
【電子ごみの墓場】先進国が捨てた「電子機器の廃棄物」 アート作品に変身
廃棄物のアートで世界を変えたいー
北海道では初めての開催です。
先進国が捨てた「電子機器の廃棄物」でアート作品を制作する、長坂真護さんの展覧会が札幌できょうから始まりました。
長坂さんが作品に込める思いとは。
(一関記者)「こちらはパソコンのキーボードがたくさんついた作品や、ゲームのコントローラーがついています。
見た目のインパクトが強くメッセージ性を感じる作品が並んでいます」
札幌市内のデパートで始まった展覧会。
テレビのリモコンなど、使われなくなって捨てられた「電子機器のゴミ」が、油絵などの作品に数多く貼り付けられています。
長坂真護さん。
「電子ゴミ」をアートに変える異色の美術家として、今注目されています。
(美術家 長坂真護さん)「先月もずっといたんですけど、ガーナのアグボグブロシーというスラム街がありまして、
そこに先進国の電子機器の大量のゴミが届いている。それが堆積して湖に埋立地のような場所が形成されてしまった。
そこの水面に映るスラムに実際に住む女の子を書いていまして、夕刻のシーンだったので哀愁があるとうか、すごく印象的で」
「世界最大級の電子ゴミの墓場」と言われるガーナのスラム街・アグボグブロシー。
6年前、ここでゴミを燃やし生計を立てる人々と出会ったことが、長坂さんの制作のきっかけでした。
この真実を伝え、不条理な現実を何とか変えたい。
長坂さんは絵を描くだけでなく、現地の電子ゴミを直接作品に貼り付けることで、問題提起を続けてきたのです。
(美術家 長坂真護さん)「実際にスラム街をみんなで掃除して作り上げたものです。そこに大きな意味がある。
僕が制作すればするほど、普通の消費社会であればごみが増えるが、でも僕が制作するとゴミが減る。
かつ対価のあるものとして売れる。この売り上げをスラムに再投資する」
長坂さんは、実際に作品を販売した利益でスラム街の子どもたちのために学校を設立するなど、思いをカタチにしてきました。
今後は2030年までに100億円以上を集め、スラム街に最先端のリサイクル工場を建設することが目標です。
(美術家 長坂真護さん)「消費のありかた、これからのサスティナブルな社会の1つの道しるべになると思いますので、ぜひ足を運んでくれたらと思います」
見てもらうだけではなく、貧困など世界が抱える問題を解決へと導く長坂さんのアート作品。
展覧会は来月12日まで開催されています。
1/25(水)「どさんこワイド179」
1/25(水)18:52更新
STV札幌テレビ「どさんこワイド179」