ボンズ / クレメンス / A−ロッド / ビッグパピ 、コンプラで総倒れ?2022年米野球殿堂入り投票

ボンズ / クレメンス / A−ロッド / ビッグパピ 、コンプラで総倒れ?2022年米野球殿堂入り投票

  • J SPORTS|コラム(野球)
  • 更新日:2021/11/25

現地時間11月22日、全米野球記者協会の投票による2022年殿堂入り候補者が発表された。MVP3度受賞のアレックス・ロドリゲスや通算541本塁打のデビッド・オティーズらが引退後5年を経て新たに名を連ねるが、2年連続で「選出なし」の可能性もある(別ルートの時代委員会経由では前回も選出あり)。今回は、実績以上にIntegrity(誠実さ、高潔さの意味で選出基準にも明記されている)対する判断が結果を左右すると予想されるからだ。

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A−ロッド(ロドリゲス)の実績には非の打ち所がない。通算600本塁打&3000本安打(696本発&3115本)、シーズン40本塁打&40盗塁達(1998年に42本塁打&46盗塁)とも、史上4人しか成し遂げていないが、彼は両方でその1人だ。通常なら、大変名誉あるとされる資格を得る初年度での選出どころか、2019年のマリアーノ・リベラ(歴代最多652セーブ)に次ぐ史上2人目の満票獲得も期待されただろう。

しかし、A−ロッドには決定的とも言える汚点がある。2003年にMLBが非公式に行った薬物検査で陽性反応を示したことが2009年に明らかになり、2013年にはMLBの徹底的な調査により、禁止薬物を購入した咎で出場停止処分を宣告されたのだ。彼はこれを不服として提訴し対決は泥沼化したが、最終的には翌2014年フルシーズの出場停止を受け入れた。

ビッグ・パピ(オティーズ)もスネに傷を持つ。ミスターDHとしての実績は素晴らしく、そのリーダーシップ等により人気は抜群だが、彼もA−ロッド同様に2003年の検査での陽性反応がスッパ抜かれているのだ。

2003年時点では、MLBは本格的な薬物禁止規定と罰則を導入していない。したがって、オティーズは(この件に関してはA−ロッドも)違反を犯した訳ではない。しかし、それを言うなら殿堂入り投票が伸び悩んでいる通算762本塁打でMVP7回のバリー・ボンズ、通算354勝でサイ・ヤング賞7度のロジャー・クレメンス、通算609本塁打のサミー・ソーサらもあくまで「疑惑」だ。ビッグ・パピーはスルー、では理屈が通らない。

そう、今回の投票においては、実績だけならキラ星のようなスーパースターが名を連ねるが、その多くは選出の要素の一つであるIntegrityという点では大いに議論の余地があるのだ。

殿堂入り投票は投票権を持つ記者による最大10名連記で、選出には75%以上の得票率が必要だが、ボンズ、クレメンスは、ここ5年50〜60%強で足踏みが続いている。ソーサに至っては、最高だった前回も17.0%でしかない。

最多勝利2回に加えポストシーズンでの大活躍で球史に名を残すカート・シリングは、前々回70%台に乗せ(70.0%)、次回の選出がほぼ確実視されながら、前回は71.1%にとどまった。彼の場合、度重なる極右的、差別的な言動が問題視されている。

ボンズ、クレメンス、シリング、ソーサとも、今回が、被投票資格を保持できる最終の10年目の挑戦となるが、見通しは厳しい。

アクロバティックな遊撃守備で人気を博したオマー・ビスケイルの場合は、暴行が足を引っ張った。3回目の前々回に52.6%を獲得し、その後に大きな期待を抱かせたが、前回は投票締め切り間際にDVがスッパ抜かれ、それが影響したか49.1%に後退した。今年の夏、そこに追い討ちをかけるように、マイナーリーグ監督だった2019年の球団バットボーイへの性的虐待も明らかになった。

もちろん、クリーン(だと思われる)な有力候補者も少なくない。前回からの繰越組では、通算316本塁打&三塁手としてゴールドグラブ8度のスコット・ローレン(前回52.9%)、歴代4位の422セーブを誇るビリー・ワグナー(同46.4%)、今回の新規では2007年MVPの名遊撃手ジミー・ロリンズ、通算377セーブが歴代8位のジョー・ネイサンらだ。彼らは将来的には選出される可能性は十分あるが、今回いきなりはチト無理そうだ。

投票は、12月31日に締め切られ来年1月25日に結果が発表されるが、2年連続選出なし、は大いにあり得るシナリオだ。

文:豊浦彰太郎

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