【茨城県】《リポート》茨城県龍ケ崎市の道の駅計画 続行か中止か、迫る決断

【茨城県】《リポート》茨城県龍ケ崎市の道の駅計画 続行か中止か、迫る決断

  • 茨城新聞クロスアイ
  • 更新日:2023/01/25
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萩原勇市長(中央)らが出席した道の駅を巡る意見交換会=2022年12月18日、龍ケ崎市内

■代替案も提示、割れる賛否
茨城県龍ケ崎市が牛久沼東岸の国道6号沿いに計画する道の駅整備事業を巡り、可否判断のタイムリミットがじりじりと迫る。昨年1月に就任した萩原勇市長はかねて「再検証」を唱えており、意見交換会やアンケートを踏まえ、本年度内に続行か中止かを含め決める方針だ。基本計画と比べて事業費はかさむ見通しで、ともに道の駅に代わる芝生広場整備案と現状維持案も示された。どの選択肢を取るかが問われる。事業が止まってから4年。決断の時は近づく。

▽回答1700件
「事業は停滞しているが大変な注目を浴びている。率直な思いを聴かせてほしい」

昨年12月18日、道の駅に関し、市が2カ所で開催した意見交換会。冒頭で萩原市長がこうあいさつすると、出席した市民からはさまざまな声が上がった。

NPO理事の男性(65)は反対と述べ、「もっと大きな構想を立て、牛久沼全体の活用を進めていくべきだ。道の駅はかえって可能性を狭めないか」と指摘。一方で旅行業出身という男性(80)は「牛久沼の風景は他にはない。あそこに道の駅がある意義は大きい。休憩したり食事したりする場所として役立つ」と賛成の立場で持論を展開した。

市は昨年、事業の賛否などを問うアンケートも実施し、約1700件の回答を得た。意見交換会と併せ、方向性を定める参考にするとしている。

▽「機を逸した」
前市長時代にぶち上げられた道の駅整備事業は、2017年に基本計画が定められた。国道と一体的な構造で、国土交通省が共同事業主体だ。

基本計画によると、国と市でトイレや物販施設、レストランを整備する。交差点も国によって新たに造られる。「心に爽やかな風が吹き渡る龍ケ崎での安らぎと賑(にぎ)わいの場づくり」をコンセプトに掲げる。

一方で、本体工事の前段となる護岸改修工事で、想定よりも地盤が弱いと判明。工事方法を変える必要が生じた。整備は19年1月から進まず、開業は2度の延期を経て「未定」に後退した。過去に立地していた複合レジャー施設に起因するとみられるくいの存在も発覚し、足踏み状態が続く。

意見交換会に参加した別の男性(72)は、新型コロナウイルス感染症の流行や物価高騰を念頭に「タイミングを逃した気がする」と語った。加えて、近隣の取手市桑原地区では、土地区画整理事業による大型商業拠点づくりが計画され、「競合」が取り沙汰される。

▽「年度内」崩さず
21年12月の龍ケ崎市長選で、萩原市長は道の駅の「再検証」を訴え、前市長らを退け初当選を果たした。市当局は萩原市長の公約に基づき、概算事業費の再算出などを急いだ。

市によると、概算事業費は、護岸改修工事費の上積みが絡み、基本計画比で約8億5千万円増の約25億6100万円(うち市の実質負担額は約16億5600万円)と試算。年間利用者数は同比10万人増の80万人、年間売上高は同約1億1300万円増の約8億9700万円をそれぞれ見込む。市の交通量調査などに基づく数値という。

道の駅に代わり市単独で芝生広場を約11億1400万円(同約9億6900万円)で整備する案に加え、現状維持案も示された。ともに「将来的な牛久沼の活用に備える意味合い」(市まちの魅力創造課)がある。

これまでに市が支出した金額は2億円近くに達する。萩原市長は昨年12月26日の記者会見で「市民に情報を伝えつつ、本年度内に判断してまいりたい」と従来の姿勢を維持した。

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