米民主党よ、新たなチャンスを無駄にするな

米民主党よ、新たなチャンスを無駄にするな

  • WSJ日本版
  • 更新日:2017/11/14
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――筆者のジェラルド・F・サイブはWSJチーフコメンテーター

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民主党にとっては、空が大きく開かれ、良い知らせが次々と降り注ぎ始めたように思えるに違いない。

今年、特に大きな意味を持つバージニア州の選挙で、民主党は知事の座を確保したばかりか、その波及効果により州議会選でも勝利を収めた。同じ日に行われたニュージャージー州知事選でも民主党候補が勝利し、さらにジョージア州とワシントン州の州議会選で共和党から議席を奪った。

注目のアラバマ州上院補選では、民主党のダグ・ジョーンズ候補が共和党のロイ・ムーア候補と肩を並べている。またある最新の世論調査ではわずかにリードしている。ムーア候補は過去に14歳の少女などにわいせつな行為をした疑惑が浮上。共和党のドナルド・トランプ大統領は39%という低い支持率にあえいでおり、同党のジェフ・フレーク、ボブ・コーカー両上院議員は、民主党員もかなわないほど痛烈な言葉でトランプ氏の仕事ぶりを非難している。

民主党はまさに順風満帆の状況だと言える。来年の中間選挙で下院の過半数議席を奪還することを期待するのは当然だろう。

それでも民主党がこの機会をふいにする可能性はあるか? もちろんある。

米政界では過去数十年、両党が順番に追い風を過大評価するサイクルを繰り返してきた。今回の場合、民主党が単に不人気の大統領を批判するだけで十分だと判断し、昨年トランプ氏支持に傾いた有権者を奪い返すような経済的メッセージを打ち出さなければ、チャンスを逃す可能性がある。

端的に言えば、民主党は目の前にある最も困難な仕事を成功させられることをまだ明確に証明していない。すなわち、進歩主義的な左派のエネルギーを、民主党の伝統的な支持基盤である中道の白人労働者層からの得票に結びつけることだ。それができなければ、政権奪還に向けた道のりは依然困難なものとなる。共和党の24議席を奪って下院多数派となるにはまさにそれが必要だからだ。

ではどうすればその仕事を達成できるのか。答えを探るヒントはティム・ライアン下院議員(オハイオ州)が持っている。人気上昇中の民主党のスターだ。同氏は民主党の手堅い支持基盤の一つである湖岸の選挙区だけでなく、むしろ昨年トランプ氏が急速に支持を広げた工業都市ヤングズタウン周辺のブルーカラー労働者の多い地区でも支持されている。ここの有権者はかつて民主党の忠実な支持者だったが、昨年の大統領選でヒラリー・クリントン候補の得票率は51%にとどまった。

「明らかに民主党内の士気が高まっている。それが来年にかけてわが党に恩恵を与え続けることは本当に望ましいと思う」。政治的には中道派のライアン議員はこう語った。「ただこれは始まりに過ぎない。まだ来年に向けて進むべき長い道のりがある」

具体的には「わが党の経済的メッセージがより際立つように磨き続けること」だと言う。さらに、民主党が来年勝つ必要がある連邦議会の選挙区の多くは、バージニア州北部のような地域ではないと同氏は述べた。先週の同州知事選では、知的専門職に従事する若者や所得の高い郊外住民に支持された民主党候補ラルフ・ノーサム氏が勝利を収めた。

「わが党が大声で非難すべきは、米国の抱える真の経済的問題に対して大統領の対応が不十分なことだ」と同氏は考える。一つには「大統領が選挙期間中しきりに口にした1兆ドルのインフラ投資計画の法案がいまだ示されていないこと」がある。それは老朽化した道路や橋を修理するだけでなく、ブルーカラー労働者にとっての雇用創出を意味する。

またライアン議員は、トランプ氏が米国に不利だとする貿易協定に異議を唱える半面、それらの協定の中で(民主党にとって重要な)雇用や環境基準に関する「不十分な規定」をきちんと批判していないと指摘。さらにトランプ氏の経済政策や税制改革の提案は、米企業が海外に業務をアウトソース(外部委託)するのを食い止める効果がほとんどないと述べた。民主党は「ビジネス界と敵対することなく」課税逃れをする企業に注意を喚起すべきだとした。

ある意味、ライアン議員の最大の取り組みは、勤労所得に対する税額控除を大幅に拡大するよう主張していることだ。これは連邦所得税の支払い義務がない場合でも低所得層や中所得層の家計に税法上の恩恵をもたらす制度だ。同氏は40年に及ぶ賃金停滞を埋め合わせるのに有効だとし、一部労働者に対する控除額を2倍以上に増やすよう求めている。

ライアン氏は同党の進歩主義者が提唱する単一支払者医療保険制度(政府機関が保険料を徴収して医療費を支払う国民皆保険)の創設には賛成する一方、トランプ大統領の弾劾を目指すのは誤りだとして進歩主義者とは一線を画す。

ライアン氏は昨年末、下院民主党トップの院内総務を選出する際、大胆にもナンシー・ペロシ氏の対立候補に名乗りを挙げたが、敗退した。今や共和党が来年の中間選挙でペロシ氏を「リベラル派の顔」として標的にするのは確実だ。

ライアン氏は共和党がそうしたキャンペーンを展開するのは不可避だと認めるが、同党は不人気なリーダーを抱えて選挙に臨まねばならないと指摘する。より重要なのは、両党の間で揺れる「スイング」有権者に対し、民主党が説得力のある経済的メッセージを提示することだ。そうすれば党の内外で「右か左かで2つに分断された状況にはまり込む」ことはないだろうと同氏は考える。

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