ベルギー攻略の鍵は? データで解き明かす強豪国の「弱点」と警戒すべき「キーマン」

ベルギー攻略の鍵は? データで解き明かす強豪国の「弱点」と警戒すべき「キーマン」

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  • 更新日:2017/11/14
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昨夏の欧州選手権以降の全15試合のデータを集計 W杯予選では圧倒も…

欧州遠征中の日本代表は、現地時間14日(日本時間15日早朝)にベルギーとの国際親善試合に臨む。10日のブラジル戦では前半に3失点するなど不安を覗かせた一方、キーマンであるパリ・サンジェルマン(PSG)のFWネイマールに流れのなかから得点を許さず、相手が明らかにペースを落としたとはいえ、強豪相手にセットプレーから1点を返した点は今後に向けた一つの収穫となった。

ベルギー戦はブラジル戦に続く、ワールドカップ(W杯)“第1シード国”とのゲーム。日本にとっては世界との距離を測る絶好の機会となるが、今回は昨夏の欧州選手権以降のベルギー代表の戦いを振り返り、日本が突くべきポイントについて提言したい。

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W杯欧州予選の全10試合を9勝1分、43得点6失点と、ベルギーは圧倒的な強さを見せつけて突破した。一方で11月10日に行われた国際親善試合メキシコ戦では、5バックと守備的に臨みながら3失点を喫して3-3のドローで終えるなど、実力国相手に必ずしも圧倒できていたわけではない。同期間内に行われた国際親善試合(メキシコ戦含む)をまとめると、5試合を1勝3分1敗、9得点10失点と平均的な成績となってしまう。圧倒的な戦力を誇りながらも、強者たる実力を発揮できないのはなぜか。

多発する負傷者と不安定な守備陣

【理由1:ベストメンバーが揃わない】
14日の日本代表戦でも、DFヴァンサン・コンパニー(マンチェスター・シティ)、DFトビー・アルデルヴァイレルト、DFヤン・フェルトンゲン(ともにトットナム)、MFラジャ・ナインゴラン(ローマ)、MFマルアン・フェライニ(マンチェスター・ユナイテッド)といった各強豪クラブで主力を務める代表の中核メンバーが、怪我のため不在となる。彼らはいずれも守備面での安定をもたらし、セットプレー時には攻撃でもチームに貢献するなど、いずれもチームに欠かせぬメンバーだ。

期間内を振り返ってみても、FWロメル・ルカク(マンチェスター・ユナイテッド)やMFケビン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)といった主力メンバーを起用できなかった時期がある。しかも、単独で欠けるのではなく、今回のように複数で欠けてしまうことが多かった。

【理由2:脆弱な守備ユニット】
ベストメンバーが揃わないことは、必ずしも悪いことではない。それによりMFヤニック・カラスコ(アトレチコ・マドリード)やDFトマ・ムニエ(PSG)らが一気に代表の主力に定着した。

特にムニエに関しては、予選序盤は右サイドバックの位置づけだったものの、2016年11月14日のエストニア戦にウイングバックで起用されたことで攻撃面が開花。それ以来、ベルギー代表は3バックシステムを活用している。しかしこれにより、センターバックを3枚配置する必要が生じてしまう。本来の枚数は充足しているが、怪我、不調等で3試合以上同じ組み合わせで組めておらず、連携ミスを実力国に突かれて得点されてしまうケースが多々発生している。

では、日本代表の勝利には何が必要なのか。両チームのキーマンを踏まえて見ていきたい。

ベルギーの気鋭ムニエを長友は抑えられるか

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ベルギー代表のゴールハンターはFWルカク。しかし、期間内15試合で決めた13得点のうち、ボックス内でのゴールが12得点、しかもその大半が連携や単独での打開ではなく、こぼれたボールを押し込んだことで生まれている。すなわちボックス内までのルートを遮断してしまえば、その脅威は弱められることになる。

MFエデン・アザール(チェルシー)やデ・ブライネも脅威となる存在だが、今回最も警戒しなければならないのは、右のウイングバックでの先発が濃厚なムニエだ。9-0で圧勝したジブラルタル戦では3得点4アシストの成績を収めている。

ムニエ最大のストロングポイントは、「ボールを持つ前から焦点をゴールに合わせている」ことだ。戦術やチームメイトの特徴もあるだろうが、味方の選手やスペースを探すのではなく、常にゴールからの逆算でプレーを選択しているように見える。ウイングバックながら得点を量産できるのも、ゴールへの道筋を常に描いているからだろう。

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そのため、ムニエ出場時と不在時では攻撃の形が大きく異なる。左図の通り、ムニエ不在時は左サイドやセットプレーからの得点がほとんどを占める。アザールやFWドリース・メルテンス(ナポリ)、デ・ブライネの影響力の大きさが見てとれる。

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それに対してムニエ出場時には、左図を見れば分かる通り、右サイドの割合が格段に増加しており、このサイドアタッカーがベルギーの攻撃の中心となっていることがよく分かる。日本戦で対峙するのは、これまで数々の猛者を相手にしてきたDF長友佑都(インテル)。前回2013年11月19日の対戦時、ムニエは後半34分から途中出場するものの敗戦の笛をピッチ上で聞き、長友は出場機会なくベンチで勝利を見届けた。あれから4年、研鑽を積み続けた両者のマッチアップはこの試合の大きな注目ポイントとなる。

ムラのある最終ラインには多彩な対応を

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一方で、ベルギーが抱える問題は守備だ。冒頭の表の通り、予選の失点数は少ないものの、親善試合においては全試合で失点を喫している。

最も大きな失点の割合は「セットプレー・ミス」によるものだ。その他各方面から攻撃された場合も、一本槍な攻め方やゴール前での混戦の場合には、ベルギーDF陣は目の前にあるボールや人を点で捉えればよいため、デュエルに勝利し弾き返しているが、連動性のある攻撃で徐々にダメージを食らわせていくと、局面でのデュエルには勝利すれど、必ずと言っていいほどマークミスを起こしてしまう。

ウイングバックを務めると思われるムニエ、MFナセル・シャドリ(ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン)は攻撃の意識が強いため、日本にとってサイドの裏にできるスペースは徹底して突くことのできるポジションだ。FW乾貴士(エイバル)やFW浅野拓磨(シュツットガルト)らのスプリント力に期待したい。

ベルギーとは過去4戦2勝2分と相性も良く、怪我人も多発と今回も風は日本に吹いている。勝利や敗戦はあくまで結果論にすぎないが、自チームの戦術だけにこだわらず、相手チームのウィークポイントを突くことにもフォーカスして攻め続ければ、日本が望む解が得られる可能性は高くなりそうだ。

【了】

Evolving Data labo●文 text by Evolving Data labo

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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