世界売り上げNo.1!ルイ・ヴィトンにまつわる7つのトリビア【第6回ルイ・ヴィトン】

世界売り上げNo.1!ルイ・ヴィトンにまつわる7つのトリビア【第6回ルイ・ヴィトン】

  • シネマトゥデイ
  • 更新日:2017/11/19
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Raymond Boyd / Michael Ochs Archives / Getty Images

こんにちは、映画で美活する映画美容ライターの此花さくやです。

日本人の約4割が製品を所有しているといわれるルイ・ヴィトン。ファッションに興味がない人でもその名前とモノグラム・デザインをご存知の方が多いのでは? とはいえ、モノグラムの由来やブランドの歴史については知らない人が案外多いのかも。

今回は、ラグジュアリーブランドの中でも世界で売り上げNo.1を誇るルイ・ヴィトンの7つのトリビアと、それに関係する映画についてご紹介します!

1:トランクメーカーとして創業

オードリー・ヘプバーン主演の映画『昼下りの情事』(1957)ではルイ・ヴィトンのトランクが象徴的に描かれています。アリアーヌ(オードリー)が恋する年上の大富豪のフラナガン(ゲーリー・クーパー)が泊まっているリッツ・ホテルのスイートルーム。その廊下にはルイ・ヴィトンのトランクが何個も無造作に置かれています。映画の登場人物がトランクに隠れたり、トランクの蓋が閉まらなかったりなど、ストーリーを彩る小道具として大活躍するルイ・ヴィトンのトランク。多くの映画で富裕層を描くときに使われています。

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部屋の中もトランクでいっぱい!映画『昼下りの情事』より - Allied Artists / Photofest

それもそのはず、ルイ・ヴィトンは元々はトランクメーカーなのです。1821年、創業者であるルイ・ヴィトンはフランス東部のジュラ山脈にある村に生まれますが、14歳でパリに一人上京することを決意したといわれています。貧しかったルイは働きながら歩いてパリへ向かい、パリに着いたのはなんと16歳の頃。荷造り用木箱製造職人兼荷造り職人のマレシャル氏に弟子入りしたルイはめきめきと頭角を現し、1854年、33歳のときにトランク専門の製造業者として創業しました。

2:日本人で初めてヴィトンを買ったのは?

毎日新聞が報じたところによると、1883年1月9日、「Itagaki」という人物がパリのルイ・ヴィトン店でトランクを買ったという購入記録があり、トランクのシリアル番号を調べたところ、板垣退助の子孫が保存するトランクのシリアル番号と一致したそう。

1882年、元土佐藩で後に“自由民権運動の父”とよばれた板垣退助は後藤象二郎と共に横浜から船に乗り香港を経てパリに到着。ロンドンでも外遊し翌年に帰国しました。実は、板垣よりも先に元薩摩藩士でフランス公使の鮫島尚信が買ったという記録もありますが、トランクが現存しないため、日本に現存する最古のルイ・ヴィトンのトランクは稲垣退助のものだと考えられています。このトランクは、高知市立自由民権記念館に寄託されています。

3:コピーされるのを防ぐために誕生した“ダミエ”と“モノグラム”

1854年の創業時以来、ルイ・ヴィトンはずっと偽造と闘ってきました。初代ルイ・ヴィトンが作り出したグリ・トリアノン・キャンバスはグレーのキャンバス地を使っていましたが、無地であったためすぐにコピーされます。偽造を防ごうと1872年には赤とベージュのストライプ模様を冠したトアル・レイエ、1888年には市松模様のデザインのトアル・ダミエを発表して商標登録をします。しかしながら、どれもコピーされてしまいます。

ついに、業を煮やした2代目ジョルジュ・ヴィトンは1896年にモノグラム キャンバスをつくります。これは、ヴィトン家のキッチンを彩ったジアンの陶製タイルに描かれていた4枚の花びらのパターンにインスパイアされ、創業者であり父である名前の「L」と「V」を絡ませて考案したと言われています。また、日本の家紋を含む日本文化に影響されたという説も。

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ワールドカップではサッカーボールまでモノグラムに! - Sion Touhig / Sygma / Sygma via Getty Images

結局、モノグラムでさえも偽造に終止符を打つことはできず、今でもコピー商品が世界中に出回っていることは周知の事実。それでも、ルイ・ヴィトンは偽造に関して真剣に取り組んでおり、2012年にはコピー商品を使った映画会社を訴えたことも!

大事な夜に限ってまさかの二日酔いになってしまうダメ男たちのドタバタコメディー『ハングオーバー!!史上最悪の二日酔い、国境を越える』(2011)では、変わり者のドラ息子、アラン(ザック・ガリフィナーキス)が皆でタイに行くときに持っていたのがルイ・ヴィトンのコピー商品。テディ(メイソン・リー)がアランのバッグに触ろうとすると「気をつけろ。これは“ルイス・ヴトン”だからな」と怒るアラン。スノッブなくせに“ルイ・ヴィトン”と発音できないこのシーンはとてもコミカルなのですが、ルイ・ヴィトンにとっては25秒にわたりコピー商品が登場したことはブランドを侵害するという許しがたいもの。ところが、判決はルイ・ヴィトンの敗訴に終わります。多くの観客はこのバッグがコピーということにさえ気がつかないと判断されたからだそうです。

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映画『ハングオーバー!!史上最悪の二日酔い、国境を越える』より - Warner Bros. Pictures / Photofest

自動車から飲料品までコピー商品が出回る現在、ダナ・トーマス著『堕落する高級ブランド』によると、ルイ・ヴィトンは自社に40人の弁護士、外部に250人の私立捜査官を雇っているそう。2004年には、ルイ・ヴィトンはグローバルで1日20件の摘発をし、1000人のコピー製造業者関係者を刑務所に送りました。このようにルイ・ヴィトンの歴史には偽造との戦いが深く刻まれています。

4:タイタニック号とヴィトン伝説

レオナルド・ディカプリオケイト・ウィンスレットをスターダムにのし上げた『タイタニック』(1997)では、実存した不沈のモリー・ブラウンキャシー・ベイツ)がルイ・ヴィトンのモノグラムのトランクをたくさん持ち込んで乗船。ケイト演じる上流階級の娘ローズの母は、モリーのことを成金だと揶揄します。

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『タイタニック』といえばやっぱりコレ! - Paramount Pictures / Photofest

タイタニック号が沈没したのは1921年。当時発達した船や車といった交通手段に最適な積み重ね可能で軽量、かつ頑丈な錠前つきのトランクは各国の要人に愛されました。ところで、タイタニック号にまつわるルイ・ヴィトンの二つの伝説をご存知でしょうか?

一つは、ルイ・ヴィトンのトランクは水に浮くので、タイタニック号が難破した際に乗客がルイ・ヴィトンのトランクを浮き輪代わりに使い生き残ったこと。もう一つは、タイタニック号と一緒に沈没したトランクを後日引き揚げて開けてみたところ、中身がまったく濡れていなかったこと。確かに、ルイ・ヴィトンのトランクは軽くで密封性に優れていますが、このどちらもルイ・ヴィトンの公式記録には残っておらず真実かどうかは分かりません。

5:“アルマ”のミューズはココ・シャネル

ファッションデザイナーのポール・ポワレが女性の洋服からコルセットを取り去り、ココ・シャネルがパンツ・ルックを紹介することによって1920年代の女性は、スキー、テニスやゴルフなどのスポーツを楽しめるようになりました。アパレルメーカーもスポーツウェアの開発を始め、活動的な日常に使いやすいバッグを続々と打ち出しました。

リアーナケンダル・ジェンナーが愛用していることで有名なアルマは、ココ・シャネルが1925年に普段使いのサイズをスペシャルオーダーしたことから生まれたのだとか! シャネルはエルメスのファスナーをいち早くスカートに取り入れるなど、エルメスのメゾンとも深いかかわりがあり、彼女が当時、名実共に流行をつくっていたことが伺えます。

6:オードリー・ヘプバーンが“スピーディー”を流行らせた

金塊を巡る陰謀に未亡人が巻き込まれるサスペンス映画『シャレード』(1969)は、未亡人レジーナを演じるオードリーがスキー旅行からパリに戻ってくる場面から始まります。旅装のレジーナが手に持つ鞄は、トランクの中に畳んでしまえるというスティーマー・バッグ。また、ドアマンに持たせたソフトラゲージもルイ・ヴィトンのもの。

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ロサンゼルス空港でとらえたオードリー。手にはスピーディーが! - Ron Galella, Ltd. / Wireimage / Getty Images

先述した『昼下がりの情事』や『シャレード』などオードリーの主演作に重用されたルイ・ヴィトンですが、オードリーがプライベートでスペシャルオーダーしたというスピーディーは注目を集め、若い女性の間に大人気に! 当時ファッションアイコンとして日本でも有名だったオードリーは、後年日本人がパリのルイ・ヴィトン店に行列を作り、1978年にはニューヨークに先駆けて日本初のルイ・ヴィトン店がオープンした理由かもしれません。

7:ファッションラインができたのはほんの20年ほど前

創業者のルイ・ヴィトンの死後、息子のジョルジオはルイ・ヴィトンを世界的な企業に育てました。しかし、1987年、世界最大のファッション業界大手企業体であるLVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンに買収されます。そして、LVMHを率いるベルナール・アルノーは1997年にプレタポルテ(既製服)を立ち上げ、マーク・ジェイコブスをアーティスティック・ディレクターに指名。

この頃、マーク・ジェイコブスはペリー・エリスのチーフデザイナーを経て自身のブランドを創業し、フランネルシャツ、花柄ワンピ、アーミーブーツなどを流行らせ、グランジの教祖としてその名を馳せていました。

職人が守る“伝統”とデザイナーが起こす“創造”がときに闘いながら、ルイ・ヴィトンのメッセージを鞄や洋服のトータルファッションとして、より具体的に表現できるようになったのは、アパレルラインができてから。

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革命を起こしたマーク・ジェイコブスと村上隆 - PATRICK MCMULLAN / Patrick McMullan via Getty Image

ルイ・ヴィトンのプレタポルテのコレクションを作り上げる舞台裏は、ドキュメンタリー映画『マーク・ジェイコブス&ルイ・ヴィトン ~モード界の革命児~』(2007)でじっくりと堪能できます。作中、マークが村上隆や草間弥生といったアーティストにインスパイアされてコラボーレーションしていく様子からは、“伝統と創造”のバランス感覚を備えたマークの才能に圧倒! 実際に、村上隆とのコラボレーションから誕生した33色も散りばれたモノグラム・バッグは、一世風靡しました。

尚、2014年からはバレンシアガのクリエイティブ・ディレクターだったニコラ・ジェスキエールがウィメンズ・コレクション アーティスティック・ディレクターに就任し、革新を添えたタイムレスなルイ・ヴィトンのストーリーを奏でています。2017年10月に発売された、現代アーティストのジェフ・クーンズとコラボしたMASTERSコレクションも話題に。ゴーギャンモネといった西洋絵画の巨匠たちの傑作に彩られたアイコンバッグやアクセサリーが注目です。

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ダ・ヴィンチも話題のMASTERSコレクション - Richard Baker / In Pictures via Getty Images

20世紀に入り、歴史あるヨーロッパの数々のブランドが死に絶えてきた中で圧倒的な売り上げと人気を誇るルイ・ヴィトン。その理由はなんなのか……? それは、大企業の傘下に下りながらも、アウトレット、ライセンシング、価格の安いセカンドライン、バーゲン、手工業の機械化などを禁止し、独自の流通チャネルを駆使してブランドを守り続けてきたから。ルイ・ヴィトンの工房では、素材の選択から手工業にいたるまで創業時以来から続くクラフトマンシップにこだわっています。例えば、トランク製造には5~8年までにさかのぼり良質な木材を選ぶところから始まっているのだとか。加えて、商品開発に関してはマーケティングではなく、職人の声を大切にするヴィトン家とアーティスティック・ディレクターのアトリエの意見が最優先されており、伝統にふさわしくない商品に対してヴィトン家には拒否権があると言われています。

“伝統”を守る職人技術にデザイナーが生みだす“創造”がお互いを刺激し合いながら、新しい物語を紡いでいく……それがルイ・ヴィトンなのです。

【参考】
ルイ・ヴィトン公式サイト

THE Hollywood REPORTER

毎日新聞

株式会社グラフィック社『ルイ・ヴィトン シティバッグ ナチュラル・ヒストリー』ジャン=クロード・コフマン、イアン・ルナ、フロランス・ミュラー、西谷真理子、コロンブ・プリングル、ディヤン・スジック著

株式会社講談社『堕落する高級ブランド』ダナ・トーマス著 実川元子訳

東洋経済新報社『ルイ・ヴィトンの法則』長沢乃伸也著

此花さくやプロフィール

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「映画で美活する」映画美容ライター/MAMEW骨筋メイク(R)公認アドバイザー。洋画好きが高じて高3のときに渡米。1999年NYファッション工科大学(F.I.T)でファッションと関連業界の国際貿易とマーケティング学科を卒業。卒業後はシャネルや資生堂アメリカなどでメイク製品のマーケティングに携わる。2007年の出産を機にビジネス翻訳家・美容ライターとして活動開始。執筆実績に扶桑社「女子SPA!」「メディアジーン」「cafeglobe」、小学館「美レンジャー」、コンデナスト・ジャパン「VOGUE GIRL」など。海外セレブのファッション・メイク分析が生きがいで、映画のファッションやメイクHow Toを発信中!

<これまでの記事一覧>
●永遠のスタイルを生み出した「ココ・シャネル」女性に与えた6つの自由【第1回シャネル】
●マリリン・モンローからジョニデ娘まで!シャネル N°5 と9人のアイコン【第2回シャネルその2】
●エルメスの名品4つと映画~バーキンやケリーに受け継がれる伝統【第3回エルメス】
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●映画以上に激動の人生!帝王イヴ・サンローランが遺した8つの偉業【第5回イヴ・サンローラン】

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