糖質制限ですぐに体重が落ちるのはなぜ? 勘違いポイントを教授が解説

糖質制限ですぐに体重が落ちるのはなぜ? 勘違いポイントを教授が解説

  • MYLOHAS
  • 更新日:2019/07/12
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京大の筋肉先生こと、森谷敏夫教授の「森谷筋肉塾」夏期集中講座。前回は、「体脂肪を落とすダイエットは地道にやるしかなくて、時間がかかる」ということを教えていただきました。でも、すぐに結果が出ないというのは、もどかしいものです。

すぐに結果が出るといえば、「糖質制限ダイエット」。炭水化物をはじめとする糖質を抜けば、1週間に1kg減らすのは難しいことではありません。

糖質制限をすると、どうして簡単に体重が落ちるのか。第3回は「糖質制限ダイエット」の仕組みについて、じっくり教えていただきましょう。

「動かないから太るんだよ!」京大名誉教授が語る、筋肉が必要なワケ

第3回まとめ

糖質カットをしても、脂肪はほとんど減らない。むしろ犠牲になるのは大切な筋肉!

糖質制限ダイエットを繰り返すと「隠れ肥満」になって、リバウンドもしやすくなる。

人間の脳と筋肉には、炭水化物が不可欠!

糖質制限では、脂肪はほとんどなくならない

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──今日は「糖質制限ダイエット」について教えてください。

森谷敏夫教授 :

出たな、「糖質カット」信者め。

──そ、そういうわけではないんですが……。炭水化物を食べなくなると、すぐに体重が落ちるのはどうしてですか?

森谷敏夫教授 :

それは、身体から水分が一気に抜けるから。水は重いから、体重はすぐに減る。水がなくなっただけなのに、脂肪まで減ると勘違いしている人がどれほど多いことか……(ため息)。

「糖質制限ダイエット」の仕組みを説明しましょう。人間の「脳」と「筋肉」は、「糖質」をエネルギー源として使います。炭水化物を抜いて、糖が足りなくなると、「肝臓」「筋肉」「脂肪」に貯蔵されている「グリコーゲン」を分解し、ブドウ糖に変えてエネルギーを補給する。グリコーゲンは、糖1に対して水4が結合したものだから、分解されると「たくさんの水が体外に排出される」というわけ。

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──でも、糖質が不足したとき、脂肪のグリコーゲンが分解されれば、体脂肪は減りますよね。

森谷敏夫教授 :

そんなに都合よくはいかないんだよ。体内の糖分が不足すると、まずは肝臓のグリコーゲンを分解し、その次に筋肉という順番で分解されるので、残念ながら脂肪はほとんど減らない。

炭水化物を食べない人の肝臓には十分なグリコーゲンがないので、筋肉をどんどん分解して脳に必要な糖質を補おうとする。

つまり、糖質カットで犠牲になるのは大切な筋肉。糖質制限ダイエットは、大事な筋肉をなくす行為を自ら進んでやるようなものです。筋肉がなくなるとどうなるか、第1回で話しましたね。

──はい。糖尿病などの生活習慣病にかかりやすくなって、将来寝たきりになるリスクも高くなるんですよね。

森谷敏夫教授 :

糖質制限ダイエットをやるたびに筋肉が減っていくし、その分体脂肪率が上がって、より太りやすい体質になっていくという悪循環。こんなの、身体にいいわけがない。

──ダイエットをやるたびに太りやすくなる……。だから、すぐにリバウンドしちゃうんですね。

森谷敏夫教授 :

そのとおり。以前より筋肉が減り、体脂肪率が上がった身体になったところで食事制限をやめてしまうと、あっという間に元に戻るどころか、前より体重が増えることも。この繰り返しが「隠れ肥満」を生むんです。

それに、体内から水分がなくなるから、肌はカサカサ、髪もパサパサの「ドライフラワー症候群」になってしまう。糖質制限ダイエットをしたせいで、太りやすい体質になるうえに、ドライフラワー状態の身体になる。目先の体重ばかりに気をとられ、安易に糖質カットをするのは、ほんとにやめたほうがいいと思います。

ドライフラワー女子は危険!失敗しない究極のダイエット法

人間の「脳」と「筋肉」には、炭水化物が不可欠

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──そんな負の側面もある「糖質制限ダイエット」が、どうしてこんなに広がったのでしょう。

森谷敏夫教授 :

それは、内科のお医者さんの約6割が「糖質制限は正しい」と思っているから。患者さんにもすすめているので広がるのは当然です。

糖質制限は、もともと2型糖尿病患者のために考案された食事法。医学部、薬学部、農学部の研究は、ほとんどの場合、人ではなくラットやモルモットで実験します。ラットは脳がとても小さいので、高い比率で炭水化物を与えると、すぐに脂肪肝や糖尿になるけど、人間の脳はラットよりもはるかに大きいから、ラットと同じようにはいきません。人間の脳と筋肉はたくさん糖を消費する大食漢なんだから。

──人間は、炭水化物を食べないといけないんですね。

森谷敏夫教授 :

言わずもがな、です。だって、主食は炭水化物ですよ!

人間に近いチンパンジーは一日に必要なエネルギーの9割を果物などの炭水化物からとっています。炭水化物が身体に悪いなら、チンパンジーはもうとっくに絶滅してるはずでしょ。

それに、あまり炭水化物を摂らないと死亡率が高くなるというデータもあるくらい。「炭水化物を60%摂ったグループ」と「35%しか摂らなかったグループ」に分けて、男性4万4,000人を20年、女性8万5,000人を26年追跡調査した結果、「炭水化物60%」の人たちが病気で死んだ確率を1とすると、「炭水化物35%」は1.5倍、死亡率が高くなることがわかっています(Fung TT et al.Ann Intern Med.2010:153(5)289-298)。

炭水化物をきちんと食べて、しっかり運動する。これが一番!

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【今日の宿題】朝ごはん食べましたか?

夕食をしっかり食べたとしても、翌朝には肝臓のグリコーゲンは、ほぼ空になっている状態。脳は糖質がエネルギー源なので、「朝スムージーだけ」では足りません。糖質が不足すると頭がボーっとしてしまうことも。朝ごはんには、必ず炭水化物を食べること。何も食べないなんて、もってのほかです!

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森谷敏夫(もりたに としお)教授
1950年、兵庫県生まれ。1980年、南カリフォルニア大学大学院博士課程修了(スポーツ医学、Ph.D.)。テキサス大学、テキサス農工大学大学院助教授、京都大学教養部助教授、カロリンスカ医学研究所国際研究員(スウェーデン政府給費留学)、米国モンタナ大学生命科学部客員教授等を経て1992年、京都大学大学院人間・環境学研究科助教授、2000年から同科教授。2016年から京都大学名誉教授。専門は応用生理学とスポーツ医学で、生活習慣病の温床になる肥満のメカニズムに関する研究や運動ができない人々のための骨格筋電気刺激研究などを精力的に進めている。

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