
トロフィーを手に笑顔の大久保選手
伊勢原市ゴルフ協会所属の大久保海さん(厚木北高3年)が5月7日、大磯町のレイクウッドゴルフクラブ・西コースで行われた「県アマチュアゴルフ選手権2023」の15歳〜17歳男子の部(6681ヤード、パー72)に出場。68ストロークで回り初優勝した。
雨が降り、強い風に見舞われる悪天候の中で行われた同選手権。大久保選手は「雨は苦手なので、始まる前は嫌だった」と話したが、インスタートの前半は1アンダーで首位に立った。
後半は5〜7番で3連続バーディーと圧巻のゴルフで、終わってみればトータル4アンダー、68ストロークで2位に3打差をつけ、同選手権で自身初のタイトルを獲得した。「県大会がいつも調子が悪くて良い思い出がなく、悔しい思いをしてきた。優勝できてうれしい」と笑顔で語った。
大会に向けたオーバーワークや緊張感などからか前日に体調を崩し、出場も危ぶまれたという大久保選手。しかし翌朝には回復傾向にあったことから選手権に出場した。「逆に体の力が抜けてリラックスできて、気を張らずにプレーできたのが良かったのかもしれない」と語った。
イップスを乗り越え
伊勢原小、中沢中学校出身の大久保選手は、父親に勧められ3歳からクラブを握った。
高校1年の時には、関東高校ゴルフ県予選で優勝。勢いそのままに出場した関東でも好成績を残し、全国出場を決めたが、全国大会前の公式戦で1メートルのパットをミスし、イップスに陥ってしまった。「パターを構えても手が震えてストロークが上がらなくなってしまった」と振り返る。キャリアで初の出来事に戸惑いながらも、地道に練習を繰り返すこと約1年半。見事に克服し、今回の選手権優勝をつかみ取った。「大会に出ることが好きなので、ゴルフが嫌になることはなかった。家族や周りの人の励ましが力になった」と大久保選手。
苦しむ我が子の姿をそばで見守っていた母親の美紀さんは「去年結果が出せなかったので、優勝できて嬉しかった。家族皆で泣いて喜んだ。今年の良いスタートが切れたのでは」と喜びを語った。
7月の関東、その先の全日本ジュニア出場を目標にしている大久保選手。「国体の出場も決まっているので、高校生活最後を良い1年にしたい」と意気込む。
タウンニュース伊勢原版