米人気脚本家、ションダ・ライムズが年収76億円を稼ぐ理由

米人気脚本家、ションダ・ライムズが年収76億円を稼ぐ理由

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2021/06/14
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昨年のクリスマスにネットフリックスの大人気ドラマ「ブリジャートン家」が初めて配信された際、脚本を手掛けたジョンダ・ライムズは、ロサンゼルスの自宅で3人の娘たちとプレゼントのラッピングを開けていた。同ドラマは、ライムズが初めて手掛けたネットフリックスのオリジナルシリーズだ。

彼女の元に、ネットフリックスのテッド・サランドスCEOから作品を絶賛するテキストメッセージが何度も届き、彼女はヒットを予感した。その後、ヒラリー・クリントンからメールが届いたという。

クリントンは、サイモン・バセット侯爵役のレジ=ジーン・ペイジの演技に魅了され「侯爵が頭から離れないが、どうしたらいい?」と質問してきたという。

現在51歳のライムズは、人気恋愛小説のドラマ化を数多く手掛けてきた。無数のコンテンツが溢れる今日にあって、「ブリジャートン家」は不可能とも思える快挙を成し遂げた。配信開始から28日で、ネットフリックスの有料会員の40%に相当する8200万世帯がこのドラマのシーズン1の全8話を視聴し、日本を除くすべての国でトップ10に入ったのだ。サランドスは、数週間のうちにシーズン2の制作を決め、4月にはシーズン3と4も追加で制作することに合意し、現在は、スピンオフドラマを制作中だ。

ライムズは、ネットフリックス限定のコンテンツを制作することで、同社から年間3000万ドルの報酬を得ているが、ドラマの大成功を受けてさらに数百万ドルのボーナスを手に入れる予定だ。前払いが多いストリーミングの契約で成功報酬を得ることは稀だ。

「報酬が自分に不釣り合いだと感じたことは一度もない。常に自分の努力に見合った報酬を得ていると考えている。自分を小さく見せる習慣が付いている若い女性を見ると、イライラする」とライムズは話す。

ライムズは、2017年に10年以上契約関係にあったABCを去り、ネットフリックスに移った。ブリジャートン家の大成功により、彼女はその決断が正しかったことを証明してみせた。「自分に賭けてみることが必要だ。もし私が安全策をとっていたら、それまでいた場所で全く同じことをし続けていただろう。自分を信じることは、無茶なことではなかった」と彼女は言う。

それでも、ABCで大成功を収めていたライムズが同社を去ることは、リスクが大きいと思われた。彼女は、医療ドラマ「グレイズ・アナトミー」や「スキャンダル 託された秘密」、「殺人を無罪にする方法」」などのヒット作でABCの親会社であるディズニーに20億ドル以上をもたらした。「スキャンダル 託された秘密」では、ケリー・ワシントンがアフリカ系アメリカ人の女優として40年ぶりにドラマの主役を務めた。また、「殺人を無罪にする方法」で主役を演じたヴィオラ・デイヴィスは、アフリカ系アメリカ人として初めてエミー賞のドラマ部門主演女優賞を受賞した。

ABC時代の「交渉」
これほどの成功を収めても、ライムズはより高い報酬を得るためにABCと常に激しく交渉しなければならなかった。(2005年にグレイズ・アナトミーの放送が開始して以来、彼女の1話ごとの報酬は3万ドルから25万ドルに増えた。)ABCの重役たちは最終的には折れたが、交渉はいつも戦いのようだったという。

「私が会社にもたらした金額と、彼らがそれに見合うと考える私への報酬を比べるといつも唖然とさせられた」とライムズはABC時代を振り返って述べた。

ライムズは、2017年にサランドスとネットフリックスへの移籍に向けた話し合いを開始すると、謙虚さを一切見せずに交渉に臨んだ。「私は、私の望むやり方で皆が実現してくれることを確信していた」と彼女は話す。「私は、ライムズが新たなキャリアで希望することを明確に示したことに舌を巻いた。彼女はまさに絶頂期にあった」とサランドスは述べている。

「ジョンダ・ライムズは、他に類を見ない力を持っている。彼女が築いた帝国が年々拡大していることを見れば、人々が彼女の物語を欲していることがわかる」とミシェル・オバマは話す。ライムズは、2013年のケネディ・センター名誉賞でオバマと同じボックス席に座った。

オバマの言う”帝国”とは、ライムズが設立したテレビ制作会社「Shondaland」のことだ。ライムズによると、50名のスタッフは彼女が作るドラマのキャストと同様に、多様な人材が一体となって働いているという。半数はテレビ番組の制作を手掛け、残りの半数は新たな領域に従事している。iHeartRadioと共同で運営するShondaland Audioは、ブリジャートン家のコンパニオンポッドキャストの他、ラバーン・コックスと「スキャンダル 託された秘密」のスター、ケイティ・ロウズがホスト役を務める番組などを提供している。

今年の年収は70億円を突破
また、Hearstと共同運営するウェブサイト「Shondaland.com」は、女性を力づける記事や、ライムズのドラマシリーズに関する最新情報を提供している。他にも、彼女の著書「Yes ダメな私が最高の人生を手に入れるまでの12カ月(Year of Yes)」に基づいた8週間のフィットネスプログラムをペロトン(Peloton)と共同で運営している他、トップクラスの講師によるオンライン授業を配信している。

フォーブスの推計で、ライムズは今年、「ブリジャートン家」の大ヒットによるボーナスを含めて4000万ドルをネットフリックスから得る予定だ。これに加えて、「グレイズ・アナトミー」と「ステーション19」のプロデュース料として800万ドル、さらに「グレイズ・アナトミー」と「スキャンダル 託された秘密」、「殺人を無罪にする方法」の利益配分として1700万ドル、Shondalandが提供するポッドキャストやウェブコンテンツ、書籍などの収益として数百万ドルを得る見込みだ。

これら全てを含めた税引前の年間所得は、7000万ドル(約76億6000万円)近くに達し、彼女にとってこれまでで最高額となる。彼女がこれまでのキャリアで稼いだ金額は、税引前で3億5000万ドルを超える。

ライムズは数十年先を見据えており、これは始まりに過ぎない。「我々は誰かのために働いている訳ではない。我々は、Shondalandのやり方で仕事をするのだ」と彼女は述べた。

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