
インタビューに答える元ジャニーズJr.の橋田康さん=東京都渋谷区で2023年5月18日、宮本明登撮影
ジャニーズ事務所の前社長、ジャニー喜多川氏(2019年死去)からの性被害を訴えている元ジャニーズJr.の俳優でダンサー、橋田康さん(37)が26日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見した。自身の性被害を打ち明け、「早くこの問題を事実と認め、クリーンなジャニーズ事務所として出発してほしい」と求めた。また、児童虐待防止法の改正に向けた署名活動を始めると発表した。
同協会で被害を訴えるのは、元ジャニーズJr.で歌手のカウアン・オカモトさん(27)に続き2人目。
橋田さんは1998年から約7年間、ジャニーズ事務所に所属。入所から約1年たった99年ごろ、公演先の宿泊所で喜多川氏にわいせつ行為をされたと話した。その上で「これだけ多くの人間が声を上げているので、問題を長引かせれば長引かせるほど、現役で頑張っているタレントにもダメージが大きくなり、応援している人たちが迷い、苦しむことになる」と強調。藤島ジュリー景子社長に向けて「僕たちの思いと向き合ってください」と訴えた。
また、現行の児童虐待防止法では、虐待の行為者が親権を持つ保護者に限られていると指摘。「子どもを守るには十分でない」として、虐待行為者の範囲を広げ、発見者に警察への通報を義務付ける改正法案の成立に向け、オカモトさんらと署名を集めるとした。詳細は今後、橋田さんのSNS(ネット交流サービス)などで公表するという。
さらに「ジャニーズ事務所が設置する相談窓口には相談しにくいとの声がある」として、自ら被害者の声を集める考えも示した。ホームページと専用メールアドレスを開設し、被害状況を事務所へ伝えるという。「同じ被害者として元ジュニアのみなさんの話を聞き、ジャニーズ事務所との懸け橋になりたい。その上で謝罪と対応を求めたい」と話した。記者に「被害の聞き取りは専門性を要するのではないか」と問われると、「詳細はこれから。傷の付き方や求める対処は人それぞれなので、一人一人に話を聞いて事務所にきちんと持って行くのが今の僕の責任」と語った。【伊藤遥】
毎日新聞