「夢」を見ない高齢者ほど「認知症」に? 「レム睡眠」が認知症リスクのカギ

「夢」を見ない高齢者ほど「認知症」に? 「レム睡眠」が認知症リスクのカギ

  • HEALTH PRESS
  • 更新日:2017/09/15
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レム睡眠時間が1%低下するごとに認知症リスクが9%高まる(depositphotos.com)

ヒトは「ノンレム睡眠」と身体は休息し、脳は覚醒していて急速に眼球が動いている「レム睡眠」を繰り返しながら眠っている。

スウィンバーン工科大学(オーストラリア)のMatthew Pase氏らの研究チームは、夢を見やすい「レム睡眠の時間が短い高齢者」ほど「認知症」を発症するリスクが高まる事実を確かめ、『Neurology』8月23日オンライン版に発表した(「HealthDay News」2017年8月23日)。

レム睡眠時間が占める割合が1%低下するごとに、認知症リスクが9%高まった

発表によれば、研究グループは、1995年から1998年にかけてフラミンガム心臓研究に参加した60歳以上の男女321人(平均年齢67歳、男女各50%)を対象に、自宅でポリソムノグラフィ検査によって睡眠パターンを測定し、最長で19年間(平均12年間)追跡調査した。

その結果、32人が認知症を発症し、そのうちの24人はアルツハイマー病だった。年齢と性別で調整し解析したところ、睡眠時間にレム睡眠時間が占める割合が1%低下するごとに、認知症リスクが9%高まった。

また、レム睡眠の状態になるまでに時間がかかることも、認知症リスクの上昇に関連していた。さらに、レム睡眠時間の割合やレム睡眠の状態になるまでの時間と認知症リスクとの関連は、心血管のリスク因子や抑うつ症状、薬剤の使用などの調整後も確認できた。だが、ノンレム睡眠の状態と認知症リスクとの関連性は認められなかった。

Pase氏は「この研究ではレム睡眠と認知症リスクとの関連性が認められたものの、因果関係を検証したわけではない。レム睡眠の時間が長ければ、認知症によってダメージを受けやすい脳内での情報伝達に保護的に働くのかもしれない」と説明する。ただし、レム睡眠時間の短縮は、独立した認知症のリスク因子である慢性的なストレスや未診断の睡眠障害に起因している可能性もあると付け加えている。

一方、米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン医療センター精神医学のRicardo Osorio氏は、「従来の研究は、レム睡眠ではなく、より深い睡眠状態による影響に注目したものが多かった。今回の研究は、レム睡眠も脳の機能に重要な睡眠状態である事実を示していることから、レム睡眠時の神経活動は、記憶の固定やアルツハイマー病の発症を抑制する重要な因子かもしれない」と指摘している。

認知症は「有酸素運動」「おしゃべり」「知的活動」で防ごう

いい睡眠は健康のリセットボタン!そう実感した番組がある。「NHKガッテン!これが世界最先端!“認知症”予防SP 2017年5月17日)だ。

認知症の予防は、「脳のゴミ」のアミロイドβの排出である事実は周知されている。よく眠る(6~8時間の睡眠や30分以内の昼寝)れば、アミロイドβを脳から洗い流す能力が高まり、脳の神経細胞を活性化するからだが、そのために有効な戦略がある。

第1は「有酸素運動」――。有酸素運動をすれば、神経細胞を活性化するホルモンが分泌され、アミロイドβを分解する酵素が増加するだけでなく、運動後によく眠れるので、アミロイドβの排出が促される。

第2は「コミュニケーション」――。様々な他人と積極的に会話すればするほど脳が活性化するため、アミロイドβの排出にも大いに役立つ。

第3に「知的活動」――。囲碁、将棋、楽器演奏、裁縫、ホビーなど頭を使いながら指先を動かす知的活動を続けると、神経細胞が活性化し、アミロイドβの活動も抑制されやすい。

認知症はを「マインド食」「減塩」で防ごう

さらに予防に有効な戦略がある。食事だ。

2015年、ラッシュ大学医療センター(アメリカ・シカゴ)のMartha Clare Morris氏らの研究チームは、アルツハイマー病を予防する食事法であるマインド食(MIND/Mediterranean-DASH Intervention for Neurodegenerative Delay)を発表した(「MIND Diet Associated with Reduced Incidence of Alzheimer’s Disease」)。

マインド食は、「積極的に取るといい食材を10項目」、「控えた方がいい食材を5項目」に分け、食べる頻度を提案する食事メソッドだ。約1000人の高齢者を平均5年間追跡した結果、全15項目のうち9項目以上を達成した人は、5項目以下だった人よりもアルツハイマー病の発症率が53%も低かった。

積極的に取るとよい食材(かっこ内は頻度)は、緑黄色野菜(週6日以上)、その他の野菜(1日1回以上)、ナッツ類(週5回以上)、ベリー類(週2回以上)、豆類(週3回以上)、全粒穀物(1日に3回以上)、魚(なるべく多く) 、鶏肉(週2回以上)、オリーブオイル(優先して使う)、ワイン(1日グラス1杯まで)。

控えたほうがよい食材(かっこ内は頻度)は、赤身の肉(週4回以下)、バター(なるべく少なく)、チーズ(週1回以下)、お菓子(週5回以下)、ファストフード(週1回以下)。

ただし、これはアメリカ人の目安。日本人は、「塩分摂取量」が多めなので、 減塩が何よりも大切だ。

高齢者のおよそ4人に1人が認知症になる。若い世代はもちろん、40〜50代の働き盛りもその予備軍になるリスクが極めて高い。よく眠る、よく食べる、よく働く。健康の黄金律は永遠に不変だ。
(文=編集部)

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