、一旦走り出すと追いつけないため、安全を見極めるまでは飼い犬のそばに連れ添い、危険を感じさせる行動が見られたときは、すぐに制御できるような態勢を取っておくことが必要だと考えられます。

ドッグランでは、犬の大きさでエリアを分けていますが、犬の体力や性質を考えると、飼い主がこの規制を守ることは重要です。

大型犬が中・小型犬エリアに侵入すれば、体格の劣った犬が被害を受ける可能性が高く、飼い犬の侵入を防止せず、制御を怠った飼い主は必要な注意義務を尽くして犬を管理していたとはいえません。

よって、治療費の請求は認められるでしょう。なお、大型犬の侵入を許した施設に問題がなかったかも、検討しておきたい点です。

【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。

※週刊ポスト2021年10月15・22日号

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