新型コロナ後遺症、発生頻度は予想以上? 英国では数百万人に影響か

新型コロナ後遺症、発生頻度は予想以上? 英国では数百万人に影響か

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2021/05/01
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新型コロナウイルス感染症は当初、一度かかって回復した人には抗体ができ、再び感染する可能性はなくなると考えられた。だが、感染者が増えるにつれ、実際にはそうではないことが明らかになってきた。

感染後に回復し、ウイルスが体の中からなくなってもなお、長期にわたって「新型コロナウイルス感染症の後遺症(Long Covid)」に悩まされる人は、ますます増加している。世界中の感染者数が膨大な数にのぼることを考えれば、その数はすでに数百万人に達している可能性がある。

英国家統計局(ONS)が4月初めに公表した調査結果によると、昨年中に感染した同国内の2万人以上の人のうち、感染から5週間後の時点で後遺症があった人は、5人に1人。12週間後でも、7人に1人に何らかの症状があった。

感染から5週間後の人に最も多かった症状は、倦怠感(11.8%)。続いて咳(11%)、頭痛(10%)、筋肉の痛み(7.7%)、味覚と嗅覚の喪失(どちらも6.3%)となっていた。さらに、いずれも割合はわずかに低下していたものの、12週間後にも同様の症状が報告されていた。

ONSはこの調査結果から、英国内で後遺症に苦しんでいた人は、今年3月初めまでに100万人を超えていたと推計している。

他国でも同様の報告
一方、これまでの研究から、新型コロナウイルスは心血管から肺、精神・神経系、腎臓、その他に至るまで、驚くほどさまざまな影響を人体に、そしてその臓器系に及ぼすことがわかっている。

全米各地の病院の研究者らが行った研究でも、後遺症の症状には、倦怠感や息切れ、ブレインフォグ(頭にもやがかかったような状態)、嗅覚・味覚の喪失、不安、うつ、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、頭痛・片頭痛、熟睡できない、などがあることが確認されている。

この研究結果をまとめた論文の著者らは、後遺症を訴える患者の治療方法に関するガイドラインを提示。身体的・精神的な健康の回復を支えるため、複数の専門分野から総合的にアプローチすることが必要だと呼び掛けている。

スウェーデンのカロリンスカ研究所が4月上旬に発表した論文によると、感染して症状が軽度だった医療従事者を対象に行った調査では、発症から8カ月後も約10%の人に、仕事や家庭、社会生活に影響が出るほどの深刻な症状が、少なくとも1つはあったという(最も一般的な症状は、嗅覚・味覚の喪失、倦怠感、呼吸器系の問題)。

非常に小規模な研究であることから、この結果の解釈には注意が必要だ。だが、軽症だった人でも長期的な影響を受ける可能性があることを示す研究結果は、その他にも発表されている。

今後の研究・対応に期待
新型コロナウイルス、またはその他のウイルスの感染症がなぜ後遺症をもたらすのか、原因はまだ完全には解明されていない。ただ、新型コロナウイルスのワクチンの接種が、後遺症の症状を緩和する可能性があるとの報告も確認され始めている(査読を受けた論文として発表されたものではない)。

現在も調査を継続中の英国でのある研究では、後遺症がある人の約20%が、ワクチン接種により症状が改善したとされている。米国では、さらに高い割合の人たち(30~40%)が、ワクチンによって症状の改善を経験しているとの見方が示されている。

後遺症について今後、期待したいのは、症状の改善の見通しや治療法などが明らかにされていくこと、医学界が後遺症をより深刻に受け止め、患者により慎重に対応するようになること。そして、より多くのリソースが割り当てられ、研究が行われ、後遺症に関する理解が深まっていくことだ。

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